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成長期のエンジニアリングチームに必要な考え方とは

事業拡大に伴って、ソラコムのエンジニアリングチームは、成長フェーズにあわせて体制を進化させています。

ここ数年は、サービスを開発するチームだけではなく、グローバルでエンジニアが働きやすい環境を整えるエンジニアリングマネージャーや、システム運用、開発効率・品質、セキュリティなどの分野で開発者の生産性向上施策を実行するDeveloper Productivity Engineering(DPE) チームなど新たなポジション、チームも生まれました。

このインタビューでは、エンジニアリングマネージャーの佐藤(ニックネーム:kaoru)と、DPEチームのセキュリティオフィサーを務める高橋(ニックネーム:mash)に、仕事のやりがいや、チームの成長期に必要な考え方について聞きました。

1年目のスタートアップにはなかった新ポジションも拡充

まずはじめに自己紹介をお願いします。

mash:私が入社したのは2020年の春です。私の仕事は、お客さまに安心してご利用いただける会社としてのセキュリティレベルを維持すること。セキュリティオフィサーとして、情報セキュリティ委員会を運営しISO/IEC 27000(ISMS)の審査準備や運用、セキュリティ改善活動を行っています。

kaoru:私はもともとCREチーム(Customer Reliability Engineer)でお客さまへの技術支援やドキュメント整備の仕事をしていました。2021年の夏にエンジニアリングマネージャーを専任で置くことになり、ポジションチェンジしました。

現在は海外にいるエンジニアも含めて、2人のエンジニリングマネージャーで、エンジニアのサポートを担当しています。1 on 1ミーティングを繰り返しながら、エンジニアのみなさんに集中していい仕事をしてもらうためには、どんな課題があるか、どうすれば良くなるかを考えて実行していく役割です。

チームを後ろから支える仕事ですね。

kaoru:1年目のスタートアップにはないポジションといえると思います。ソラコムのエンジニアは、新しい機能やサービスを作ることにベクトルが向いている人というか、自分ですべきことを見つけて前に進んでいくタイプが多いです。そういう意味では、エンジニアリングマネージャーの仕事は、そこでこぼれ落ちたものを拾いながら、全体的に底上げしていくという仕事とも言えます。

エンジニアリングチームでも振り返りを実施していて、課題の棚卸しは都度しています。でも、新たなサービスや機能を開発する仕事と、課題をつぶしていく守りのアクションは、少しベクトルの違う仕事なんですよね。

この2年ほどで、成長を下支えする新しいポジションも増えてきました。例えば、mashがやっているセキュリティオフィサーの他には、QAエンジニアや、BI・データエンジニアも入社しました。昨年からは、社内システムの企画・導入・運用・サポートを行うグローバルコーポレートITエンジニアも募集しています。

成長しつづけるために、仕組みやプロセスで改善

やはり創業フェーズと成長フェーズでは、取り組みは変化していくものでしょうか?

mash:そうですね。特にソラコムでは、チームがグローバル化したことも大きな要因です。私が担当するセキュリティの分野でも、地域によって事業フェーズが異なり、カルチャーや考え方にも違いがありますが、チームとしてお互い協力して仕事ができるように考えてます。そのため方針を決めるだけではなく、内容を誤解しないように丁寧に伝えることも重要になってきました。

ただ高い水準を示せばいいというものではなく、社員にとっての働きやすさを維持しながら、リスクをコントロールすることの両立を目指しています。

kaoru:確かにそうですね。当社のエンジニアリングチームはグローバルでワンチーム、北米やヨーロッパなど、様々な国に住むメンバーとのコラボレーションがあります。そのなかで、今までなんとなく伝えられていたことや、把握できていたことが、だんだんと見えなくなってきました。

そこで、私は各国のエンジニアとの1on1コミュニケーションを通じて、働きやすさを維持したいと考えています。

社員もお客さまもこの先もっと増えていくことが予想されるなかで、今までなんとなくできていたことをやり続けるには、仕組みづくりやプロセスの構築が大事になってくると考えています。何が重要なのか、課題は何か、をヒアリングしながら、仕組みやプロセスで改善するのが私の役割ですね。

mash:攻めと守りというより、ディーゼルエンジンを使う人と、エンジンを整備する人みたいな役割の違いがあるというか。同時に両方やるのは、結構むずかしいんですよね。

スピード感や成長を止めずに、信頼も獲得していくために

チームのグローバル化に伴い、とりわけ大きな変化を感じた点はありますか?

mash:先述のとおり、人数が増えるほど、セキュリティ方針を決めても、内容がうまく伝わらないケースが出てきます。国によって事業のフェーズや、カルチャー、考え方も違ってくるため、それを考慮するとさらにハードルが上がりますね。

ひとつのチームとして仕事をするために、企業として重点的に対策すべき点やリスクの許容範囲を考えて、明確に決めていくべき段階だと感じています。

kaoru:軸をぶらさず、みんなが働きやすい地点を見極めていく感じですね。今のスピード感や成長を止めずに、かつ外部からの信頼も獲得していくフェーズですので、バランス感覚が求められています。

募集中のグローバルコーポレートITエンジニアも、おもしろいポジションになりそうですね。

mash:セキュリティオフィサーの仕事と似た要素がありますね。

グローバルのメンバーも一気に増え、環境もどんどん変わっていくなかで、世界中のツールから最適なものを選んで、社員が仕事に集中できる環境を作っていくという仕事です。なかなか経験できない業務だと思います。今はまだ過渡期なので、自らツールやルールを整えて、仕組みやプロセスを作る楽しさがあると思います。

kaoru:ただツールを選ぶだけではなく、サービスの組み合わせをもっと楽に扱えるようにすることでより便利にならないかとか、そういうアイディアをどんどん試してもらいたいですね。

そういう意味では、「少しでも楽にしよう、自動化しよう」と日々の改善や創意工夫に対してアンテナが立っている人が向いてますね。思考実験としては、ソラコムの社員数が3倍になったときに、今の仕組みだとどうなるんだろうかとか、そういう想像力がインプットになります。

工夫できるポイントはたくさんあります。ちょっとしたところですが例えば、私にとってメンバーの有給休・看護休暇の実績把握は地味に手間がかかる仕事なんです。もっと良い方法があるといいなと思っています。

チームの生産性向上のために、一歩踏み込んで改善していく

今後の取組方針などがあれば教えてください。

kaoru:ソラコムはテックスタートアップなので、普段から気づいた人が改善活動もしています。だけど、一歩踏み込んで改善するには時間が必要なとき、どうしても本業があるので、手が回らないことも多々あります。この状態を解消していきたいですね。

mash:私自身、リモートワークが主体になってからの入社ですが、もともと九州など地方から遠隔でチームに参加していたメンバーは、「リモートになったことで、(本社にいる)みんなと同じ情報が同じタイミングでシェアされるようになった」と言ってましたね。それを聞いてハッとしました。

発信側が情報の伝達がうまくいっていないことに気づけていないケースもあると思います。グローバルメンバーも同様に感じているかもしれないですね。

多様性を重んじるチームを作るとなると、考えるべきことは山ほどあります。こういった観点で業務に取り組むことは、その都度自分に何か新しい考え方をインストールしている感覚があって、いつも新鮮です。

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