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クラウドカメラサービス「ソラカメ」アップデート 〜ソラカメ APIで自社システムやソリューション連携〜

2022年7月20日に開催された「今日からはじめるクラウドカメラ」セミナーでは、2022年7月に発表したソラカメ APIについてご紹介しました。

Soracom Cloud Camera Services「ソラカメ」は、2022年5月に開始した、カメラ映像をクラウドへ常時録画・再生できるソラコムの新しいクラウドサービスです。このクラウドサービスに対応しているのが、ATOM Cam 2(1台 2,980円)と、ATOM Cam Swing(1台 4,280円)という2種類のカメラです。クラウド録画は月額 990 円〜(録画データ保管日数による)となっています。

リーズナブルな価格であることから、今までカメラが設置しにくかった場所への導入や、角度、場所を変えて、複数台のカメラを使う状況把握などのシーンでの利用でのお問い合わせもいただき、「ソラカメ」のカメラ映像を複数名で共有する3つの方法といった情報を早速公開しています。

そんな中、ソラカメを「自社システムと連携したい」「自社のソリューションのデバイスとして使いたい」というお声をいただくことも増え、2022年7月に提供開始したのが、ソラカメのAPIです。

ソラカメの API(Limited Preview)について

2022年7月に発表した「ソラカメ API(Application Programming Interface)」は、ソラカメの機能を皆様のシステムに組み込んでいただける機能です。例えば、ソラカメの録画映像をパソコン上や自社のアプリケーションで再生できたり、外部のクラウドサービスでのデータ加工や機械学習との連携が可能です。

2022年7月現在は、お申し込み毎に提供をするLimited Previewとしてご利用いただくことができます。お申し込みいただくとAPI 自体と、API の利用を簡便化する「SORACOM CLI」を提供する他、ソラカメ APIをベースに開発されたSORACOMプラットフォーム内の簡易ダッシュボードを通して利用することができます。

本セミナーでは、現在提供している4つのAPIの使い道について紹介しました。

1. カメラ情報取得 API

カメラ利用に欠かせない管理系の情報を得ることができます。例えば、カメラの接続状況(稼働状態)を一覧するアプリケーションを作ることができるでしょう。

本APIでは、他にも以下のような情報を取得できます。

  • カメラの接続情報(状態)
  • カメラがOnlineになった時間(最終接続日時)
  • カメラのファームウェアのバージョン情報(ファームウェアバージョン)
  • カメラの種類(ATOM Cam 2、ATOM Cam Swing)(製品名)
  • SORACOMで管理する上での、デバイスID(デバイスID)

2. ライブ映像ストリーミング再生 API

現在撮影しているカメラ映像を、MPEG-DASH形式の動画として取得できるAPIです。
ライブカメラ映像を皆様のアプリケーション内へ埋め込むことができるため、例えば顧客DBと連動した監視カメラアプリケーションを作れます。

ソラカメAPI(ライブ映像ストリーミング再生)を利用したアプリケーションのイメージ

MPEG-DASH形式はdash.jsといったライブラリで再生できるため、HTMLアプリケーション上での利用が特に容易でしょう。

このAPIの動作確認は、SORACOMユーザーコンソール(Web)上の「ストリーミングを取得」でも同様に行えます。

3. 常時録画ストリーミング再生 API

録画済みのカメラ映像を、MPEG-DASH形式の動画として取得できるAPIです。
範囲を指定して再生できるため、例えば「5分前から現在まで」や「前日の同じ時間帯」など、業務に合わせて再生するアプリケーションを作ることができます。

ソラカメAPI(常時録画ストリーミング再生)を利用したアプリケーションのイメージ

このAPIの動作確認は、SORACOMユーザーコンソール(Web)上の「ストリーミングを取得」の日時範囲の指定でも同様に行えます。

4. 常時録画データダウンロード API

録画済みのカメラ映像を、mp4形式の動画ファイルとして取得できるAPIです。
取得した画像ファイルは、例えば機械学習との連携に利用できます。

上記のAPIを利用した事例をご紹介します。AI Dynamics Japan様は、APIより取り込んだ動画と自社の動画解析AIを組み合わせて、アナログメーター測定値をデータ化するシステムを開発されています。左上にメーターを読み取った数値が表示される様子がご覧いただけます。

これらの機能を使うことで、自社のシステムやソリューションとソラカメを連携することが可能になります。APIは今後も拡充予定です。利用は、申請が必要となりますのでフォームよりお問い合わせ下さい。

ソラカメAPI活用についてのQ&A

Q&A イベントで頂いたQ&Aを掲載いたします。

  • Q: 購入した後に、ライセンス種別を変更したり追加購入や解約したい場合は、どのように操作すればいいのですか?
    • A: ATOMアプリもしくはユーザーコンソールから、ライセンスの追加、削除の操作をしてください。詳しい手順はユーザーサイトをご覧ください
  • Q: APIのコール回数に制限はございますでしょうか。
    • A: 特に制限はございませんが、短時間で大量のAPIコールがあった場合には、「リクエストが多すぎる」エラー(HTTP 429 (Too Many Requests) )が発生します。
  • Q: 常時録画をしている場合、月の通信量はどの程度になりますか?
    • A: 弊社の実測値に基づく月の通信量は、画質に応じて150GB~450GB程度になります。
  • Q: AtomCam2だとカメラ本体はIP67の防水防塵性能とのことですが、電源アダプターは防水非対応と伺いました。屋外で利用する場合は、どのように対処されているユーザさんが多いのでしょうか?
    • A: 付属のケーブルがフラットケーブルです。窓の隙間を通すことができるので、屋内からの給電が可能です。別売りですが4.5mのフラットケーブルもご用意しています。より多くの環境で取り回しいただけるでしょう。
  • Q: 契約期間は決まっていますか?
    • A: クラウド常時録画ライセンスの契約は1ヶ月単位、自動更新です。課金は月単位で、日割り計算はございません。契約・解約ともにオンラインで行っていただけます。
  • Q: REST API に対応していますか?
    • A: HTTP(S) ベースのAPIとなっており、curlコマンドや各言語のHTTPライブラリから呼び出しが可能です。具体的な利用環境は SORACOM API 利用ガイドをご覧ください。ソラカメ APIのリファレンスは、Limited Preview中は個別配布となります。
  • Q: パソコンで、録画データやリアルタイム映像を見ることはできますか?
    • A: APIによる開発をせずにリアルタイム映像や録画データを見る方法は、いくつか存在します。1つめはSORACOMユーザーコンソール上で提供となる「ストリーミングを取得」機能を利用する方法です。パソコン上のWebブラウザでご覧いただけますが、Limited Previewの方向けとなります。2つめは ATOM Techのアプリケーション をパソコンで利用する方法です。M1/M2チップ搭載 MacBook かつ macOS という環境に限定されますが、iPhone/iPad 向けのアプリをMacBookにインストールすることで、スマホと同様に閲覧できます。こちらはLimited Previewでなくとも利用可能な方法です。
  • Q: ソラカメAPIのLimited Previewの申請フォームは、法人名が必須となっていました。個人でも申し込むことは可能ですか?
    • A: 具体的なご利用や用途を計画されている方から順次ご案内しています。いち早く広くみなさまに提供できるよう、お客さまのフィードバックを受けて開発を進めていきます。

展示会でソラカメの実機を体験いただけます!

2022年7月28日大崎ブライトコアホールにおいて「IoT Solution Day」を行います。
ソラコムが主催する3年ぶりの会場開催イベントとなります。多くのパートナー企業を中心に、IoTデバイスや、ソリューションのデモ展示会となっています。ATOM Cam Swingの実機を見て、その場で購入することもできるコーナーも用意いたしますのでみなさま是非ご参加ください。

― ソラコム田渕