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テクノロジーカンパニーで、人事・総務メンバーが自社技術を楽しく学ぶハンズオンを開催

こんにちは。ソラコム 人事の平(ニックネーム:asako)です。涼しくなって、気がついたらもうすっかり秋ですね。今日は、この夏にオフィスで初開催されたソラフェスこと「社員向けIoTハンズオンフェスティバル」についてレポートしたいと思います。

「テクノロジーカンパニーなのだから、わざわざやらなくても、みんな詳しいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、100名近くの組織になってきたソラコムでは、エンジニア系ではない分野の専門職種も増えてきており、「IoTシステムを開発したことがない」「SORACOMのサービスや製品は見てるだけ」というメンバーも珍しくなくなってきました。

人事チームの私がどのようにこの企画を立ち上げたのか、その経緯も記しておきますので、技術的な製品やサービスを扱う企業で、新たに入社したメンバー向けのオンボーディングや社内トレーニングを担当している方もぜひ参考までお読みいただければと思います。

組織が大きくなり、見えてきた課題

創業当初のまだ組織が小さかった頃は、年次カンファレンスや展示会などのイベントにはマーケティングやセールス、エンジニアはもちろん、私を含むバックオフィスのメンバーも全員参加で、お客さまへのサービス説明やデモ実演をすることもありました。大切なお客さまにIoTプラットフォームSORACOMを選んでいただくには、あやふやな知識ではいけないので、対応するメンバーは必死に覚える必要がありました(笑)。その代わり、特典として漏れなく基本的な製品知識を身に付けることができていました。

当時に比べると、今は体制も整って、役割もより明確になっているので、現在は基本的にイベントはマーケティングやセールスを筆頭とした専門チームで運営されています。

それぞれの役職が専門領域で力を発揮できているという状況はとても素晴らしいのですが、一方で、イベントに参加しないメンバーについては製品やサービスに触れる機会が減ることになり、リモートワークが主体となってきたことも相まって、実際にSORACOMで動くIoTシステムを見た事がない方も多い、という状況が生まれていました。

社員向け製品ハンズオンへの道

製品やサービスの知識をもっと新入社員が身に付けるためにはどうしたら良いだろう..と考えていた時に、たまたまとあるエンジニアチームも同じような課題感を持っているという話になり、従来お客さま向けにやっているようなハンズオンイベントを社員向けにもやってみよう!となりました。

打診から実施確定まで、わずか数回のやりとり。しかもあっという間に準備が進みました。以下にどんな準備をしたか書き出してみます。

ターゲットと目指す成果の確認

非エンジニアメンバーでも製品に触れる機会を作りたい、という思いがあったので、ターゲットは以下に設定しました。

  • 入社年月の浅い社員
  • バックオフィスなど、具体的に製品を触ったことがないメンバーも対象にする

目指したい成果は、せっかくのオフラインの機会なので、当初の目的にコミュニケーション活性化の要素を加えることになりました。

  • 「SORACOM のデバイスを体験することで、SORACOM サービスをもっと学び自社サービスに愛着を持つ」
  • 「一緒に学ぶことで会話が生まれ、横のつながりが増えるきっかけとなる」

イベント名の決定

楽しそうな名前をつけよう、となりサマーフェスっぽい名前(IoTハンズオンフェスティバル:通称、ソラフェス)に決めました!

イベント内容の決定

イベント内容については、簡単に体感できて最近のリリース内容も実感できるものを前提に、マーケティングチームが主催していたお客さま向けのハンズオンイベントと同様の内容と、コミュニケーションの場を組み合わせて行うことにしました。

  • GPSマルチユニットを使ったIoTシステム開発体験(製品化されたセンサーを使って、計測した温度や湿度などを、ボタン操作だけでグラフ化する)
  • ソラコムが提供しているその他のIoT製品を使ったデモや体験会 
  • ランチ親睦会

「GPSマルチユニット」とは?
正式名は「GPS マルチユニット SORACOM Edition」です。4つのセンサーと省電力のLTE “LTE-M” が搭載されたIoTデバイスです。環境センシングが簡単に実現できます。詳細はこちらのページをご覧ください。

イベント講師とサポートメンバーの依頼

お客さま向けハンズオンイベントで講師を担当しているメンバーにサポートを依頼したところ、趣旨に賛同し二つ返事で快くサポートしてもらえることになりました。その結果、人事とエンジニアチーム、SAチーム(Solution Architect:セールスチームでお客さまの技術支援を行う)の今までにない運営体制となりました。

余談ですが、ソラコムには自分の担当外のことについても、良いと思ったことには快く手を貸してくれるカルチャーがあって、いつも本当にありがたいと思います。(そしてそんなチームなので、自分もサポートできることがあれば快く手を貸そう、という気持ちになります!)

ソラフェス当日

準備が整えば、あとは当日を迎えるだけです。

いよいよ開始

ソラフェスの進行は写真で振り返ろうと思います。

オープニング。今回のイベントを提案してくれた講師役の社員が安定の進行を行ってくれています。

すぐにハンズオンに入ります。GPSマルチユニットというIoTデバイスにまずはSIMを差し込みます。普段スマホは使っていても、IoTデバイスを利用する機会が初めての方も。ドキュメントやセミナーで見たことがあっても、百聞は一見しかず。既に色々学んでいます。

SIMを入れたらあとは画面操作で基本は進みます。ステップは簡単ですが、最初は慣れないので講師メンバーに色々教えてもらいました。

皆さん無事に成功!温度や湿度などがグラフとなって表示されました。嬉しい!

グラフ表示が成功したら、今度は展示コーナーで自社製品の体験会です。

ひとしきりデバイスに触れてハンズオン&体験会は終了です。クロージングを行って、集合写真も取って、ランチ親睦会へ。

一緒に試行錯誤すると不思議なことに一体感が生まれますね。リラックスモードで、スモールグループに分かれて今日の感想やお互いの話に花が咲きます。

ソラフェスを終えて

あっという間のイベントを終えて、皆さんの反応がとても気になっていましたが、アンケートからは以下のような声をたくさん頂きました。思っていた以上に喜んでいただけたようで、目指していた成果を得ることができて嬉しい限りです。

  • よりソラコムのサービスを身近に感じることが出来てよかった
  • 今後経理作業などをする上でも想像がつきやすくなり、大変良い機会となった
  • 今後もソラコムの製品について理解を深めたいと思えるきっかけになった
  • ふだんあまり話す機会のなかった他のチームの人たちともチームビルディングができてよかった
  • あらためてこの会社で自分は働いているという実感が持てた

私自身も、参加者と一緒にああでもない、こうでもない、と言いながら進めていく体験はとても楽しいもので、短い時間にもかかわらず、製品やメンバーをより身近に感じられた実感がありました。

一つ気づいた点としては、サービスのイメージを具体的に持つことで、業務にも良い影響があると答えてくださっていた非エンジニアの方がいたことでした。自社製品に触れるということは愛着を持つだけでなく実際に業務にも良い影響があるのだと分かり、ぜひ続けたいというモチベーションになりました。

アンケートでも、このイベントは今後もぜひ続けて欲しい、入社してすぐのオンボーディングに組み込んで欲しい、という声が多く、早速今後は定期開催をしたいと考えています。

オンラインでもセレンディピティはある

全体を振り返ると、たった数行のslackのやり取りが新たなオンボーディングトレーニングメニューに発展するとは最初は夢にも考えていなかったことですが、「どんな小さなアイデアでも誰かに相談することで新しいアイデアに繋がる」というのはもしかしてセレンディピティでは、と思い至りました。そして、そう考えるとそれはオンライン環境でも十分に存在するのだと体感した経験でもありました。

以上、ソラコムの現状を背景にしたイベント開催レポートでした。読んでくださった皆さんにとって、一つでも参考になるものがあれば幸いです。