こんにちは、ソラコムの松下(ニックネーム: Max)です。
Wi-Fi や LTE/5G といった電波が届かないところからでも通信をする手段として、人工衛星を用いた通信技術が注目を集めています。例えば、アメリカでは2020年、日本では2022年にサービスを開始した「Starlink」があります。
8/29 に開催した、IoTの勉強会「IoT-Tech Meetup 第4回【IoTで使える”衛星通信”特集】」では、IoT で利用できる衛星通信を特集し、技術の目的や取り組み方を紹介しました。この記事では、その概要や資料をお伝えします。
IoT-Tech Meetupとは?
「IoT-Tech Meetup」は、ソラコムが持つIoTや周辺技術の知見を、主にエンジニアの方に共有する事を目的としてシリーズ開催する無料のオンライン勉強会です。プレゼンテーションの他にQAもあり、学びを深めていきます。
「IoT-Tech Meetup」が取り扱うテーマは、Raspberry Pi(ラズパイ)やM5Stack、クラウド型カメラといったハードウェアから、サーバーレスIoTやAIといったクラウド・ソフトウェア、そしてMatter等のIoT向け規格、法規やオープンソースライセンスといったあらゆる面で、IoTを活用するエンジニアの方に役立つ内容を企画・定期開催しています。
【セッション1】IoTとは?衛星通信の基礎 ― 種類と利点・注意点
最初のセッションは私(Max)が担当しました。毎度ご紹介している「IoT自体の全体像の振り返り」(これは、今回が初めての方向けに、繰り返し行っています)に続き、地上で使われているネットワークを含めた分類、そして最近耳にするようになった「LEO」「GEO」といった単語の解説を行い、この後に続くセッションの基礎知識を紹介しました。
衛星通信を用いたIoTを含めたデータ通信の基礎を3ページにまとめてありますので、ご覧ください。
資料は以下で公開しています。
【セッション2】衛星メッセージングサービスの概要、適合ケースと注意点
続いては、ソラコム ソリューションアーキテクトの渡邊(ニックネーム: Dai)より、ソラコムが2022年に発表した「衛星メッセージングサービス (Technology Preview で提供中)」を紹介しました。(サービスページ)
このサービスはスイスの衛星通信会社「Astrocast」社のサービスが基になっており、本セッションでもAstrocast の提供するメッセージングサービスの概要やデバイスを解説しました。
「メッセージングサービス」と称している背景は、一回の送信データサイズが160バイト(KBでもMBでもなく)であり、身近な例だと SMS のような使い方が適しているからです。低コストなのがポイントです。
最後には始め方として、ソラコムへの Technology Preview の申請方法をご案内しました。
資料は以下で公開しています。
Starlinkが提供するブロードバンド衛星通信は、急速に進化し続けているため「参加者への現状のスナップショットのご紹介」としてご登壇いただきました。ご理解いただけると幸いです。
IoT-Tech Meetupは、このように「ここだけの話」を学べる勉強会でもあります。ぜひライブでご参加ください!
【セッション4】サテライト NB-IoT(NB-IoT NTN)の全貌と今後
NB-IoT NTN(人工衛星を用いたNB-IoT)を、私から解説しました。
ソラコムは2023年7月に、米国のNTNサービスプロバイダ「Skylo Technologies」社との協業を発表し、近い将来でNB-IoT NTNの提供を発表しています。(プレスリリース)
このセッションでは NB-IoT の基礎の振り返りやデータ伝送の方式、そして人工衛星の利用による利点を解説しました。これからの技術ではありますが、NB-IoT を理解しておけば知識や資産が活かせるのが NB-IoT NTN であると締めています。
資料はこちらで公開しています。
次回のIoT-Tech Meetupは9/26(火)「オープンソースVPN “WireGuard”」
すでに次回のIoT-Tech Meetupの開催が決定しています。
9/26(火) 19:00スタートで、最近話題になっているオープンソース VPN「WireGuard」を取り上げます。
IPSec VPN や OpenVPN といったこれまでの VPN との違いや、実はすでに商用採用されている例とその背景、そして WireGuard をよりセキュアに運用するための Tips をゲストとともにご紹介します。
すでにお申し込みページはオープンしています。お気軽にご参加ください。オンラインでお会いしましょう!
― ソラコム松下 (Max)