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SORACOM Inventory Agent for Java – Version 0.0.8 リリース

年末年始といえば在庫、在庫の管理で皆様お忙しいかと思います。ソラコム片山です。

IoTデバイスも台数が増えてきますと、人手での管理がだんだんと厳しくなってくるかと思います。
そんな時に便利にお使いいただけるのが、デバイス管理サービスのSORACOM Inventoryです。

そのSORACOM Inventoryを利用するためエージェントソフトウェア “SORACOM Inventory Agent for Java” の最新版 0.0.8 をリリースしましたのでお知らせいたします。

SORACOM Inventory とは?

SORACOM Inventory(インベントリーと読みます。以下、Inventory)とは、デバイス上で稼働するエージェントソフトウェアを通じて、デバイスのステータスを定期的にサーバに送ったり、逆にサーバ側からデバイスに指示を出したりと、双方向で通信してデバイスを管理することのできるサービスです。
https://soracom.jp/services/inventory/

SORACOMのSIMをお持ちであれば、面倒な認証設定なしでInventoryの利用を開始できます。
またSORACOMユーザーコンソールからInventoryの認証情報を作っていただくことで、SIMなしのデバイスでInventory単体で利用いただくことも可能です。

オンデマンドリモートアクセス「SORACOM Napter」や、閉域網内でのデバイス間接続を可能とする「SORACOM Gate」といったサービスを用いたSSH等のリモートアクセスとは異なり、SORACOM内のInventoryサーバーとデバイス内にインストールいただくInventoryエージェントが連携することで、双方向通信を実現するサービスです。
SORACOMがご案内している双方向通信のデザインパターンにおける「アプリケーションパターン」を実現します。

SORACOM Inventoryの動作の仕組み

InventoryはLwM2M(Lightweight Machine to Machine)という、双方向通信の標準プロトコルにて利用可能となっており、デバイス上でLwM2M対応エージェントソフトウェア(クライアント)を稼働させることで利用できます。エージェントの実装はデバイスに依存しますが、ソラコムもリファレンス実装として、オープンソースである Eclipse Leshan をベースとした soracom-inventory-agent-for-java をGitHub上で公開しています。
こちらをお使いいただくことで、ゼロから実装することなくInventoryエージェントを作ることができます。Javaで実装されていますので、Windows/Mac/Linux(ラズパイ)で動作可能です。

SORACOM Inventory Agent for Java / Version 0.0.8 の改良点とバージョンアップ方法

今回こちらの新しいバージョンとして、Version 0.0.8をリリースしました。このバージョンには、 Leshanの最新のリリースバージョン1.3.0 が含まれています。このバージョンでは以下の改良点が含まれます。

  • 予期せぬエラー発生時に呼び出されるメソッド(onUnexpectedError())が追加され、問題発生時のログ出力等が容易となりました。
  • 各オブジェクトにコールバックが設定できるようになり、開始・停止処理の記述が容易となりました。

その他にも、プロトコルスタックのバージョンアップによる安定化が図られています。
なお、この Leshan 1.3.0には、当社エンジニアの川上(@moznion)のPR(Pull Request; 改善提案)の成果が含まれております。

新しくInventoryエージェントを作られる場合はぜひこちらをご利用ください。また0.0.7以前をご利用の方は、差し替えて頂くだけで変更なく0.0.8にバージョンアップして頂くことが可能ですので、こちらもぜひお試しください。

― ソラコム片山 (yaman)