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ロケットとクラウド、専門性が違う2人が選んだソリューションアーキテクトという仕事

クラウドのコンサルティングを提供していた人。ロケットのシステムを開発していた人。まるで異なるキャリアの2人が、同じ「ソリューションアーキテクト(SA)」というポジションで働いている。

IoTのプロジェクトには、通信、クラウド、デバイス、セキュリティ、業務設計──あらゆる技術領域の知見が求められる。ひとつの専門性だけでは完結しない。だからこそ、異なるバックグラウンドを持つ人材が活きる場所でもある。

ソラコムのSAチームで働くMorisとTakaoに、この仕事のリアルを聞いた。ソラコムでは社員同士をニックネームで呼び合う文化があり、本記事でもニックネームで紹介する。

プロフィール

Takao ──前職は大手製造業で個体燃料ロケットのシステムインテグレーションに従事。機体内部の計測システムや地上通信系の開発を担当した後、本社部門でIoT基盤・IoTデバイスの開発に携わる。現在はパートナー企業向けのSAとして、技術支援やビジネスマッチング、ウェビナーの企画・登壇、コミュニティ活動まで幅広く手がける。東京都出身。三度の飯よりラーメンが好きでテレマークスキーを練習中。

Moris ── 前職は日系コンサルティングファームでWebアプリの開発やコンサルティングに従事。CI/CDやインフラ周りも含めた開発基盤の構築を経験。それ以前にはスマートメーターのプロジェクトやスマートネットワーク製品の開発にも携わり、IoT領域への関心を持ち続けていた。現在はストラテジックSAとして大企業の案件を担当。大阪府出身。趣味で狩猟(銃猟, 罠猟)をしておりIoT技術を活かせないか模索中。

ソリューションアーキテクトの仕事とは

── まず、SAの仕事を教えてください。

Moris: お客様の課題に対して、SORACOMのサービスをどう組み合わせれば解決できるかを設計する仕事です。前職のコンサルティングファームでやっていたこととも似ている部分があります。お客様の要件をヒアリングして、ソリューションを提案して、実現まで伴走する。ただ、IoTの場合は通信、クラウド、デバイスと考慮すべきレイヤーが多いので、コンサル時代よりも守備範囲がぐっと広がりました。

それと、前職ではWebアプリやクラウド周りが中心でしたが、IoTはもっとリアルワールドに近いレイヤーで仕事をします。物理的なデバイスがあって、セルラー網があって、その上にクラウドがある。現実世界とデジタルの接点でソリューションを考える面白さは、この仕事ならではだと思います。

Takao: IoTは技術の総合格闘技のようなものだと言われています。通信はもちろん、デバイスもクラウド、アプリも必要。ひとつの技術に特化するのではなく、あらゆる技術の引き出しの中からお客様のニーズに最適な組み合わせを見つけ出す。しかも、技術的に正しいだけではなくて、コスト面でもビジネス的にも成立するものにしなければいけない。SAは技術面だけでなくビジネス的な観点も含めたアーキテクチャを検討する必要があるので、開発をメインでやっていた頃よりも守備範囲はかなり広いですね。

── Morisは大企業のプロジェクトを担当されていますね。どんな案件が多いですか?

Moris: 大企業がIoTを本格導入するときには、数千〜数十万台規模のデバイスをどう管理するか、通信をどう設計するかという大きなアーキテクチャの問題が出てきます。たとえば自社の製品に通信を組み込んで、付加価値をつけたコネクテッド製品を展開したいメーカーが、データ活用のためのシステム連携や、運用後の回線管理をどう構築するか。専門分野であり、経験豊富なメンバーがいないケースではお客様が判断に迷うこともある領域なので、SAがしっかりサポートして、ビジネスの成功につなげるのが重要な役割です。

Takao: 私はパートナー向けのSAなので、少し動き方が違います。ソラコムには1,000社以上のパートナー企業がいて、それぞれが独自の製品や技術を持っています。あるパートナーのビジネスを別のパートナーの技術と組み合わせることで、新しい価値が生まれることもある。そういうマッチングや仕掛けづくりも含めて、技術とビジネスの境界を行き来する仕事ですね。さらにコミュニティ活動や外部登壇といったマーケティング的な動きも担っています。前職の製造業では会社の外に出て発信する機会はほとんどなかったので、大きな変化でした。

異業種からの転身。「自分の経験は活かせるのか?」

── お二人とも、前職とは異なる分野にチャレンジしていますよね。

Takao: はい。前職ではロケットのインテグレーションをしていました。ロケット内部の計測システムや地上との通信系を担当していたので、センシング、通信、電子回路といった基礎技術は共通する部分が多いです。ただ、転職のきっかけはロケットのキャリアの後に担当していた、本社部門でのIoTプラットフォームの自社開発の経験にあります。2018年頃から内製のIoTプラットフォーム開発に携わっていたのですが、ソラコムのような便利なIoT向けのサービスが成長してきて、実際に使ってみたら、自分たちがやりたかったことのほとんどがカバーできていた。「これなら自分で作るより、このプラットフォームで顧客を支援する側に回った方が楽しそうだし、世の中へのインパクトが大きい」と感じて応募しました。

Moris: 私はもともとスマートネットワーク製品の開発をしていて、デバイス同士が通信するシステムに関わっていました。スマートメーターのプロジェクトにも携わったことがあり、IoTには以前から興味がありました。その後コンサルティングファームに移ってWebアプリ開発やインフラ構築を経験しましたが、やはりIoTをもう一度やりたいという気持ちがあった。もうひとつの動機として、プロダクトをしっかり成功させているビジネスはどういう仕組みで動いているのかを知りたかったんです。ソラコムはプロダクトをほぼ全て内製していて、それが開発のスピードや品質につながっている。実際に中に入ってみて、その実感は強まっています。

── SAチームには、どんなバックグラウンドの方がいますか?

Takao: 本当に様々です。日系メーカーでコネクテッド製品の企画・開発をしていた人、システムインテグレーターでモビリティや設備などのお客さま案件に参加しシステム設計をしていた人、外資IT企業のプロフェッショナルサービスで導入支援をしていた人、通信機器の分野で製品開発やアーキテクチャ設計をしていた人。何らかのエンジニアリング的なバックグラウンドを持っている人がほとんどですが、出身領域はみんな違います。IoTやセルラー通信の経験がある人は、実は一部です。

プラットフォーム企業のSAだからこそ得られるもの

── ソラコムのSAならではの面白さは?

Moris: プラットフォームを提供している会社なので、本当に多様なお客様やプロジェクトに触れられます。製造業、モビリティ、インフラ、スタートアップ──業界も規模も課題も全部違う。それぞれに対応するには幅広く、かつ深い知識が必要です。ある範囲について理解が深まったと思っても、社内やお客様と話しているときに全く別の範囲の知識が足りないことに気づく、ということがよくあります。デバイスからセルラー網、TCP/IP、クラウドまで。広く深く知っておかないといけない。それが大変でもあり、一番面白いところでもあります。

Takao: 裁量の大きさと、チャレンジの幅ですね。人数が多くないので自分で考えて動く場面が多いですし、技術支援だけでなくマーケティングやウェビナー企画まで手を広げられる。あと、転職して感じたのは、Likabilityの高い人が多いということ。一緒に働いていて楽しい人が集まっていると思います。風通しが良いので社内の必要な情報を取りに行ける環境で仕事ができるのも気持ちがいいですね。

── お客様に向き合う際に心がけていることは?

Moris: ヒアリングと事前準備のバランスですね。準備しすぎて実際の要望と違えば無駄になりますし、準備不足だと的確な提案ができない。大企業の案件は波があって、一気に忙しくなる時期と落ち着く時期がありますが、いずれのフェーズでもこのバランスを意識しています。

Takao: お客様に寄り添うことです。関係性ができている方には率直に意見を伝えますが、まだ関係が浅い段階では、まずはやりたいことをしっかり聞くところに時間をかけます。技術的に正しい答えを押しつけるのではなく、お客様と一緒に最適解を見つけていくプロセスが大事だと思っています。

ソラコムのSAが気になっている人へ

Moris: 自分のスキルの幅を広げたい人にはとても魅力的な環境です。プログラミングだけ、ネットワークだけ、ではなく、デバイスからクラウドまで横断的に知識を得ていける。コンサルやプロフェッショナルサービスの経験がある人なら、顧客対応のスキルをそのまま活かしながら、IoTという新しいドメインで技術力を高められます。他にはなかなかないプロダクトやビジネスに関わりたい人にもおすすめです。

Takao: IoTでビジネスを作るのは、技術的にもビジネス的にも簡単ではありません。無限にある技術の組み合わせの中から、お客様にとっての最適解を導き出す。そこにやりがいを感じられる人、ひとつの専門領域にとどまらず守備範囲を広げることに積極的な人と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。


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