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社員レポート#6 〜 テクノロジー・エバンジェリスト 〜

みなさまこんにちは。

気がつけば12月に入り、ソラコムでは年末年始に向けた動きが活発化しています。そんな中、社員レポートもいよいよ後半戦に突入します! 後半(全5回)は職種に関わらず熱い想いを持って仕事に打ち込むメンバーの姿をお伝えしていきます。

さて、後半のトップバッターは、SORACOMサービスを全国を駆け回って皆様にご紹介・お届けする役割のエバンジェリストのmaxこと松下です。 プラットフォームサービスにおいて、エバンジェリストとはなにか?仕事の醍醐味とはなにか?さらには、どういう人がエバンジェリストになれるのか?という話を聞きました。

今回は「テクノロジー・エバンジェリスト」がどんな目的で、何をしているのかをご紹介いたします!

report-max 株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト兼事業開発マネージャー 松下 享平 max

エバンジェリストは、テクノロジーをラストワンマイルの先のお客様に届ける仕事

ー今日は広島!今日は札幌!と全国駆け回っていますね。「エバンジェリスト」とはどんなお仕事なのでしょうか。

簡単に言うと、 IoT の最新情報や現場、事例をお伝えすることはもちろん、活用できる技術やその裏付け、そしてデモといった実際に動くものを通じて「 IoTってすごいかも」「やってみたい」と感じていただくお仕事です。実践する際に役に立つSORACOMのサービスも解説します。

−エバンジェリストは具体的に何をしていますか? 旅をしています(笑)。企業や団体、コミュニティに説明するためのスライドをほぼ毎晩作成し、実際に動くデモを開発し、そして講演活動をしています。入社してからの登壇回数は延べ200回を超え、スライド枚数も8000枚を超えそうな勢いです。お客様から、「IoTが具体的にイメージできるようになった」「やってみるよ」などの反応を得ると本当に嬉しいですね。

ーエバンジェリスト、強そうな名前ですね。 エバンジェリストとは、元々はキリスト教における布教活動を行うことだそうです。AWSに代表されるクラウド以降、IT業界の製品やサービスにはこのエバンジェリスト職が増えました。

これには理由があります。クラウド出現以前は、ITテクノロジーはシステムインテグレーターや、ユーザー企業のシステム部に、最新テクノロジー情報をお伝えするだけで良い時代でした。さらにノウハウは企業秘密で公開されないのが一般的でした。

しかし、クラウド出現以降、ITテクノロジー活用のハードルは低くなり、誰もが使え、誰もが勉強することができるようになりました。コンピューターリソースの民主化です。高度で高価だったテクノロジー、たとえば今までは限られた人しかさわれなかった機械学習やスーパーコンピュータのような技術も、時間単位で勉強したり、何か作ってみることができるようになりました。誰もが使える技術なので、先に試した人がノウハウをインターネットで公開し、相互にノウハウをまなぶコミュニティが生まれました。この様な経緯から、会社だけではなくエンジニア個人にも直接最新テクノロジーをご紹介する必要性や機会が増え、エバンジェリスト職が誕生したわけです。

−テクノロジーの使い方を伝える職がエバンジェリストなんですね しかしIoTという分野を開拓するSORACOMのエバンジェリストにはもう一つの役割があります。「IoTを何のためにどう始めたら良いのか」をお伝えすることです。誰もがIoTテクノロジーを活用できるようになったことで、今までテクノロジー活用がその専門性とコストから無縁だったような分野、例えば農業や畜産、小さな工場、街のお弁当屋さんだってIoTを10年前の1/10 もしくは1/100くらいの費用で活用できるようになりました。これから活用をお考えの方には事例を軸にどんなことができるかをお伝えし始め方をお伝えします。

エバンジェリストは、人と新しいテクノロジーとの出会いをつくり、まだテクノロジーが届いていないラストワンマイルの先にいるお客様に、テクノロジーを届ける仕事ではないかと思っています。

report-max (図:IoTを一言で表したスライドとIoT技術の活用によって生まれる効果)

エバンジェリストとともに歩むコミュニティの存在

ー先週はSORACOM User Groupに参加していたそうですね。 エバンジェリスト職と、分けて考えることができない存在がコミュニティです。SORACOMにはSORACOM User Groupという、ユーザー主体の相互学び合いをするコミュニティが全国で活動してくれています。私は呼ばれたらそこにお伺いして、IoT最新動向やSORACOMの最新サービスをご紹介します。

彼らは、SORACOMがおもしろそう!IoTが面白そう!という想いで集まってくれた仲間です。彼らが学んで、その学びを次に学びたい人に伝えてくれます。彼らもまたエバンジェリストだと感じています。

ーmaxももともとコミュニティで勉強してきたそうですね。 私もまたコミュニティを通じてクラウドを学んだ一人です。コミュニティへの恩返しという気持ちもあり、次は自分がエバンジェリストとなって、誰かに新しい技術を伝えたい、使ってもらいたいという気持ちで、エバンジェリストとして活動しています。

ー最近特に印象的だったエピソードがあれば教えてください。 最近感激した出来事があります。長野で行われたSORACOM User Group 農業支部の定例会に伺ったのですが、ぶどう農家の方がIoTをラズパイを使ってはじめました。しかし、一人ではわからないところもあり、知り合いのSORACOM User Group で相談されました。その結果、コミュニティメンバーの手助けのもと、ぶどう農園状況をセンサーで遠隔モニタリング、可視化、さらには今データ分析まで試されているそうです。

一般的に農園の方はテクノロジーの最新動向は普段把握していない方が多いと思います。テクノロジーと使いたい人をつないでくれるのがコミュニティです。

ユーザーグループの存在はとても刺激的です。ともに学ぶ喜びはもちろん、どのようなIoT活用の可能性があるか、モノをインターネットに繋ぐのにどの様な課題があるかそういったインプットや、SORACOMサービスに対する喜びやこうなるともっと便利だといったフィードバックを得ることができます。こういうフィードバックを直接伺えるのも、エバンジェリストの醍醐味です。 report-max (写真:SORACOM User Group 農業支部 定例会にて)

数少ないハードウェア業界出身のエバンジェリストとして

ーmaxは特にハードウェアに詳しいですよね。どこで身につけた知識なんですか。 私のキャリアは、もともとインターネット・サービス・プロバイダーでネットワークインフラを構築を経験し、その後ハードウェアデバイスの製造メーカーにて、ハードウェアの開発を担当していました。その時に当時最先端だったハードウェアとクラウドの連携を学びました。

IoTは、モノをインターネットに繋ぐわけですから、モノの知識は必要不可欠です。こういったエバンジェリスト職をしている人でハードウェアに詳しい人は多くはありません。そういう意味では、過去の経験はとても役に立っています。

ーどうすればうまく話せるようになるんでしょうか。 登壇回数をこなすことかな・・・。実はソラコムに来るまで講演経験は殆どなかったんですよ。まずはLTなどからでも、人前で喋ってみることが大事だと感じます。実践あるのみです。

エバンジェリストの仕事術とは移動を極めること?

ーエバンジェリスト生活で得た、なにか役立つTIPSを教えてください。

そうですね、仕事柄、移動がとても多いです。1週間の移動が 3800km になったこともあります。そこから得られた移動に関する技をご紹介します。 私の基本戦略は「まとまった時間の確保とその間の電源とWi-Fi を途切れさせない」です。そのため、地域的に飛行機で行った方が速い場合でも、30分程度のズレであれば新幹線などの陸路を選択することもあります。というのは空港までの移動時間が意外と長い上にドアクローズまでまとまった時間を確保することがちょっと困難ということがあります。またフライト前後の PC 利用ができない時間を考慮すると、じつは総じて作業時間が無いということになるからです。こういう背景から、地方への移動だけでなく、展示会でよく行く東京ビッグサイトや幕張メッセとの交通にバスを選ぶことがあります。電車に比べて15分ほど遅かったりしますが、便によっては電源&Wi-Fi 完備です。幕張メッセ行きはメッセの入口近くに到着しますので、トータルの移動時間は削減できます。が、車酔いする方はご注意を! ちなみにバスは「都営バス 東京ビッグサイト 東京駅八重洲口 東京駅丸の内南口」もしくは「幕張メッセ 高速バス」で探してみてください。

ーは、はい。

陸路が使えない、もしくは圧倒的に空路が速いとなるともちろん飛行機に乗ります。着陸後の移動速度を上げるために「手荷物のみ、前列に座る」という知ってる方なら普通にやってることをやってます。 LCC も良く使うのですが手荷物の重量 7kg 制限が結構厳しいことがあります。荷物を軽くする方法は地道なものです。例えば PC の重量を限りなく軽いものにするとか、1つで複数の役割をするものに置き換えるなどなど。PC は富士通の LIFEBOOK WU2/B2 で Core i7 が載ってるのに約 800g。しかもプロジェクター接続トラブルが1度も無いのが富士通さん、さすがです。あとはダイソーさんのライトニングmicro-B 充電通信ケーブルでケーブル本数を減らすといった感じで・・・

ーそろそろ時間ですw エバンジェリストは何を語るときもすごい熱量なんですね。

あーっと、どうしても役に立つことをめいっぱい伝えたいという気持ちが先走ってしまって。普段もついついオーバーランしてしまうんです。

ーありがとうございました!

最後に ソラコムでは一緒に働くメンバーを募集しています。 カジュアル面談も受け付けておりますので、ご興味のある方のご応募お待ちしております。

ソラコム asako 平