はじめに
こんにちは!ソラコムの加藤(shoichi)です!
2025年7月16日に「SORACOM Discovery 2025」が開催されました(公式サイトはこちら)。
このイベントの1つのコーナーに「IoTプロトタイピングコーナー」があります。
このコーナーでは、身の回りの課題をIoTで楽しく解決するアイデアが、実際にプロトタイプされて展示されます。今回も個人やチームによるユニークな作品が多数集まり、来場者の注目を集めていました。
また2024年に引き続き、2025年もSORACOMのユーザーコミュニティである SORACOM User Group (公式サイトはこちら)の皆さんにもご参加いただき、熱量の高い展示が実現しました。
展示の紹介 〜17のプロトタイプがずらり〜
2025年のコーナーでは、全17作品が展示されました。
ジャンルはさまざまで、技術の面白さよりも、来場者の共感を得られるような「共感性」や、その場で動作がわかる「見栄え」を重視して選考されました。
- 共感性:日常の「ちょっと不便」に共感し、解決する発想があるか?
- 見栄え:その場で動いている様子がわかりやすいか?
実用性とユニークさを兼ね備えた作品が多く、立ち止まってじっくり見入る来場者が多く見られました。

印象的だったプロトタイプたち
特に注目されたのは、「ドリンク在庫可視化システム」でした。
オフィスのドリンク棚をソラカメ(SORACOM Cloud Camera Services)で撮影し、ドリンクの在庫状況の画像を定期的に生成AIで解析し、その結果をユーザーがブラウザで確認するというものです。画像を生成AIに読み込ませてその解析結果を受け取る役割を担っているのが SORACOM Flux です。



このアイデアは実用的で現場で使えそうという声も多く、来場者が写真を撮っている姿も目立ちました。
アイデアの背景には、「オフィスの在庫確認のためだけに出社していた」という総務チームのリアルな声があり、それも共感を呼んだ理由かもしれません。
もうひとつ話題になったのは、「二要素認証で開くことができる傘」です。
傘を開くためのボタン部分(下はじき)にカバー(3Dプリンターで自作したそうです)を付けて、普段は傘をロックし、スマホ操作で許可されたらカバーが解除され傘を開く仕組みの展示です。カバーにソラコムのSIMを取り付けたことによりセルラー通信ができるので、遠く離れていても傘を制御できます。
盗難や取り違え防止としての応用に興味を持つ来場者が多く、セキュリティと日常をつなげたアイデアとして注目を集めていました。


また SORACOM User Groupの展示で注目されたのは、「パパ、ちゃんとスリッパそろえてね」という展示です。
照度センサーと暗視カメラを取り付けたRaspberry Pi(ラズベリーパイ)を SORACOM Arc でソラコムに接続し、トイレが暗くなったことをきっかけにスリッパを撮影、生成AIと連携してその画像を解析し、スリッパが揃えられているかを通知します。
制作者のお子さんが学校で習った「みんながトイレを気持ちよく使うための約束」を家族の間でも守るため、チェックしてくれるIoTデバイスを作ろうと思い立ったそうです。

担当としての振り返り
私自身、IoTプロトタイピングコーナーの企画・運営に関わるのは今回が初めてでした。普段あまり関わる機会のなかった他部署の方々や、SORACOM User Groupの皆さんと一緒にプロジェクトを進めていく中で、初めてのことに戸惑いながらも、多くのことを学べる貴重な経験となりました。
最初に苦労したことは、アイデアを出すために社内でアイデアソンを開催したのですが、どのようにファシリテーションを取ればいいのか悩む場面も多くありました。そして特に苦労したことは、7月1日から開催前日の7月15日までの会場準備です。制作も大詰めになる中、各制作者の皆さんや会場設営のチームの皆さんと展示品完成までの進捗や当日必要な機材の確認、説明資料の準備などであっという間に時間が過ぎていきました。
でも当日、すべての作品が並び、来場者の方々が楽しそうに話したり、質問したり、SNSにシェアしてくれている姿を見て、今までの苦労が報われるような気持ちになりました。この企画をやり遂げることができて、とてもよかったと感じています。

おわりに
「IoTプロトタイピングコーナー」は、技術力を紹介するよりも「こんなことできたらいいな」という共感を形にする場です。来場者の方から「このアイデアは面白いですね」や「どうやって実現できますか」と興味を持っていただき交流することができたことは、IoTプロトタイピングコーナーを担当した者として、イベントを実施したことの価値があったと感じています。
展示に参加してくださった皆さん、そしてご来場いただいたすべての皆さま、本当にありがとうございました!
