• 投稿日
  • SORACOM LTE-M Button を様々なクラウドで活用するアーキテクチャー例を公開しました

    ボタンの話になると出現するソラコム “Max” 松下です。

    先日公開した SORACOM LTE-M Button を様々なクラウドや SaaS で活用するアーキテクチャー例 について、見どころや運用費用について解説します。

    SORACOM LTE-M Button、大人気です

    省電力の LTE 通信 “LTE-M” を搭載して「どこでもボタン」を実現する SORACOM LTE-M Button シリーズですが、多くの「やってみたブログ」が公開されたりと多くの方にお使いいただいており、ソラコムスタッフ一同も「こんな使い方があったのか!」と驚く毎日です!

    お求め安くなった SORACOM LTE-M Button for Enterpriseや、接点入力を搭載した “Plus ボタン”は、データ収集・蓄積サービス “SORACOM Harvest” や、ダッシュボード作成/共有サービス “SORACOM Lagoon” と容易に組み合わせることができるので、クラウドサービスを別途用意することなくアプリ開発いただけるのですが、実はデータ転送サービス “SORACOM Beam”クラウド・アダプタ サービス “SORACOM Funnel” にも対応しているので、クラウドの連携も実現いただくことができます。

    そうなると疑問は「クラウド側はどのように構成すればいいのか?」ということになります。実際、多くの声をいただいていたので、各クラウドに精通した方々にお伺いしながら LTE-M Button を活用したクラウド側の構成例 を作りました。

    公開しているデザインパターンとアーキテクチャ例

    今回のドキュメントで公開したパターンは全て「FaaS 連携」をゴールとしています。

    FaaS とは “Function as a Service” の略で、なんらかのトリガーをきっかけにそのコードが実行されるサービスです。本来プログラムコードを実行するにはサーバを立ち上げて、プログラムの実行環境を整え、トリガーの受付を作るといった作業が必要でしたが、これらがすべて最初から準備されています。代表的なサービスとしては AWS LambdaAzure FunctionsGoogle Cloud Functions といったものになります。

    SORACOM LTE-M Button のデータ送信を「トリガー」として、4つのクラウドのそれぞれの FaaS と組み合わせる方法です。

    詳しい構成は SORACOM LTE-M Button を様々なクラウドや SaaS で活用するアーキテクチャー例 をご覧ください。

    費用に関する考え方

    アーキテクチャは明確になったけれど運用費用はどのくらいかかるのか?という疑問もあります。ここでは費用について考えていきたいと思います。

    ※ 本ページにおいては全て税抜き価格で小数点未満は切り上げ計算しています。また、為替レートや通信条件によって前後することがあります。
    ※ 本ページで紹介している料金については 2019年5月時点の料金となります。最新の情報は各サービスや商品のページをご覧ください。

    SORACOM LTE-M Button for Enterprise / Plus

    SORACOM LTE-M Button for Enterprise の総費用は以下の通りです。 (Plus も同様です)

    • SORACOM LTE-M Button for Enterprise
      • 5,980円(本体価格 *1) + 100円/月(月額費用) + 約0.25円/回(通信料金 *2) + SORACOM サービス利用料 + クラウド利用料

    (*1) Plus の場合は本体価格が 7,380円
    (*2) 【参考】クリック時のデータ通信量SORACOM Air 日本向け SIM / plan-KM1 データ通信料 を基に算出しています。

    例1: 1日3回、1か月間(30日)、クラウド連携に SORACOM Beam を利用した場合

    • SORACOM LTE-M Button for Enterprise: 約6,103円クラウド利用料
      • 本体価格: 5,980円
      • ランニング: 約123円
        • plan-KM1 月額 (100円 × 1か月) = 100円
        • plan-KM1 通信料 (3回 * 30日 * 約0.25円) = 約22.5円
        • SORACOM Beam 利用料 (3回 * 30日 * 0.0018円 *3) = 0.162円
        • + クラウド利用料

    クラウド利用料については、それぞれの料金ページを参照ください。考え方については クラウド側の費用の考え方 で解説しています。

    (*3) SORACOM Beam は SORACOM への IN と SORACOM からの OUT のそれぞれに 0.00009 円が計上されるため、IN/OUT の計として 0.0018 円として算出しています。

    例2: 例1と同条件でデータ蓄積・収集サービス SORACOM Harvest を利用した場合

    • SORACOM LTE-M Button for Enterprise: 約‭6,253円
      • 本体価格: 5,980円
      • ランニング: 約273円
        • plan-KM1 月額 (100円 × 1か月) = 100円
        • plan-KM1 通信料 (3回 * 30日 * 約0.25円) = 約22.5円
        • SORACOM Harvest 利用料 (5円 x 30日) = 150円

    一見、SORACOM Beam を利用した方が低コストに見えますが、データの収集と蓄積に特化した SORACOM Harvest はクラウド側の準備や費用が不要になるので構築の手間や開始までの速度で有利なうえ、 SORACOM Lagoon を組み合わせれば、クラウドと同等レベルの表現力やデータ共有する仕組みをお使いいただくことができるようになります。

    SORACOM LTE-M Button powered by AWS

    ソラコムでは AWS IoT 1-Click というサービスとの連携に特化した SORACOM LTE-M Button powered by AWS も扱っています。
    こちらの総費用は以下の通りです。

    • SORACOM LTE-M Button powered by AWS
      • 7,980円(本体価格) + 28円/月(月額費用 *4) + クラウド利用料(*5)

    SORACOM LTE-M Button for Enterprise とは異なり、本体価格に1,500回分の通信料金が含まれている ため、運用費用はクラウド側に集中できるのが特徴となります。

    (*4) 本来は “クラウド利用料” である AWS IoT 1-Click ですが、必ず発生する費用であるため月額費用としての比較対象として明記しました。AWS IoT 1-Click の利用料金 0.25 USD/月を円換算(レート110円)を基に算出しています。支払先は AWS になります。
    (*5) AWS IoT 1-Click の費用を除いた残りの利用料になります。

    例3: 例1と同条件 (1日3回、1か月間(30日)) で利用した場合

    • SORACOM LTE-M Button powered by AWS: 約8,008円クラウド利用料
      • 本体価格: 7,980円
      • ランニング: 約28円
        • AWS IoT 1-Click 月額 (約28円 × 1か月) = 約28円
        • + クラウド利用料

    for Enterprise と比較すると割高のように見えますが、同様の仕組みを for Enterprise で作る場合は Amazon API Gateway や AWS IoT Core の構築の手間が発生します。手軽に AWS Lambda を起動する環境としては手軽さという面で選択肢に挙がるでしょう。

    クラウド側の費用の考え方

    仮想サーバは自由度は非常に高いのですが、プログラムの実行の有無に関係なくサーバの動作時間で課金されます。
    FaaS は「対応言語やバージョンを選ぶ余地が狭い」「ライブラリを自由にセットアップできない」などの制約もありますが、最大のメリットは 関数が実行された分だけの料金体系 です。

    「いつ実行されるかわからない」プログラムの実行環境としては、 FaaS は非常にマッチしてるといえるでしょう。

    今回公開したアーキテクチャ内で利用したクラウドサービスのほとんど※は、ボタンから発せられたデータをきっかけに関数が実行された時間に課金されるタイプのものですので、これを機に活用してみていただければと思います。

    Azure Event Hubs だけは、仮想サーバの課金体系に似ています

    あとがき

    今回の検証でいろいろなクラウドを試用してみましたが、ほとんどが無料枠の範囲で収まりました。クラウド利用のハードルもかなり下がっているといえますので、皆さんの課題解決にマッチしたクラウドサービスをお選びいただき、ボタンアプリケーションを作っていただければと思います。 Let’s Button, Let’s FaaS !


    ソラコム “Max” 松下