こんにちはBD大槻です。
本日は日本でも海外でも使えるソラコム グローバル向けSIMカード(plan01s)のカバレッジ拡大、料金値下げのご案内です。
ソラコム グローバル向け Air SIMとは
plan01sは日本を含む世界中でご利用頂けるIoT向けSIMカードです。従来plan-Dやplan-Kなど国内向けSIMでご提供していたソラコムの各種機能に加え、SMSやUSSD、Local Info、KryptonのSIM認証機能など独自の様々な機能もご利用頂けます。
https://soracom.jp/services/air/cellular/price_global/
今回の主なアップデートは以下の2点です。
- カバレッジ(接続可能国)の拡充
- 一部国でのデータ通信料金の値下げ
カバレッジの拡充(GSM/3G)
これまでGSM/3Gは107ヵ国でのご提供でしたが、今回新たに7ヵ国が追加となり114ヵ国でご利用頂けるようになりました!具体的にはDominican Republic, French Guiana, Greenland, Iran, Kosovo, Liechtenstein, Martinique を新たに追加しています。
最新のカバレッジマップ
だいぶ地図の色塗りが進んで来ましたが、ぱっと見従来からの差分は分かり辛いですね笑 地図上で分かりやすい国で言うとグリーンランドあたりでしょうか。
今回ご利用可能国が増えたのと同時に接続可能キャリアも増加しています(182キャリア→213キャリア)。実際一つの国で複数キャリアを使えるという点は実はとても重要で、特に海外は日本のようにキャリアのネットワークが広く遍く網羅されていないケースも多いです。そのため特定地域や都市で接続出来ないようなことを避けるために出来るだけ複数キャリアに接続可能になるようローミング設計をしています。
カバレッジの拡充(LTE)
前回5月にLTEをローンチをご案内した際の提供国は23ヵ国でしたが(https://blog.soracom.jp/blog/2018/05/09/plan01s-lte-support/)、今回は31ヵ国39事業者まで拡大しました。具体的にはAlbania, Estonia, Mexico, Sweden, Japan(*), South Korea, Poland, United Kingdomで新たにご利用頂けるようになりました!今後も欧米、アジアを中心にLTEについては順次拡充していきます。
*日本のLTEについても7月4日より利用可能になっています(すみませんBlog書くの忘れてました..)。そのため日本においてはドコモさんの3G+LTEどちらもご利用頂けます。
データ通信料金の値下げ
各国キャリアさんとのローミング交渉の結果、いくつかの国で接続費を下げることが出来るようになりましたので、今回以下の30ヵ国にて値下げを行いました。実際の価格についてwebの一覧表をご覧ください。
Canada, Mexico, Panama, Paraguay, Austria, Azerbaijan, Belarus, Belgium, Bosnia & Herzegovina, Bulgaria, Croatia, Cyprus, Czech Republic, Denmark, Estonia, Faroe Islands, Finland, Greece, Greenland, Guernsey, Jersey, Montenegro, Netherlands, Poland, Portugal, Romania, Russia, Sweden, Egypt, Australia
https://soracom.jp/services/air/cellular/price_global/
特にカナダはUS同様、多くのお客様にご利用頂いていることもあり、USと同じ料金体系に今回変更させて頂きました。(ボリュームディスカウントも同体系です)
(注意事項)
- 同一オペレーターで利用したデータ通信の総量に応じて段階的にディスカウントが適用されます。
- ディスカウントの計算対象となるデータ通信利用量は、plan01sの各回線の利用国ごとのデータ通信利用量を課金単位で切り上げ、その利用量を月単位で合算したものとなります。(課金単位は 100KiB となります。)
- 当ボリュームディスカウントは plan01s に適用されます。plan01s Low Data Volume には適用されません。
グローバルSIMのTips ~LDVってご存知ですか?~
グローバルSIMにはplan01sとplan01s LDV(Low Data Volume)の2つの料金プランが存在しますが、デバイスからのデータ容量が非常に少量なのが確定している場合、実はLDVを上手く活用するととても安価にご利用頂くことが可能です。
plan01s LDV
- 基本料金:0.4USD/月
- データ料金:0.5USD/MiB なので、1MiB/月程度のトラフィックであれば、0.4+0.5=0.9USD=99円/月で収めることができます。
plan01s
- 基本料金:1.8USD/月(0.06USD/日)
- データ料金:0.073USD/MiB(USの場合)なので、同1MiBだと1.8+0.073=1.873USD=206円/月 ですね。
分岐点を計算してみると以下のようになります。
3MiBちょっとまではLDVの方がお得(*)ですね。上図のようにデータ容量が増えてくるとplan01sの方がお安いのですが、データ量が少ない場合はLDVの方がお得です。GPS Trackerなどの動態管理や環境センシング、死活監視などは比較的トラフィックが少ないので相性が良いパターンですね。是非お使いのデバイスのトラフィックをご確認頂き条件がマッチする場合はLDVをご活用下さい。ちなみにpmacct or tcpdumpとSORACOM Junction(Mirroring)を組み合わせると実際のデバイスからのトラフィック量を調査することも可能ですのでこの辺りもご参考にして頂ければと思います。
https://qiita.com/ma2shita/items/c64626338035ee47c121
https://dev.soracom.io/jp/start/junction_mirroring/
(*) 今回はUSを例に計算しました。plan01sのデータレートは国によって異なりますので国毎のレートをご参照下さい。
まとめ
今回のアップデート
- グローバルSIM(plan01s)カバレッジを114ヵ国/214キャリアへ拡大
- LTEのカバレッジを日本を含めた31ヵ国に拡大
- 31ヵ国にて接続料金を値下げ
Global SIMは日本や欧米でのご利用はもちろん多いのですが、日々各国からstatsが上がって来ており、世界中どこでもIoTのビジネスが存在し、具体的に使って頂けているのをここ最近とても実感しています。
世界には196の国と地域があるので、あと82ヵ国頑張らなければ制覇できないことに最近気づきました笑(ちなみにアフリカだけで54ヵ国もあるそうです)ローミングサービスは各国事業者さんとの交渉や疎通テスト、ネットワーク(HLR)側での対応など地道な作業の繰り返しで、まだまだ道のりは長いですが今後も徐々にサービスを広げていきたいと思います。
ソラコム 大槻