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食品衛生管理からオーダー端末まで、小売業のお困りごとをIoTで解決するアイディアが集結!

こんにちは、ソラコムマーケティングチームの北川です。

2023年、2月28日~3月3日まで開催された「リテールテックJAPAN 2023」のソラコムブースでは、ソラコムからは、クラウドカメラサービス「ソラカメ」をご紹介させていただくとともに、パートナー企業5社にも、小売や流通で強みを発揮するIoTデバイスやソリューションを展示いただきました。

今回は、各社の小売業向けのソリューションと解決する課題についてレポートをお届けします。小売・流通業でのDXを検討している方は、ぜひご参考になさってください。

リテール向けセミナーを開催します!

リテール現場の業務改善に効くクラウドカメラ×AI活用セミナーが、3月16日にオンラインで実施されます。興味のある方はぜひご参加ください。当日参加できない方も、後日動画と資料をお送りしますので、まずはお申し込みください。

ソラカメデータをAI活用し、店舗業務をDX|株式会社AID

株式会社AIDのブース

AIDの「Package20 for ソラカメ(仮)」は、同社が提供する20種類の汎用的なAIモデルがパッケージとなった「Package20」を、ソラコムが提供するクラウドカメラサービス「ソラカメ」と連携させたプロトタイプです。店舗内画像データからAIモデルを作成し、リテールのバックヤード業務を効率化してくれます。

20以上のAIモデルを使えば、例えば、客の性別や年齢などを推定したり、表情を分類したりといった顧客分析に加え、行列検知や売り場に出ている在荷数の把握、滞在人数や通行人数、駐車場台数をリアルタイムにカウントしたり、滞在時間の推定や流動分析までできてしまいます。

ブースでは、実際にスーパーの商品棚を想定し、オレンジを並べて在荷監視するデモが見られました。デバイスを取り付けるだけで、可視化ダッシュボードまで作れるのはうれしいですね。

店舗内外の遠隔見守りで少人数での店舗運営の効率アップ

ソラカメは設置が簡単なので、店舗内外問わず柔軟に遠隔での見守りができます。昨今は人手不足により、人員配置が少ない店舗も増えてきているなかで、強い味方になってくれるはずです。

売り場の商品の数が減ってきたときだけ補充したり、行列時にのみレジ人員を増員したり、外に出なくても駐車場の様子が把握できたりするようになれば、少人数での店舗運営の効率もぐんとアップしますね!

ソラカメのようなクラウドカメラに対応したAIアプリの開発も続々と控えているそうです。顧客のニーズに合わせたプランニングも可能だそうなので、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

アプリが続々開発予定

デジタルサイネージを用いたIoT導入を一気通貫でサポート|株式会社impactTV

株式会社impactTVのブース

impactTVの展示では、POSレジやテーブルトップオーダー端末、店舗内防犯カメラなどさまざまなデジタルサイネージデバイスが並んでいました。

POSレジなど、クラウド管理が可能なデバイスを国内ですでに6万台出荷するimpactTVのデジタルサイネージは、みなさんもどこかで目にしているのではないでしょうか。

回転ずしの客席に設置されてタッチパネルで注文ができるオーダー端末や、店内用防犯カメラ、ドライブスルーで車両が来たときにだけ感知するセンサーなど、飲食店のIoT化に同社のデバイスが一役買っています。「ソラコムのSIMはマルチキャリア対応でセキュリティ面でも安心感があります」と、担当者の方から嬉しいお言葉もいただきました。

調理現場の清潔さを守る手洗いデジタルサイネージ

会場で特に興味を引いたのが、「AI顔認証+手洗いデジタルサイネージ」です。カメラの前に人が立つと、AIが顔を検出し自動で40秒の手洗い動画が流れます。動画に合わせてしっかりと手を洗うことで、飲食店や食料製造工場での調理を清潔に行うことができます。

最近は外国人労働者も増えてきているため、視覚情報だけで手洗いの励行を促せる仕組みはとても便利ですね。

顔認証は個人を特定できるため、途中で手洗いを止めて移動してしまった人には、個人的に声かけすることもできるそうなので、衛生管理を徹底したい飲食業や食品工場の管理には特におすすめです!

手洗いデジタルサイネージで手洗いの励行が促せる

HACCPに沿った食品衛生管理をカンタンに|株式会社ハピクロ

株式会社ハピクロのブース

地域課題にITで取り組む、ハピクロは、食品衛生法改正により義務化されたHACCP*、いち早くこの分野に取り組んでいます。
* HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)

同社が提供するFOOD CAPTAIN(フードキャプテン)では、管理項目の計画作成や分かりやすい入力画面の設計、多拠点管理から冷蔵・冷凍庫温度などの自動記録まで、煩雑な業務を一手に担ってくれて毎日の負担をぐっと減らしてくれます。

フードキャプテンが提供する機能は以下の通り。

  • 計画作成や実施記録の作成(重要管理項目、一般的衛生管理項目、新型コロナウイルス対策)
  • 店舗管理者や本部管理者による実施状況チェック機能
  • 冷蔵・冷凍庫温度、二酸化炭素濃度の自動記録機能 ※オプション
  • 北九州生活科学センターのHACCPアドバイザーによる有料コンサルティングサービス

時間的コストも大きいHACCP対応をスピーディに導入

ただ、このHACCPに沿った衛生管理は、なかなか大変な作業なのです。

というのも、確実に実施するには組織全体で適切に取り組むことが不可欠なため、各企業がHACCPチームを編成しなければならず、かつ製造から出荷(提供)までを7原則12手順に沿って進めるという煩雑なプロセスを経なければなりません。

そこで、フードキャプテンの出番です。

公益財団法人北九州生活科学センター監修のもと、さまざまな衛生管理項目をあらかじめ設計してあるため、煩雑な衛生管理計画書が最小の労力で作成できてしまいます。

さらに現場では、かんたんな操作でスタッフの日々の健康・衛生チェックや新型コロナ対策の実施状況を記録し、現場責任者は1クリックで実施状況を1か月分まとめて確認、承認・集計までできるので、大幅に工数を削減できます。

IoTを活用すれば、冷蔵・冷凍庫の温度、室内の温湿度をセンサーで計測し、自動で記録。センサーが異常を感知すると、責任者に通知してくれます。Co2濃度も自動測定し、データはサイネージやスマホで確認できるため、新型コロナウイルス対策としても有効です。

ブースには、ゲートウェイや温湿度センサーなどのデバイスが並びました。

多拠点・多店舗の管理が必要な本部にとっても、計画作成・確認・承認がスムーズに行えるのはうれしいですよね。HACCPの導入に苦戦している方は、フードキャプテンをご検討されてはいかがでしょうか。

AIカメラだけで来店客分析を見える化 | Vieureka株式会社

株式会社Vieurekaのブース

エッジAIカメラを使った来店分析サービスのVieurekaの展示ブースでは、小型のカメラとそこから取り込んだ映像やメタデータ分析画像を写すパソコンのデモが紹介されていました。

Vieurekaの来客分析サービスは、来店客数や性別・年齢・滞在時間などの属性データ、マスクの着用の有無をカメラだけで解析処理して、メタデータのみをクラウドに送信するというもの。

カメラを設置した場所への到達率や立ち寄り率も把握できるため、データに基づいて店舗全体のレイアウト変更や売り場改善などの施策にも活用できます。

人流・商品棚モニタリングでより詳細な分析も

さらにオプションとして、「人流モニタリング」と「商品棚モニタリング」があります。人流モニタリングは来客の導線データを用いて、数値には現れない具体的な来客の動きを可視化してくれるので、回遊性に問題がある場合、対策を講じる際には貴重なデータとなります。

商品棚モニタリングでは、棚の動きを差分画像やヒートマップで確認できるので数字分析が苦手な人も直感的に理解することができ、最適な棚割りにつなげられます。

プライバシー保護のため映像はすべてカメラ内で削除される安心設計なうえ、解析されたメタデータは常にクラウド上から確認・ダウンロード可能。クラウド管理の利点としてリモートでのメンテナンスが可能なため、設置場所の屋内外を問わずいつでも遠隔で最新の状態にデバイスをアップデートできます。

来客分析がカメラ一つで簡単に。
(画像:Vieureka

                                    

カメラといつものパソコンがあればすぐに利用できるので、AI来客分析の導入障壁がぐっと下がりますね。

端末導入から回収までワンストップで完結 | 株式会社T-GAIA

株式会社T-GAIA

モバイルLCMサービスプロバイダのT-GAIAは、スマートフォンやタブレットなどのIoTデバイス端末の導入から回収までワンストップで行ういわゆるLCM(Life Cycle Management)サービスを提供しています。

IoTを始めるにあたり、デバイス端末の適切な運用管理は大前提ではありますが、管理コストは時間的にも人的にも大きいですよね。LCMサービスは、煩雑な端末管理を一手に担ってくれるので、貴重なリソースを割く必要はありません。

LCMサービスで初期設定から利用終了までサポート

導入時点では、回線・端末の調達から、初期設定やアプリインストールを含むキッティングやマニュアル作成などの導入支援、ネットワーク・Wi-Fi構築といったインフラ整備までが含まれます。

運用がスタートしたあとは、キャリアへの支払い一元化・モバイルセキュリティといった運用、ヘルプデスク・セキュリティデスクなどの保守もばっちり。さらに、端末の入れ替え時には、データ消去・端末回収およびリサイクルまでお任せできます。

SDGsの観点からも、リサイクルまで担ってくれるT-GAIAのLCMサービスのメリットは大きいのではないでしょうか。

今回の「リテールテックJAPAN 2023」では、IoTと小売・流通業との相性の良さがよく分かる事例がたくさんありました。特に、無人レジやキャシュレスなどのデジタルが急速に進む小売業では、デジタル活用がますます加速しそうですね。

ソラコムでは、小売向けのIoT活用事例やソリューションも多く紹介しています。ご関心がある方は、まずはお問い合わせ下さい。

― ソラコム北川 (martha)