昨今の気温の変化とクラウドの進化についていくのが精一杯のソラコム 松下(max)です。
先月末に SORACOM Harvest の新機能「複数リソースの同時表示」 をご紹介いたしました。
「複数リソースの同時表示」とは?
例えば SIM の一覧画面からデータ表示を行いたい SIM にチェックを付けたあと「データを表示」と進めると、グラフやデータテーブルに複数の SIM のデータの表示ができる機能です。
これによって、リソース間の相関関係やトレンドを簡単に見ることができるようになりました。
今回の新機能は、この便利な「複数リソースの同時表示」において、データの表示を行うリソースの指定方法が強化されました!
リソースの指定方法
まずは「データを表示」してみてください。すると左上のリソースのところに「+リソース追加」のアイコンが増えています。これが新機能です。
「+リソース追加」をクリックすると、新たにデータを表示するリソースを指定出来るようになります。テキストボックスにカーソルを合わせると、すでに持っているリソースを名前付きで一覧表示されます。 IMSI などのリソース ID を覚えておく必要がありません!
SIM だけではなく LoRa デバイスや Sigfox デバイスを混在したデータ表示がより簡単になりました
SIM だけではなく、 LoRa デバイスや Sigfox デバイスのデータを混在して表示する機能は前回の新機能で実現済みだったのですが、今回のリソース設定方法の強化によって、表示したいリソースをプルダウンで選択、そしてその中のデバイスもプルダウンで選ぶだけの簡単操作に進化しました。
例えばドアの開閉を記録している LoRa デバイスと、温湿度を記録している SIM の入ったデバイスのデータの同時表示をとても簡単に実現することができます。
リソースの名前の指定の方法
今回の新機能はリソースに名前がついていると、一覧表示で対象のリソースを探しやすくなります。
そこでリソースの名前の設定方法をご紹介します。
名前を付けることができるリソースは SIM / LoRa デバイス / Sigfox デバイス、全てで行うことができます。
使い始めの SIM 等には名前がついていません。名前を付けたいリソースにチェックを付け [詳細] の画面を開きます。
その後「名前」のえんぴつアイコンをクリックし、テキストボックスに名前を入力した後 [保存] をクリックすれば完了です。
その他の方法1:一覧画面から
SIM 等の一覧表示の画面から「名前」にカーソルを近づけると、えんぴつアイコンが表示されます。クリックするとテキストボックスが表示されますので入力します。保存ボタンがありませんが、エンターキーで保存することができます。
( LoRa デバイス、 Sigfox デバイスは、この方法での名前変更機能をサポートしています)
その他の方法2: API (CLI) から
SORACOM ではリソースに「タグ」を付けることができます。これにより、例えば契約情報やお客様に紐づいた情報を保管し、管理を便利に行うことができるのですが、実は「名前」は name
というタグで管理されています。(タグの機能の一部なんですね)
そのため name
を更新することで API から名前を更新することができます。
例えば CLI ツールでは、下記のように実行します。
$ soracom subscribers put-tags --imsi $RESOURCE_ID --body '[{"tagName":"name","tagValue":"New SIM Name"}]'
※ CLI ツールの利用方法は soracom-cli をご覧ください
そして、今回はなんとあと2つ、機能追加があります!
「グラフに描画しない項目」の設定が追加されました
SORACOM Harvest は数値である項目を自動的に描画しますが、項目が多くなりすぎることがありました。
この新機能は、timestamp や緯度経度のデータなどのグラフに描画しなくていい項目をあらかじめ取り除くことができます。
利用するには、グラフ下部の「高度な設定」タブにある「グラフに描画しない項目」に無視したい項目のキーを指定して「適用」ボタンを押してください。カンマ区切りで複数指定できます。
この設定はブラウザに保存され、どのリソースを表示するときにも反映されます。もちろん、複数リソースを描画しているときも有効です。
グラフ上でクリックしたデータを確認できる「プレビュー」タブが追加されました
新たに「プレビュー」タブが追加されました。
グラフ上に表示されている要素をクリックすることで、そのデータの詳細が表示されます。
この機能によってグラフに描画されていない項目もあわせて確認いただけるようになりました。
おわりに
昨今 SORACOM では「セルラー通信だろうが LoRaWAN や Sigfox といった LPWA 通信だろうが、無線通信の種類に依存することなく使うことができるよ」という Wireless Agnostic という考え方の下で開発をしており、今回はまさにリソースを超えたデータ表示を「簡単に」実現するという Wireless Agnostic そのものの新機能です。
これからも新機能・新サービスでみなさんの IoT システム開発のお手伝いができればと思います。
ソラコム “MAX” 松下