投稿日

11/19 開催 Hello SORACOM 東京 テクノロジー編開催レポート

皆さんこんにちは、ソラコムnaoです。最近は一気に寒くなりましたね。

さて、先日は神田明神ホールにて、SORACOMサービスをこれから学ぶ方やIoTについて学習したい方を対象としたイベント「Hello SORACOM」を開催しました⛩

f:id:soranaocom:20191121103432p:plain

ここでは、午後のテクノロジー編のイベントの様子やセッション資料、最後にお客様から多数いただいたご質問への回答をさせていただきます。

f:id:soranaocom:20191121104943j:plain
神田明神

IT情報安全祈願のお守りでも有名な神田明神の境内に、ちょうど一年ほど前セミナーや展示会、エンターテイメントで利用可能なホールができました。

会場に入ると、壁面に神田大明神祭札絵図、中は木材がたっぷり使われていてとても雰囲気の良い会場でした。スクリーンも大きく、見やすい!

f:id:soranaocom:20191121105850j:plain

セッション資料

テクノロジー編では、IoT に取り組むエンジニアがIoTに取り組む際に持っておくと便利な考え方や、既存のものを組み合わせまず動くものを作る「プロトタイピング」の方法、SORACOMサービスがどう役立つかをご紹介しました。

IoTプロジェクトを成功に導くエンジニアリングの秘訣と活用できるSORACOMサービス
株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 横田 峻

今すぐ始めよう!「IoTプロトタイピング」に最適なSORACOMサービス
株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下 享平

f:id:soranaocom:20191121113121j:plain

質問内容とその回答

セッション終了後は、お客様から多数のご質問をいただきました。ご質問いただいた皆様、ありがとうございます。お時間の関係上全てにご回答することができませんでしたので、こちらで回答させていただきます。

Q.
複数のSIMを登録しSORACOM LagoonプランでMaker/Proの契約をしている場合、すべてのSIMに有効でしょうか。または SIMごとにLagoonのプランの契約が必要ですか?

A.
SORACOM Lagoon のご契約単位はオペレータ ID (いわゆるユーザーアカウント) となりますので、SORACOM Lagoon を利用可能な状態にすれば、そのオペレータ IDで管理されているSIM等すべてでご利用可能となります。詳しくはSORACOM Lagoon のご利用料金をご覧ください。
※ SORACOM Lagoon は SORACOM Harvest Data をデータソースとして利用するため、SORACOM Harvest Data の利用が必須となります。そちらはSIM等の回線毎に料金がかかりますのでご留意ください。


Q.
SORACOM Lagoon のユーザー名とパスワードを設定しなくてもAWSのS3から画像取得可能でしょうか?

A.
プライベート設定としている Amazon S3 バケット内の画像データを SORACOM Lagoon で表示する方法には複数のアーキテクチャが考えられます。まず、Amazon S3 単体で完結したい場合は、Amazon S3 署名付き URL (Pre-Signed URL) を利用する方法です。一時的な URL を払い出し、その URL を SORACOM Lagoon で読み込ませる方法です。署名付き URL の概要および利用方法法についてはAmazon S3 / 他ユーザーとのオブジェクトの共有をご覧ください。また、SORACOM Lagoon の Dynamic Image Panel は Basic 認証に対応 (詳細はブログをご覧ください)しています。 Amazon S3 は Amazon Cloudfront と AWS Lambda を利用することで Basic 認証を実現することができるため、この組み合わせで画像を取得することも可能です。
※ Amazon Cloudfront + AWS Lambda + Amazon S3 による Basic 認証の設定方法については、多くのユーザ様がブログ等で解説していますのでで、そちらをご覧ください。


Q.
データの蓄積は SORACOM サービスで可能ですが、分析はクラウド側で行うのでしょうか?

A.
「分析」には過去のデータから現在の状態を把握する分析や、いわゆる未来予測など様々な切り口があり、またその用途に合わせた分析アプリケーションやサービスも数多く存在します。SORACOM では 、まず IoT の最初の課題となりがちな「デバイスからのデータをいち早く表示、現場の現状を可視化する」ことを目的として、SORACOM Harvest Data や SORACOM Lagoon をご提供しています。また単純な閾値超えを検知してアラートを送信する要件であれば、SORACOM Lagoon で実現可能です。詳細はSORACOM Lagoon の Alert の概要をご覧ください。
その先の「データ活用」については、様々な用途やアプリケーションやサービス活用がしやすいように、SORACOM Beam / SORACOM Funnel / SOARCOM Funk といったクラウド連携サービスをご用意していますので、用途に合わせた分析アプリケーションやサービスを活用いただきたいと考えています。Unified Endpoint をご利用いただくとひとつのエンドポイント(送信先)で SORACOM Beam、SORACOM Funnel、SORACOM Harvest、SORACOM Funk に同時にデータを送信できます。詳細はUnified Endpoint 開発者ガイドもご覧ください。


Q.
SORACOM が提供している簡易位置測位はどのくらいの精度でしょうか。

A.
精度は利用地域によって大きく異なる場合があります。詳細は測位方法と誤差について / 測位方法 | サービス・機能 | NTTドコモをご覧ください。SORACOMで提供している簡易位置測位機能は plan-KM1 というKDDI LPWA(LTE-M)にて実現しています。詳細はブログで解説していますので、そちらも合わせてご覧ください。ユーザーコンソールでは簡易的に位置情報を表示できますが、簡易位置測位機能とは異なるものです。SIM管理画面で取得できる位置情報についてもご参照ください。


Q.
SORACOM LTE-M Button デバイスのバッテリー残量が少なくなった時に、通知するような機能はSORACOMコンソール上にありますか。

A.
SORACOM LTE-M Button for Enterprise および Plus においては、データの中に batteryLevel という値が入っています。SORACOM 内で完結するアーキテクチャの例としては、 SORACOM Harvest Data にデータを入れ、SORACOM Lagoon のアラート機能で特定の値を下回った際に通知するという方法が考えられます。
SORACOM LTE-M Button powered by AWS においては、SORACOM の API を通じて batteryLevel を取得することができますので、この値をもとに通知する仕組みを構築いただくことになります。


Q.
SORACOM Directを利用する際はAWS Direct Connectを自社ネットワークに接続しておく必要がありますか。

A.
SORACOM Direct は AWS Direct Connect を使用して SORACOM からお客様ネットワークを専用線で接続しますので、お客様による AWS Direct Connect の設定が必要になります。ご利用においては、実現したいネットワークアーキテクチャ、そして専用線の通信速度といった要因によってお申込みや設定の内容、ご連絡いただく先が異なります。お申込みから開通までの全体像はSORACOM Direct ご利用開始までの流れをご覧ください。また、SORACOM ではお客様のネットワーク環境を含めたご相談が可能な SPS 認定済みネットワークパートナーがいますので、そちらを通じてご相談いただくことも可能です。パートナーの一覧はこちらのページをご覧ください。


Q.
カメラなどの大容量のデバイスは、SORACOM をどのように使われていますか。

A.
plan-DU という「大容量アップロード用 SIM (通信回線)」を用いたカメラ活用の事例が増えています。例としては Japan Taxi 様では、ドライブレコーダーの映像データの収集・保管にご利用いただいております。 plan-DU につきましては大容量アップロード用 SIM / plan-DUをご覧ください。


Q.
デバイスから頻繁に動画や画像データをクラウドへ送信する場合のデータ通信料の例あれば教えてください。

A.
plan-DU という「大容量アップロード用 SIM (通信回線)」であれば、DU-10GB というバンドル(プラン)ですと、基本料金+通信料金が含まれた形でご利用いただくことができます。金額につきましては大容量アップロード用 SIM / plan-DU をご覧ください。また、SORACOM ユーザコンソールでは通信量の確認がいただける他、通信量の監視設定によってメール通知を行うことも可能なため、設定いただくことで不用意な通信にも迅速に対応いただけます。また、plan-DU 以外の通信において事前の見積もりを行いたい場合は、オンラインのお見積ツールもございますので、ご活用ください。


Q.
AI活用により今後エッジ側の処理が増えてくると思いますが、その場合にIoTプラットフォームとして、気をつける点や、可能性を感じていることはありますか?

A.
お客様のニーズの多様化によって「変わり続ける事」がハードウェアにも求められるようになってきていますが、エッジ処理デバイスのセットアップや 管理、ファームウェアのアップデートやアルゴリズムの更新といった管理は一般的には困難でしたが、2019年7月に発表したSORACOM Mosaic (2019年11月現在、プライベートベータとして提供中)は、これらの課題を解決する事を目的としたサービスです。同日に発表しました「S+ Camera Basic」は、SORACOM Air や SORACOM Mosaic を搭載したエッジコンピューティング・カメラデバイスで、これからの「変わり続ける事」に対しての実例として提示しています。


Q.
Raspberry Pi 等をウェブサーバーとして扱いたい場合、通信手段としてUSBドングルを活用できますか?

A.
活用可能です。USB ドングル型モデムのほとんどは Raspberry Pi で利用可能でして、具体的なセットアップ方法を公開しています。また、Rapsberry Pi 上の Web サーバにセキュアにアクセスする方法として SORACOM Napter というサービスが活用可能です。SORACOM Napter は単純なポート転送だけでなく TLS(SSL) 終端機能もあります。SORACOM Napter で TLS 終端を ON にすることで、例えば Raspberry Pi 上では TLS(SSL) 無しの Web サーバを立ち上げ、ブラウザからは SORACOM Napter まで TLS による保護、 SORACOM Napter から Raspberry Pi はセルラー通信自体の保護により、セキュアにアクセスが可能となりますのでご検討ください。


Q.
SORACOM Harvestに蓄積されたデータは、ローカル端末にエクスポート可能ですか?

A.
SORACOM Harvest Data からのデータエクスポートは可能です。SORACOM ユーザコンソール上からダウンロードする方法、その他には API (CLI) でダウンロードする方法があります。詳しい方法については SORACOM Harvest に「複数デバイスの同時表示」「CSVダウンロード」が追加をご覧ください。


Q.
SORACOM Harvestを利用した場合、データはどこに保管され、どのくらい保管できますか?

A.
SORACOM Harvest Data および Files は SORACOM プラットフォーム内に格納されてます。保管期間は SORACOM Harvest Data の標準では40日間、データ保持期間延長オプションを ON にしていただくと 731日間となります(単位はレコード毎です)また、SORACOM Harvest Files は標準で731日間となります。1レコード / 1ファイルあたりの最大容量等の仕様はSORACOM Harvest Data の特徴 および SORACOM Harvest Files の特徴 をご覧ください。


Q.
センサーデータをユーザーコンソールから見るための方法を教えて下さい。
また、SORACOM Beamを使った場合、データベースへデータを送り込むにはどの様な操作(プログラム)が必要ですか。

A.
センサーからのデータを SORACOM ユーザコンソールで見る方法は SORACOM Harvest Data の操作となります。開発者向けドキュメント / ステップ 3: Harvest Data で収集されたデータを可視化するをご覧ください。また、データベースへのデータ送信につきましては、利用されるデータベースシステム(RDBMS、キーバリュー型など)、データ送信の頻度やサイズ、そのサーバを動かす場所(クラウド、オンプレミスなど)に大きく依存する前提となりますが、例えば仮想サーバ上で動かしているRDBMSにデータを入れるといった非常に最小限の構成である場合、SORACOM Beam からのHTTP(S)リクエストを受けるためのHTTPサーバと、その上で「データを受け、RDBMSへデータ投入する」プログラムをご用意いただくことになります。

クラウドを活用いただく場合は、HTTPSリクエストの受け口に Amazon API Gateway のようなサービスを利用し、データ投入のプログラムは AWS Lambda を活用いただくといった構成になろうかと思います。以降はオンプレミス上やクラウド上でのシステム構成に精通したパートナー様にお問合せいただければ構成できるかと思います。

加えて、たとえば AWS であれば SORACOM Funnel を用いて AWS IoT へデータを転送し、AWS IoT のアクションで DynamoDB へ格納するというアーキテクチャも考えられます。こちらの詳細はSORACOM Funnel AWS IoT アダプタの効果的な使い方をご覧ください。


Q.
JOHNAN様の事例は、具体的にどういったセンサーを取り付けて可視化していますか?

A.
JOHNAN様の事例は Web 上で掲載しております。SORACOM 導入事例:JOHNAN株式会社こちらに記載がある通り、浮きと浮きがある高さに達したことをマグネットセンサーを活用されているとの事です。可視化については SORACOM Lagoon をご採用いただいております。


Q.
Wio LTEのバッテリーはどれくらい持ちますか。

A.
Wio LTE 自体はバッテリーを内蔵しておりません。消費電力という点においては Wio LTE JP Version の製造元である Seeed 社に掲載されているWio LTE Cat.1 の消費電力 をご覧ください。使用状況によって大幅に変わる場合がありますので、実際の現場においての計測をお勧めいたします。また、同じ Seeed 社から販売さ入れているWio Extension ― RTCを組み合わせることで、待機電力を1μA 以下まで下げることが可能です。詳しくはWio Extension – RTC を使用するをご覧ください。


Q.
数年前のSoftware Designの付録で配られていたSIMカードを所持しておりますが、実はまだ登録しておりません。当時の公式コメントでは期間限定となっておりましたが、今からでも活用できますでしょうか。

A.
申し訳ございません。期限が切れている可能性が高いです。期限切れの場合、延長はできませんので新しいSIMをご購入いただく必要があります。


Q.
Wio LTE はデータが欠落したら再送するようなシステムは構築できますか。

A.
データの欠落に対してはTCPなどの再送処理を実装しているプロトコルをご利用いただくことで、アプリケーション側で意識することなく再送処理を実現することが可能です。再送処理のないプロトコル(UDP等)をご利用いただく場合はアプリケーションレイヤーでの再送処理をご自身で実装いただく必要があります。セルラー通信では、デバイス設置場所の電波状況、デバイスやアプリケーションのトラブル、通信プラットフォーム提供元の設備メンテナンスなど、様々な理由で意図せぬネットワーク切断が発生する事があります。このあたりの考慮事項を含めたベストプラクティスガイドをご案内しておりますのでぜひご一読ください。


Q.
アカウント”A”で登録したSIMカードをアカウント”B”に移譲することは可能でしょうか。

A.
未使用のSIMの場合はコンソール上から「他のオペレーターへの譲渡」をお選びいただき別のアカウントのオペレーターIDを指定することで移譲が可能です。詳しくはこちらのFAQを御参照下さい。


Q.
SORACOM Lagoonのアラートはインターネットから取得可能ですか?

A.
SORACOM LagoonはWebhookを利用した通知機能を実装しておりますので、Slackなどのツールにアラートを通知することが可能です。こちらにアラートの設定方法がございます。

実際にSORACOMを使い始めた後に技術的な質問が出た時は、ユーザーコンソール内の右上にある「サポート」よりお問い合わせください。お問い合わせ方法の詳細はこちらに記載しています。

もっと詳しくSORACOMを使ったIoTシステムのアーキテクチャや、デバイス、双方向通信等を知りたい方を対象としたイベント SORACOM Technology Camp 2020 を来年2月に開始します。お申し込み受付を開始しましたので、是非こちらもご検討ください。

f:id:soranaocom:20191121122433j:plain

ソラコム nao