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オンラインホワイトボードMiroを使ったワークショップの進め方

こんにちは、ソラコムでプロフェッショナルサービス(以降、PS)を担当している須田(kei)です。

PSでは、ソラコムのサービスを活用いただくための導入支援や、IoTプロジェクトチームに伴走しお客様と一緒にプロジェクトを推進するコンサルティングサービスを提供しています。提供しているメニューにはSORACOM Booster Packというワークショップ型の支援があります。このワークショップではお客様との議論にオンラインホワイトボードのMiroを使っています。

そこで、本ブログではPSのワークショップの中でどのようにオンラインホワイトボードを活用しているか、よく使う機能とそれをどうワークショップ中に活かしているかをご紹介します。Miroを前提として記載していますが、他のオンラインホワイトボードのツールでも同様のことができるかと思いますので、皆様のご参考になれると嬉しいです。

話題毎にフレームをわける

Miroにはフレームという機能があり、話題をグループ化できる機能です。通常ではダッシュボードと呼ばれる1つの大きなキャンバス上に自由にオブジェクトを配置して利用できるのですが、後から見返した際に何の話題をもとに作成した図やテキストなのかが分かりにくくなることが多々あります。

そのため、必ず話題が変わるごとに新規にフレームを作成し、そのフレームの中にその話題に関する議論や作成した図をおさめるようにしてます。こうすることで、後からどの話題に関連した図なのかが振り返りやすくなるだけでなく、フレーム単位でダッシュボード内を移動できるためディスカッション中にも過去の話題への行き来がしやすくなります。作成したフレームには順番を付けられるので、話題の移り変わり順にフレームを作成するようにしています。

テンプレートを作っておく

SORACOM Booster Packでは2日間にわたってワークショップを実施します。ワークショップでは前半ソラコムサービスの説明や、お客様のやりたい事や課題を改めて整理するといったような、コンテンツが毎回固定化されている部分があります。こうした固定化されたトピックについては、毎回ダッシュボードを作成するたびに一から作るのではなく、予めテンプレート化して利用しています。

Miroではダッシュボード内のコンテンツをテンプレート化できるカスタムテンプレートの機能があるため、このテンプレートには毎回利用する資料やWebページへのリンクなども埋め込んでいます。こうすることで、ワークショップの度に必ず押さえておきたいトピックや作業を抜けもれなくダッシュボード中に盛り込むことができます。また、いつも利用する資料や情報を更新する際もテンプレート側を変更すれば、次回以降テンプレートを作成する際に最新のコンテンツが反映されるので管理もしやすいです。 

付箋で意見を残してもらう

お客様とのワークショップをする際、こうしたオンラインホワイトボードの利用に慣れていらっしゃらない方も多いです。最近のオンラインホワイトボードは多様で便利な機能が多く含まれてます。こうした機能を利用してよりグラフィカルな図を作成しながら進めるのも良いのですが、SORACOM Booster Packでは決められた時間内で議論を進めることに集中したいため、使い慣れていない方でも直観的に利用しやすい機能を中心に使うようにしています。

その中でもよく利用するのが付箋です。例えばディスカッション中に、意見やコメントをもらいたい際、人数が多いとどうしても発言がしにくいといったことがあります。こうした場合でも、誰かがディスカッション中でも良いので気になることがあったら付箋を貼って残しておいてくださいとすると、積極的に皆さん意見やコメントを残して頂けることが多いです。Miroの場合ですとオブジェクトそのものにコメントを残すこともできますが、実際に付箋を貼る感覚で利用できるため、オンラインホワイトボードに慣れていらっしゃらない方も付箋なら直観的に利用しやすい印象があります。

どんな事でも気になることやコメントを付箋に統一して残してもらうことで、後から関連する内容を整理しやすくなるため、そこから意外な事実が発見できたりと、付箋はお手軽ながら十分な視覚的整理をする機能があると考えています。

進行中のメモも付箋で取る

ワークショップ中はPSメンバーがファシリテーションをしながら自身でもメモとして付箋に書いて貼るようにしています。最初はMiroのビジュアルノートというダッシュボード内にメモを取れる機能を利用していたのですが、図のそばにメモを付箋で残していくやり方に切り替えました。ワークショップ中はファシリテーションをしながら作図をすることが多いため、付箋にメモを残す方がノートを取る作業と作図作業のスイッチコストを減らせて私自身は体験がよかったのでそのようにしています。このように、利用用途や進行のしやすさに合わせて様々なアプローチが取れるのもオンラインホワイトボードの魅力ですね。

付箋のタグ機能を活用する

付箋にはタグを付与する機能があります。このタグとして付与されたテキストは、ダッシュボード内の検索機能の検索対象となります。前述した通り、ワークショップ中は意見やコメントは付箋に残すようにしており、例えばまた後で議論が必要な内容だったり、ワークショップ後にアクションが必要だったりするような内容については、「後で議論」や「TODO」といったタグをつけておき、後から一括で検索できるようにしています。

「手を挙げる」リアクションを使う

Miroにはリアクションという機能があります。オンライン環境でファシリテーションをする際に、ディスカッション中に他の参加者の様子を気づきにくい状況がよくあります。そうした際に、手を挙げるリアクションを活用いただくようにしています。こうすることで、オンライン環境であっても意見を拾いやすくなります。ただ、このようにリアクションをして意見を差し込みにくい時は前述した付箋でそっと残してもらって、ファシリテーターがそうしたコメントを積極的に拾ってディスカッションの中に含めるようにしています。

選択したオブジェクトを画像としてコピーする

SORACOM Booster Packではワークショップ後に、ワークショップ内で議論した内容をレポートとしてまとめています。その際に、レポート内に図を挿入することが多くあります。Miroでは選択したオブジェクト群を1つの画像としてクリップボードにコピーができるため、ワークショップ内で作成した図をそのままコピーしてレポートの中に張り付けるといったことができるため、大変重宝しています。

まとめ

オンライン・オフラインの打ち合わせ問わずオンラインホワイトボードを活用することで、その場のディスカッションを効率的に進められるだけでなく、後から振り返りもしやすくなります。物理のホワイトボードと異なり、作成した内容はデータとして残して置けるためそれ自体が資産として活用できます。こうした便利なツールを活用した新しい打ち合わせの形をぜひ試してみてください。

― ソラコム須田 (kei)