皆さんこんにちは、ソラコムの熊崎です。
5月19,20日に、手軽にセンサーデータをセルラー通信で取得したい方に向けたプロトタイピングキットの Grove IoT スターターキット for SORACOM に同梱されている、通信機能を搭載した小型のマイコンデバイス Wio LTE と照度を測る光センサーを使い、テレビ・モニターが付けっ放しになってないかを検知する IoTシステムを構築するオンライン講座 Let’s try IoT プロトタイピングを開催しました。
Let’s try IoT プロトタイピングとは
いつもの生活を少し便利に、少し楽しくする簡単にできるIoTの仕組みをご紹介するオンライン講座です。
今回の記事では、オンライン講座の当日いただいたご質問に回答いたします。
アジェンダ
- Wio LTE と 光センサーを使いデータをローカルで取得する
- センシングしたデータをデータ収集・蓄積サービス SORACOM Harvest Dataに保存する
- ダッシュボード作成・共有サービス SORACOM Lagoonを使いセンシングしたデータを可視化する
- SORACOM Lagoon を使い一定期間電気がついたままの状態を感知しアラートを飛ばす(メールを送る)
必要機材
- PC(最新のGoogle Chromeが利用可能なこと)
- Wio LTE Japan Version x 1 *
- SORACOM 特定地域向け IoT SIM (plan-D / ナノサイズ) x 1*
- Grove 光センサー
- SORACOM アカウント
※Grove IoT スターターキット for SORACOM に含まれます。
5月24日までの期間限定で Grove IoT スターターキット for SORACOM を定価の19 % オフの12,980円でお届けしています。
事前準備
Wio LTE を利用するためには、PCの環境セットアップが必要になります。講座では環境セットアップを終えた状態から始まります。環境セットアップの手順は下記のリンクをご確認ください。
Windows 環境セットアップ手順
Mac 環境セットアップ手順
オンライン講座のテキストについて
講座で利用しているテキストはこちらからご覧いただけます。
質問への回答
当日参加者の皆様からいただいた質問にお答えします。
Q. 講座では光の強さの判定は4色で実現されてましたが、4段階が最大でしょうか?
A. 今回ご提供しているスケッチ(プログラム)内の void sensing_data_display() 関数内で4段階として振り分けています。色や段階はここを変更することで対応可能です。
Q. 光センサーの代わりに、温度、湿度、CO2センサー等を WioLTE に取り付ける事は出来ますか?
A. Wio LTE はデジタル電圧、アナログ電圧、I2C、UART と呼ばれる信号を処理できますので、それに対応したセンサーを接続いただくことでセンサーからの信号を読み出すことが可能です。一方、読みだした信号を実際に使える値にするライブラリなどのソフトウェア部分についてはセンサーメーカーから提供されているものを利用することになりますが、そちらが Wio LTE で使用できるかはライブラリ提供元にご確認いただくことになります。また Wio LTE に接続可能なセンサーは動作電圧が3.3Vである必要があるため、5Vなど別の電圧で動作するものであれば電圧を調整するモジュールを挟んでいただくことで利用可能となります。ソラコムで提供している Grove IoT スターターキット for SORACOM は、Wio LTE ですぐ利用可能なセンサー7種(温湿度、GPS、超音波、磁気スイッチ、ボタン、ブザー、加速度)を同梱しており、またライブラリも無償公開しているので、こちらの利用もご検討ください。
Q. SORACOM Lagoon を利用するためには、どの様なデータ形式でアップロードすれば良いのでしょうか?
A. SORACOM Lagoon は SORACOM Harvest Data に格納されているデータを読み出すようになっています。その SORACOM Harvest Data へは JSON 形式で格納いただくことで、SORACOM Lagoon から利用できるようになります。JSON 内のデータ構造についてはフラット(第一階層に名前と値を記述していく)でも、ネスト(入れ子構造)でも利用可能です。データ構造の具体例については SORACOM Lagoon でネストされたJSONを指定しやすくなりました。をご覧ください。
Q. Wio LTE と SORACOM の間の通信プロトコルはHTTPでしょうか?
A. 今回利用しているスケッチ(プログラム)では HTTPを使用しています。一方、SORACOM 側のエントリーポイント(受け口)はHTTPだけでなく、TCP、UDP に対応しています。HTTPの採用理由はスケッチ(プログラム)を簡略化するためであり、例えばデータサイズを小さくしたいといった要件によっては UDP を採用することも検討すべきでしょう。
Q. 今回の場合、どのくらいのデータがどのくらいの頻度で送信されるのでしょうか。
A. メタデータサービスによって設定されている「計測間隔」と「計測回数」によって頻度が決定します。テキストでは計測間隔(SENSING_INTERVAL_MS) が 1000ms(1秒) 毎、そして計測回数(SAMPLING_COUNT) が 10 回毎となっているため、10秒毎に1度送信されることになります。
メタデータサービスとは
メタデータサービスは、SIMの識別子であるIMSIといった静的情報や回線速度・通信状態といった動的情報を取得できるサービスです。また、ユーザーご自身で回線に対して「タグ付け」が可能です。データAPIで読み出す他、SORACOM IoT SIM を使った回線であればSIMに関する情報は認証なしで取得・更新が可能です。
Q. メタデータは SIM ごとに設定が必要でしょうか?グループ一括で設定可能でしょうか?
A. SORACOM Air メタデータサービスは2種類あります。1つ目は SIM 毎に設定する「タグ」です。名称の通り、タグの名前と値を割り当てて、主に SIM の管理情報の格納としてご利用いただくことが多い機能です。もう1つが「ユーザーデータ」になります。こちらはグループに毎に設定します。こちらにはフリーのテキストを格納することができます。それぞれ利用方法はSORACOM Air メタデータサービス機能を使用するをご覧ください。
Q. Wio LTE がメタデータを取得する通信プロトコルは何でしょうか?
A. メタデータは HTTP で取得できます。アドレスは SIM 固有の情報(タグも含む)は http://metadata.soracom.io/v1/subscriber を、グループに紐づくユーザーデータは http://metadata.soracom.io/v1/userdata となります。アドレスが同じではありますが、SORACOM プラットフォーム上ではアクセス元の SIM を自動的に識別するため、同じアドレスだったとしても SIM 毎(もしくはグループ毎)の情報が取得できるようになっているため、同じファームウェアでも SIM が異なれば別の情報を与えることが可能になります。より詳しい情報は SORACOM Air メタデータサービス機能を使用する をご覧ください。
その他
次回の IoT オンライン講座
次回6月25日の講座では、接点入力を兼ね備えたボタン型デバイス SORACOM LTE-M Button Plus と磁気スイッチをセットにした IoT 体験キット 〜磁気センサー〜を使い、ドアの開閉をモニタリングするシステムを構築します。この仕組みを応用することで、ドアの開閉を使った見守り、冷蔵庫やワインセラーの扉の閉め忘れ防止を実現することも可能になります。30分で一気に学習ができるオンライン講座、ぜひご活用ください。
週替わり!デバイス特価キャンペーン
6月17日まで、週替わりでデバイスを特別価格でお届けするキャンペーンを開催してます。5月24日(日)までは、今回のオンライン講座で利用したGrove IoT スターターキット for SORACOM を19パーセントオフで購入いただけます。ぜひこの機会をご利用ください。特価デバイスやキャンペーンスケジュールはこちらをご覧ください。
ソラコム 熊崎