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「ソラカメ」のカメラ映像を複数名で共有する3つの方法 

こんにちは。ソラコムのソリューションアーキテクト 内田(ニックネーム:jet)です。

5月にリリースしたクラウド常時録画サービス「Soracom Cloud Camera Services ソラカメ」は、多くの反響をいただいており、たいへん嬉しい限りです。ありがとうございます。

ソラカメを業務で検討されているお客様からいただいたフィードバックが「複数の従業員で、カメラ映像を共有して閲覧したい」というものでした。例えば、レジ前の混雑状況を従業員の誰もが閲覧できれば、状況変化に応じて迅速に対応できそうです。

そこで今回は「ソラカメのカメラ映像を、複数名で共有閲覧する方法」を3つのケースでご紹介します。

“ユーザー” の考え方 ― 2種類のユーザー

まず知っておいていただきたいのが、ソラカメを操作するための「ユーザー」の考え方です。

ソラカメを通じて、SORACOM ユーザーコンソールを初めて操作する人も多いかと思うので、SORACOM アカウント(以下、オペレーター)のルートユーザーとSAM ユーザーについて、カメラの映像確認に利用するスマートフォンアプリ「ATOM アプリ」との関連を確認していきます。

ルートユーザーとSAM ユーザー

SORACOM ユーザーコンソールを利用する際に オペレーターを作りましたが、この時に自動で作成されるのがルートユーザーです
ルートユーザーはすべての操作を行える権限があります。カメラデバイスや、常時録画ライセンスの購入をこのルートユーザーで行なっているかと思います。

ルートユーザーとは異なるユーザーが、SAM(SORACOM Access Management)ユーザーです。SAMユーザーごとにパスワードや権限を設定できるため、複数担当者でSORACOMを使う際には不可欠の機能です。
不要なアクセスや操作ミスを防ぐことが期待できるため、本格利用の際にはSAMの利用を検討してください。ちなみにSAMユーザーの作成権限設定は、ルートユーザーで行います。

ATOM アプリとユーザー

カメラの映像確認に利用する「ATOM アプリ」には、ルートユーザー・SAM ユーザーのどちらでもログインできます。
これは、常時録画ライセンスがオペレーターに紐づいて管理されており、かつATOMアプリへのログインはオペレーターに紐づいているためです。

【ケース 1】同一オペレーターの共有による閲覧

最初のケースは「外出先からはスマートフォンでカメラ映像を閲覧、在宅中は別デバイス(例: タブレット)で閲覧する」場合です。
手順は以下の通りです。

  1. ATOM アプリを、すべてのスマートフォンやタブレットにそれぞれインストール
  2. 同一オペレーターのルートユーザー(またはSAM ユーザー)で、ATOMアプリへログイン

利用端末は異なりますが利用者は同一となるため、同じルートユーザー(またはSAM ユーザー)でのログインでお使いいただけます。

【ケース 2】SAMユーザー機能による個別IDの発行

【ケース1】では、スマホ・タブレットそれぞれのATOMアプリに同一オペレーターでログインしました。単独もしくは利用者の監督ができる環境であれば、最も手軽なパターンです。一方でアカウント共有はセキュリティ上の懸念があったり、また、ポリシー上オペレーター(アカウント)の共有が禁止となっている現場もあるかと思います。

そこで、SAMユーザー機能にて閲覧者毎にログインIDを発行して、閲覧してもらうのが本ケースです。
例えば、会社にあるフリースペースの混雑状況を、社員一人一人が自らのスマートフォンで確認できるような状況を想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。

手順は以下の通りです。

  1. ATOM アプリを、すべてのスマートフォンやタブレットにそれぞれインストール
  2. SAM ユーザーを閲覧者毎に作成
  3. それぞれのSAM ユーザーで、ATOMアプリへログイン

これで【ケース1】と同様に、全てのカメラ画像が閲覧できます。

1点注意したいのが「閲覧可能なカメラ選択は、この【ケース2】ではサポート外」ということです。
例えば3台のカメラを管理している場合、SAMユーザーAはすべて閲覧できるが、SAMユーザーBは1台のみ閲覧できるといった個別の制限はできないということです。
このようなカメラの閲覧を制限したい場合は、次の【ケース3】で解決できる可能性があります。

【ケース 3】カメラ共有機能による、オペレーター間のカメラ共有

ソラカメには「カメラ共有機能」があります。これは、自分が管理しているカメラを他のオペレーターと共有する機能です。これにより【ケース2】で実現できなかったカメラ個別の制御もできます。

例えば店舗が複数あり、その店舗メンバーは自分の店舗だけを確認しつつ、複数店舗を管理するメンバーはほかの店舗も確認する必要がある状況を想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。店舗毎にオペレーターを作成するところがポイントです。

自分が管理・所有するカメラの中から共有するカメラを選び、共有先オペレーターを指定することで共有できます。具体的な手順は以下のドキュメントをご確認ください。

共有方法の指定は、ATOMアプリで「ユーザID共有」を選択してください。メール共有はサポート外です。

「ユーザID共有」を行うためには、共有相手のATOMユーザーIDを事前に知っている必要があります。以下のドキュメントを確認してIDを確認しておいてください。

まとめ

ソラカメのカメラ映像を、複数名で共有する3つの方法を紹介しました。
スマートフォンアプリで確認できる手軽さを活かしつつ、実現したい状態を作っていく部分で少しでも参考になれば嬉しいです。

ソラカメのアップデートは日々行われており、先日開催されたSORACOM Discovery 2022にて3つのアップデートを発表しました。

7月20日(水)にはこのアップデートを含め、今後の導入を検討されるお客様に向けてオンラインセミナーが開催されますので、ぜひご参加ください。

また、ソラカメを実際に手に取って見ていただける展示会を、7月28日(木)/東京の大崎にて開催します。

この他にも様々なイベントがありますので、ぜひイベント一覧もご確認ください。

引き続き皆様からのフィードバックをお待ちしておりますので、ソラカメをぜひご活用ください。
フィードバックは SORACOMへのお問合せ でも募集しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

― ソラコム内田(jet) @uchimanajet7