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  • チップ型 SIM (eSIM) アップデートや調達、実装のよくあるご質問

    いつかは eSIM を手で取り付けたいと思っているソラコム 松下(max) です。

    SORACOM が提供しておりますチップ型の SIM (eSIM) ですが 昨年の10月に発表して以来、すでに eSIM を使ったお客様事例も出てまいりました。

    eSIM はカード型 SIM に比べて小型で環境への耐性が高いこともあり、 製品の小型化や、品質の高いハードウェアを作りたいお客様からの問い合わせが急増 しております。 そこで本記事では eSIM の基礎知識から最近までのアップデートのみならず、メーカーとして気になる調達や実装についてまとめました。

    チップ型 SIM (eSIM) とは?

    eSIM は “embedded (埋め込み) SIM” と呼ばれるもので、チップ型の形状をしていることから チップ型SIM もしくは チップSIM とも呼ばれます。本記事では eSIM で呼ぶことにします。

    eSIM は、普段私たちが使っているカード型 SIM に比べて非常に小さく、基板に直接取り付けることになります。

    カード型 SIM と チップ型 SIM を並べた様子

    左がカード型 SIM 、右が eSIM です。

    カード型 SIM との違い

    SIM はセルラー通信を行うために必要な認証情報の格納が主な役割で、これはカード型でも eSIM でも同じになります。

    一方、カード型との違いについては下表の通りです。
    特にご注目いただきたいのは 形状実装 そして 温度耐性 です。

      カード型 SIM eSIM (チップ型 SIM)  
    最小の形状 nano サイズ 12.3mm × 8.8mm (4FF) 6.0mm × 5.0mm (MFF2) 《実装面積の節約》
    実装 取り外し可能 基板へ固定 《盗難や不正利用の抑制、耐振動向上》
    温度耐性 -25 ~ +70℃ -40 ~ +105℃ 《動作環境の拡大》
    メモリサイズ 64 ~ 128 Kbyte 500K ~ 2 MByte 《多くの接続プロファイルや機能》
    書換耐性 100,000 cycle /~10年 500,000 cycle /~17年 《長期の信頼性》
    暗号強度 3DES, AES, RSA 3DES, AES, RSA, ECC, SHA, HMAC 《強固な暗号化》

    SORACOM の eSIM は “SORACOM Air グローバル SIM”

    SORACOM の eSIM は SORACOM Air グローバル SIM として使うことができるようにプロビジョニング(初期設定) されています。
    そのため、eSIM はファームウェアやソフトウェア側からは カード型の SORACOM Air グローバル SIM と同じ扱いなので、様々な機能や料金体系が利用できます。

    機能や料金体系については、それぞれブログ記事がありますのでご覧ください!

    もちろんこれだけではなく SORACOM Beam や SORACOM Funnel といった各種 SORACOM サービスも利用可能です。

    eSIM の調達から実装など実務について

    実務として気になるのが調達や実装です。こちらも紹介いたします。

    ※2018年7月の情報となります。価格は税抜き・送料別です。特に納期は変動しやすいため、確認をお願いいたします

    実装

    eSIM の実装についてはデータシートをご覧ください。
    一般的な SIM コネクタモジュールと同じで表面実装することになります。SIM コネクタモジュールが実装可能であれば実装できるでしょう。

    電気的特性はSIMコネクタモジュール+カード型 SIM と等価です。また SIM のアクティベーションについてもカード型 SIM と同じになります。
    そのため、新規の製品だけでなく SIM コネクタモジュール+カード型 SIM にて実装済みの製品を eSIM に切り替えることも可能です。
    eSIM 実装にスイッチする場合は、フットプリントとピンアサインを確認するようお願いします。(杞憂だと思いますが、念のため。)

    ※表面実装の手法などについてはサポート外となりますのでご留意ください

    ご提供品目と販売価格

    eSIM は二種類用意しております

    試作用 10 SIM パック (99.00 USD)
    量産用 3000 SIM パック (18,000.00 USD)

    サブスクリプション(料金体系) は plan01s です。
    “plan01s – Low Data Volume” をご希望の場合はお問合せください。

    販売価格は先にご案内した通りです。お見積書が必要な方はお問合せください。

    ご注文

    SORACOM コンソールからとなります。お支払方法はクレジットカード※、もしくは請求書払い※です。
    ソラコムでは「ご注文主が試作や生産を行い、製品販売を行う」をサポートしていますが、生産委託に伴う商流についてもご支援できる場合がありますのでお問合せください。

    納期

    10 SIM パックであれば即納です。
    量産向けについてはお時間をいただく場合がありますので、お早めにお問合せください。

    納品や輸出

    ご注文主様の国と地域のみとなります。日本のお客様の場合は原則として日本国内になります。
    海外で生産する等の理由から輸出を希望される場合についてですが、輸出に関するお手続きはご注文主にお願いしております。パラメータシート(該非判定書)は当社で準備できますので、お問合せください。

    納入仕様は、10 SIM パック、3000 SIM パック共ににテーピング(リール)供給です。

    実装されるまでの保管方法(条件)ですが、温度<30℃、湿度<90% と、日本の夏においては放置できない温湿度条件です。なるべくお早めに実装いただきたいのですが、保管することになった場合は防湿庫(ドライボックス)があると安心です。

    ※クレジットカード払いはドル建てとなります。
    ※請求書払いは事前のご登録が必要となります。請求書払いにおいてはソラコムで円転した後に円建てとなります。

    チップ型 SIM (eSIM) のユースケースや実装事例

    eSIM 採用における主なユースケースは以下の通りです。

    1. スマートウォッチといった、製品を小型化したい場合
    2. 車載といった、振動が激しい場所、高温・多湿といった場所に強い製品に仕上げたい
    3. 屋外のようなパブリックスペースにおける SIM カード盗難による動作停止や不正利用を抑制したい
    4. 遠隔地において出荷後設定を可能にしたい

    また、生産においても以下のメリットがあります。

    • 構成部品(SKU)の削減
    • キッティング作業の軽減

    ADX.NET 様の例

    米国・カナダ・東南アジアで展開するスマートウォッチに SORACOM の eSIM を採用いただいております。

    Wio 3G SORACOM Edition での例

    Arduino IDE で簡単に開発できる IoT プロトタイプ向けマイコンボード “Wio” シリーズの 3G 版に SORACOM の eSIM を搭載しています。

    この Wio 3G SORACOM Edition は SORACOM コンソール上で1個からご購入いただけます。

    おわりに

    10 個と小量をオンラインで調達できるため、 eSIM を用いた試作も手軽に行っていただけるのではないでしょうか。
    是非ともお試しください!

    ソラコム “MAX” 松下