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温湿度センサーやIoTボタンを体験!IoTコミュニティの祭典SORACOM UG Explorer 2022

こんにちは、ソラコムの伊藤(ニックネーム: Masaki)です。

10月22日に開催されたソラコムのユーザーグループの年次イベント「SORACOM UG Explorer 2022」の東京会場にお邪魔いたしましたので、その様子のレポートをお届けします。なお、当日のにぎわいの様子はツイートのまとめからご覧いただけます。

そもそもUGとは?UG Explorerとは?という方のために、あらためてご紹介します。

SORACOM User Group(SORACOM UG)とは?

SORACOM User Groupは、業種・職業問わず、IoTプラットフォーム SORACOMを知りたい方、これから使ってみたい方、既に使われている方、より良い使い方を知りたい方は、誰でも参加出来るコミュニティです。北は北海道、南は九州まで、そして農業活用コミュニティといった用途に特化した支部まで、日本全国で合計12支部が活動しています。

年に1度の祭典「SORACOM UG Explorer」

普段は日本のいろんな場所で活動するSORACOM User Groupのメンバーが、一同に集まり開催する全国規模のイベントです。実際にSORACOMを触るユーザーだけでなく、IoT ビジネスの企画やマーケティングに関わっている方や、今後IoTに取り組もうと考えている方を対象とした「学びとネットワーキングの場」がSORACOM UG Explorerです。

オンラインと現地5か所のハイブリッド開催

今回のSORACOM UG Explorer 2022は全国5か所(札幌・東京・広島・高知・福岡)のサテライト会場+オンライン会場のハイブリッド開催となりました。

コロナ禍の影響で2020年、2021年はオンライン開催だったこともあり、約二年ぶりの現地開催となる本イベントは、参加者全員が心待ちにしていた様子で当日は熱気にあふれていました。

今年のテーマは「秋のハンズオン祭り」。トークだけでなく実際に手を動かしたいという思いから、オンラインも含めた各会場でハンズオンを一斉に行うというチャレンジでした。各会場がウェブ会議でつながりつつも、現地交流も深める趣向となりました。

開会宣言のあとは、各会場の様子をオンラインでつなげ、早速目玉のハンズオンイベントが開始されました。

秋のハンズオン祭り開催!

今回は3種類のハンズオンの中から、好きなものを選んで体験することができました。

【ハンズオン その1】GPSマルチユニットで温湿度を可視化

4つのセンサーとLTE-M通信を内蔵したIoTデバイス「GPSマルチユニット SORACOM Edition」で取得した温湿度を、ダッシュボード作成・共有サービスの「SORACOM Lagoon」上で表示します。温湿度に加えて位置情報も可視化しようとトライしている方もいて、レベルの高さを感じました。

当日利用したテキストはこちらから確認いただけます。

【ハンズオン その2】SORACOM LTE-M ButtonでLINE通知システムの作成

通称「IoTボタン」とも言われる、SORACOM LTE-M Buttonを押して、現在位置をLINE通知するシステムを作成します。IoTボタンはレンタルのほか、オンライン参加者向けとして、パソコン上でIoTボタンを仮想的に再現するハンズオンも用意されていました。

当日利用したテキストはこちらから確認いただけます。

【ハンズオン その3】ソラカメのAPIでタイムラプス動画作り

ソラカメとは、クラウドに常時録画できるSaaSとクラウドカメラが一体化したサービスです。10月に一般公開されたばかりのソラカメAPIを用いて、設置済みのソラカメからタイムラプス動画(コマ送り動画)を作ります。コマンドラインなどを使っていく少しレベルの高いハンズオンでしたが、多くの人がクリアしている様子でした。

当日利用したテキストはこちらから確認いただけます。

ソラコムセッション

ハンズオンのあとはソラコムセッションで、ソラコムのメンバー6名によるリレー形式でお送りしました。

昨今話題となっている衛星利用のインターネット通信「Starlink」とSORACOMサービスの組み合わせから始まり、SORACOMのアップデート1年分を一気に振り返る内容、実践的な内容としてIoTで使われることの多いMQTTプロトコルの実力値や活用の注意点、そしてSORACOMのIoT向けネットワークを活用し尽くす技の紹介や、ハンズオンで体験したIoTボタンとソラカメAPIによる記念撮影のライブデモがありました。

最後にアンカーとしてソラコム 松下(ニックネーム: Max)からは、年間を通じたUGのコミュニティ活動に対して、貢献された方に感謝の意を表す制度「SORACOM MVC (Most Valuable Contributor)」の発表がありました。

多数のブログや登壇によりUGの認知拡大に貢献された前嶋さん、他のユーザーコミュニティとのイベント共催を数多く達成された和田さん、オンラインイベントに不可欠な配信やアーカイブ公開といった活動で貢献された木澤さんの3名に、SORACOM MVC 2022が贈られました。おめでとうございます!

稲妻のごとく!怒涛のショートプレゼン「ライトニングトーク5連発」

ライトニングトークとは「稲妻のごとく、短い時間で」プレゼンテーションすることで、LTとも言われます。IT系勉強会でよく見られるプレゼンテーション形式で、SORACOM UGでもLTの時間を取るようにしています。今回もLTの時間が用意され、ユーザーの皆さんによる「やってみた」や「新たな発見の共有」等をいただきました。

Fusic/岡嵜さん ー SORACOMArcでオフィスのIoT化を進行中です☆

福岡の会場を手配いただいた株式会社Fusicさんより、IoTクラウドエンジニアの岡嵜さん(@Y_uuu)に登壇いただきました。オフィスの消耗品が少なくなったことをSlackに通知する「Fusicダッシュボタン」と観葉植物の土が乾いたことを通知する「Suimeee」のご紹介いただきました。

特に印象的だったのはFusicダッシュボタンで、5ヶ月の間に28回も使われており、システムを作っただけでなく実際に利用され、オフィスでの活動が便利になっていることは素晴らしいことだと感じました。

岡嵜さんの資料はこちらです。

hanacoさん ー SORACOMボタンで家庭内ナースコールを作ってみた話

娘さんがコロナに罹った際にSORACOM LTE-M Buttonを使って、ナースコールを作成されたお話でした。3種の使い分けができるボタンですが、押し方に応じて「部屋まで来てほしい」「苦しい」「お腹すいた」のメッセージがLINEに届く仕組みでした。

hanacoさんはIoTの初心者とおっしゃっていましたが、なんと3時間でこのシステムを作られたそうです。アイデアを形にすることが、あっという間にできる時代だと改めて感じました。

hanacoさんの資料はこちらです。

APPRIOT/齋藤さん ー 顧客工場内の設備情報をリモートで取得した話

齋藤さんは個人でビジネスを立ち上げられており、その中には顧客工場内の設備情報を取得しslackで通知する事業があるそうです。

工場ではWi-Fi等のネットワークが無い事が多いそうです。一方で、現場の設備情報を取得するにはネットワークが必要ということで、IoTデータ通信サービス「SORACOM Air」を使い始めたというエピソードを披露いただきました。

後半ではSORACOMを利用した感想と齋藤さんが感じた利点を共有いただきました。注文してからハードウェアの発送が早い、既存のネットワークを使わずにLTE等のセルラーネットワークで直接クラウドに接続できることから現場の判断での導入ができる、値段がリーズナブルであることを挙げられていました。

齋藤さんの資料はこちらです。

ARENT/しばおさん ー SORACOM UG Explorer 2022 福岡会場で参加

しばおさんはハンズオンの余力で発表資料を作成し、急遽LTに参加いただきました。資料作りから「ライトニング」なプレゼンでしたが、SORACOMを知ってからIoTのハードルが下がったとの感想をいただきました。その中でもデバイスをレンタルしてIoTが学べる「自分で学べるIoT通信講座」は良いとご紹介いただきました。こちら現在も開催しておりますので、ご興味をお持ちいただけましたらぜひご利用ください。

福岡で技術系交流イベントAWS Startup Tech Meetup 福岡を行うそうです。福岡や近郊にいらっしゃる方で、AWSやIoTに興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

しばおさんの資料はこちらです。

東雲研究所/不破さん ー GPSマルチユニットとGPSによる測位のお話

不破さんからは、GPSの仕組みを簡単に説明いただきました。

人工衛星と地上にいる私たちの時間は、相対性理論が要因で時間の進み方が少しだけ異なっています。GPSは、その「異なり」を利用して、複数の人工衛星と自分の間に巨大な三角形を作り、三角測量の要領で位置を算出しているとのこと。そのため、GPSを機能させるには空が見上げられることが大事になるとのことです。当たり前のように使ってはいるものの、知らなかったことが知ることができ、とても興味深いLTでした。

不破さんの資料はこちらです。

ハンズオン感想戦で締めくくり

LTが終わったあとはMentimeterというオンライン投票サービスを用いて、ハンズオンの感想戦を行いました。リアルタイムに参加者の感想が可視化され、全員でイベントを作り上げたという実感が沸きました。

最後は恒例の写真撮影を行い、SORACOM UG Explorer2022も大盛況のうちに終わりました。

あとがき

今回のイベントは実は私にとって初めてのオフラインイベントでした!ちょっとした時間に隣の方と雑談したり、みんなで集まって撮影したり、オンラインとは異なる楽しさがありました。素敵なイベントを開催していただいたSORACOM UGの皆様、本当にありがとうございました。

SORACOM UGの最新情報は UGの公式ページや、connpass ページFacebookTwitter上で確認いただけます。最新情報をいち早く入手できるよう、是非フォローをお願いします。

― ソラコム伊藤 (masaki)