ハンダ付けは正直苦手な、ソラコム 松下(max)です。
ほぼ1年前に 3G モデム “UC20-G” の小ロット調達向け LCC パッケージを発売開始しました。そして今日、新たに 表面実装向け小ロット調達可能な LTE-M モデムの販売を開始 いたします。
LTE-M とは
LTE-M とは携帯キャリアの運営するセルラーネットワークを用いた LPWA 規格の1つで、既存の LTE 基地局をベースに全国エリアをカバーしているため、広域で省電力なセルラー通信を実現可能な通信です。
SORACOM では LTE-M を 9/27 より 1回線からお使いいただけるようになり、同日より LTE-M モデムを搭載したプロトタイピング向けマイコンボード Wio LTE M1/NB1(BG96) を販売してきました。
表面実装向け小ロット調達可能な LTE-M モデム「BG96 (LGA)」
BG96 は Quectel Wireless Solutions からリリースされている LTE-M 対応モデムです。 (Quectel 社 BG96 のページ)
今回 SORACOM では BG96 の LGA (Land grid array) パッケージ をご注文いただけるようになりました。
BG96 (LGA) と SIM スロットと組み合わせてデバイス製作することはもちろん可能ですが、より適した実装方法としてはチップ型 SIMと共に基板へ実装することで、従来の SIM スロット型との組み合わせでは難しかった、 極端な温湿度条件や耐振動といった環境性能が高い工業向けデバイス を作ることができるようになります。
ポイントは赤い点線で描いたような製品の成長か可能なところにあります。
初期段階は評価用ボードを使用して開発しますが、同じモデムを利用できるためソフトウェア資産を持ち越すことができます。
また、製品化前の検討段階においては LTE-M モデムを搭載したプロトタイピング向けマイコンボード Wio LTE M1/NB1(BG96) が利用可能です。
プロトタイピング向けとは言っておりますが、同じ Wio シリーズの Wio LTE JP Version においては、ウィンドサーフィンのワールドカップでも使われており、本番でもお使いいただくことができます。
SORACOM サービスの活用で、開発速度を加速できます
LTE-M を単純に通信として利用するだけでも良いのですが、さらに SORACOM が既に提供している様々なサービスを利用することで、デバイス上のソフトウェア(ファームウェア)開発の支援を受けることができます。
「短納期でシステムを構築したい」「クラウド連携に必要な開発工数の削減や、認証情報の取り扱い」「閉域網による閉じたシステムが欲しい」といった IoT システム開発ならではの課題を、SORACOM で解決していただければ幸いです。
それぞれのサービスの詳細へのリンクをご紹介しておきます。
- データ収集・蓄積サービス SORACOM Harvest
- ダッシュボード作成・共有サービス SORACOM Lagoon
- クラウド連携
- データ転送支援サービス SORACOM Beam
- クラウドアダプタ SORACOM Funnel
- 閉域網構築サービス
- プライベート接続 SORACOM Canal
- 専用線接続 SORACOM Direct
- VPN 接続 SORACOM Door
また、通信データサイズを劇的に削減しつつもクラウド連携を容易にする「バイナリパーサー機能」も SORACOM ならではの機能です。
BG96 (LGA) のご購入や詳細仕様について
BG96 (LGA) は SORACOM の ユーザーコンソール からご購入いただくことができます。
- 型番: BG96MA-128-SGN
- 価格: 2,480円 (500円分のクーポン※を含みます) (税別・送料別)
- 標準納期: 6~8週
- 納品形態: リール
※上記は 2018年10月 現在の情報です。最新情報やこちらに記載されていない情報は BG96 (LGA) 商品ページ をご覧ください。
付属のクーポンについて
6ヶ月使用可能な500円分のクーポンが付きます。クーポンは Air SIM の基本料金、データ通信量、SORACOM Beam、Canal といったソラコムのすべてのサービス料のお支払に適用できます。ただし、SIMカードやデバイスといった物品の購入には適用されません。また、異なるカバレッジには適用されません。
詳細仕様や AT コマンドマニュアルの掲載場所
詳細な仕様書は Quectel 社 BG96 のページ に掲載されております。
おわりに
UC20-G の時にも紹介しましたが、 IoT は最初の決め事よりも「検証と成長の繰り返し」「小ロット生産」を活用して、スモールスタートと成長モデルが大切になります。
本日紹介した BG96 だけでなく UC20-G や EC21-J を活用し、素早い検証&製品化のお手伝いをしてまいります!
ソラコム 松下