2022年5月に発表したクラウドカメラサービス「ソラカメ」。カメラの設置先に足を運ばずとも、遠隔から簡単にお手元のスマートフォンやパソコンから簡単にリアルタイムの映像や、過去の映像を確認することができるため、様々な業種や用途へ活用が広がっています。今回は、最新のクラウドカメラ活用事例をご紹介します。
農業 × カメラ 収穫前の果物を守る
ソラカメに対応しているカメラは現在、軽量な「ATOM Cam 2」と首振り機能が特徴的な「ATOM Cam Swing」の2機種があります。共通の特徴として屋外での設置が可能です。ATOM Cam 2はIP67、ATOM Cam SwingはIP65という防塵防水性能があります。
屋外設置の事例として、JAフルーツ山梨が、クラウドカメラサービス「ソラカメ」を活用し 農作物の盗難対策の実証実験を行った事例は2022年7月にプレスリリースでもお伝えしました。
近年、生産者が丹精込めて育てた収穫前の農作物が盗まれるという問題が全国各地で起きており、ニュースでも取り上げられる回数が増えているため、見かけた方も多かったのではないでしょうか?
山梨県はぶどう、ももで日本一の生産量を誇っており、防犯パトロールの経費や防犯カメラの設置費用などを補助する支援制度を設けるなど、盗難対策に力を入れているそうです。
JAフルーツ山梨では、ももやシャインマスカットなどの農作物の盗難対策のひとつとして、クラウドカメラーサービス「ソラカメ」を導入しました。主に、夜間の農場の様子をカメラで撮影し、そのデータをリモートからリアルタイムで見れるようにするほか、夜間の監視パトロールと連携して盗難防止を強化した事例です。
「ソラカメ」は、万が一カメラ自体が盗難・破壊されても、撮影された動画がクラウド上に残る点が大きな利点として挙げられます。
養殖業 × カメラ センサーの値と目視で、現場をダブルチェック
株式会社ARKでは、どこでも誰でも水産養殖ができる「小型の陸上養殖システム」の一部にソラカメを利用しています。遠隔からの監視や操作が必須要件でしたが、センサー値の遠隔監視や、給餌等の遠隔操作は想定どおりに実装できました。しかし現場の状態を細かい部分まで目視確認したいというニーズが想定以上に強く、「遠隔カメラ」の用途でソラカメを利用しています。
水中カメラや俯瞰カメラを通じて、水槽内・装置内の状態がリアルタイムに把握できるようになり、安心して日々のオペレーションを実施することができています。
またソラカメは、APIを提供していることも特徴の1つに挙げられます。APIを使えば、手元のパソコンから映像を確認したり、既存のシステムへの組み込みが可能になります。また保存しておきたい特定時間帯の録画データを自社のストレージに保管するといった作業にも利用することが可能です。
現在、以下のAPIが提供されています。
- カメラ一覧、カメラ詳細情報の取得
- リアルタイム映像の閲覧(ストリーミング形式)
- 常時録画(過去の録画)の閲覧(ストリーミング形式)
- 常時録画データのダウンロード
- 常時録画データから切り出した静止画像のダウンロード
株式会社ARKでは静止画像のダウンロードのAPIを利用して、定期的に水槽の海老の数をカウントすることにソラカメを役立てています。
動物病院 × カメラ ICU内の術後の動物の見守りに
クローバー動物病院では、元々監視カメラに興味があり導入を検討していましたが、当時は非常にコストが高く断念していたそうです。ソラカメは初期費用3,480円〜、月額990円〜(それぞれ税込)と安価のためコスト問題を解決しただけでなく、画質がきれいで録画データはネットワークを介してどこからでも見ることができるため、ICU(集中治療室)の監視に活用しています。動物でも人間同等の信頼性のあるサービスを利用したいと考えていたため、難しいことを意識せず、簡単に利用できる点が導入の決め手になりました。
クラウドに保存された過去の動画だけでなく、リアルタイム監視でも経過観察が可能であると同時にモーション検知機能により、動きがあった時の映像だけを取り出して、効率的に状態の把握ができます。またモーション検知だけでは判断の難しい、病状悪化なのか寝がえりなのかについては、遠隔から音声も確認することができるため、苦しんでいるのか寝ているのかも確認できるところも大きな魅力です。また常時録画を利用することで異常があった場合の経過も、確認することができるようになりました。
本事例は、ソラコムのパートナー企業で、SPS認定済デバイスパートナーでもあるベルエレクトリック株式会社が担当された事例です。
現場監視 × カメラ
既存の防犯カメラの「死角」を減らすカメラ活用
サービスステーションを群馬、栃木、埼玉に62店舗と、ガス営業所4店舗、LPG基地、油槽所を所有しているカーライフサポートのサービスステーション運営を主事業とする両毛丸善株式会社。初期投資が大きい警備用防犯カメラでは網羅できていなかった従業員用口や、駐車場にソラカメを利用することで「死角を減らす遠隔監視カメラ」としてソラカメを利用しています。
本事例はこちらの記事で詳細をご紹介しています。
安価に防犯の質を向上
続いての事例も屋外です。イベント警備から機械利用の施設警備に関する業務全般を行う阪急阪神ハイセキュリティサービス株式会社では、精算機がない手精算の駐車場にソラカメを設置し、駐車場出入り口を通過した車両や、空室待ちの車列確認や、売上金の照合と駐車場犯罪が発生した際の車種、車番の追求を目的として利用しています。リーズナブルな価格帯の割に、多角的な性能を持ち合わせている点を評価いただきました。
ソラカメ対応カメラのATOM Cam2は、IP67の完全防水・防塵で屋外の設置も可能です。電源ケーブルにはフラットケーブルを採用しているため、屋外設置で給電する場合もサッシなどの隙間をとおして配線、給電することができます。通常1メートルのケーブルが付属していますが、取り回しに便利な4.5メートルのケーブルも提供しています。設置場所にあわせてご利用下さい。
製造業 × カメラ カメラで廃液処理施設を遠隔監視
工場排水処理や排ガス処理をはじめとする環境施設のプラントエンジニアリングやオペレーション&メンテナンスサービスを提供しているクボタ環境エンジニアリング株式会社では、近年の人材不足や高い環境保全性が求められている中で、オペレーション&メンテナンスのスマート化によってサービスの効率化・高度化を図る取り組みを行っています。
環境施設では「想定外」の処理対象物が入ることで、処理状態が不安定になることがよくあります。施設管理者が知らない間に処理しにくい廃液が投入され、数時間後に施設の運転状態が不安定になり、あわてて原因追求や犯人捜しをすることがたびたび発生していました。投入場所に設置した監視カメラでは、単純な常時録画なので、巻き戻し&一時停止で人が確認するという手間がかかるものでした。
解決策として、作業だけを記録するとともに、投入物も画像認識によってリアルタイムで検知するシステムの構築を進めていますが、まず現状どれくらいの頻度で何が投入されているかのデータ収集を目的とし、基礎データ記録のためにソラカメを利用しています。
施設自体が古くネットワーク化もされていない中で、手っ取り早くかつ安価に初期検討データを集めることができ、また技術者が常駐していない施設でもクラウドでデータを取得して共有できました。
作業者が投入している時間帯の映像のみを集中的に記録することができ、今後のAIを用いた画像分析開発の基本検討へと役立てたそうです。
小売・店舗 × カメラ
売り場状況を手元ですぐに確認
ショッピングセンターチェーンを経営する株式会社ベイシアでは、一人で複数店舗を担当するエリアマネージャーが、青果コーナーの様な逐次状況が変わる売り場を、一度にリアルタイムで状況確認ができないことが課題でした。各店舗のこの様な売り場にソラカメを設置することで、現場に行かずに、複数のお店の売場状況が手元のスマートフォンやタブレット端末から一度に確認できる様になったことで、必要な指示を各売り場にだせるようになりました。
レンタルスペースの利用状況確認に
ソラコムのパートナー企業で、SPS認定済ソリューションパートナーでもあり、待機児童解消と子育て支援を目的に、北九州市認可小規模保育事業所を運営している株式会社ハピクロでは、保護者が気軽に遊びに来れるイベントスペース/レンタルルーム「BABY ROOM」を開設しています。保護者が安心して利用できるよう、様々な安全管理対策を行い、レンタルスペースとしても利用できるよう、スマートロック等のIoT機器を活用して利用者管理を行っています。
居室が複数あるため、セキュリティ対策として防犯カメラを複数台設置する必要がありますが、賃貸物件のため配線工事等を行うことが容易ではなく、また管理者が常駐しないため、リモートで状況を確認できるソリューションが必要でした。
ソラカメは、設置や配線工事が必要ないので複数のカメラを簡単に設置することができました。またモーション検知機能があるため、その場にいなくても、異常時の通知を受け取りリモートから部屋の中を確認できるため手間をかけずにセキュリティ対策を向上できています。
新店舗の見守りに
多摩地区で100年以上の歴史を誇り、現在多店舗展開をしている薬局、株式会社ホッタ晴信堂薬局。安全上の観点から店内カメラの設置はかねてよりの懸案でしたが、新規店舗・立川駅前店のオープンに合わせて、複数のカメラを簡単に設置・運営できるソラカメを導入しました。
設置や設置後の技術面のサポートは、ソラコムのパートナー企業でSPS認定済ソリューションパートナーでもある株式会社シードプラスが担当された事例です。
カメラ活用の始め方
株式会社ソラコムでは多くのイベントを無料で提供することで、皆さんのIoT・DXプロジェクト、デジタル化の推進を後押ししています。
ソラカメをはじめとしてIoT導入に関することについては平日・毎日無料でご相談をお受けしています。数多くのプロジェクトを支援しているプロフェッショナルと、どこからでも直接お話いただけますので、どうぞお気軽にご予約ください。