札幌は寒いですが IoT 熱は常に高い、ソラコム “Max” 松下です。
1/20(月)に札幌で開催された「SORACOM UG 札幌 #2」にお邪魔いたしましたので、その様子のレポートです。
SORACOM UG とは?
初めてお読みになる方もいらっしゃると思うので、あらためて SORACOM UG のご紹介です。
SORACOM UG は、SORACOMを利用する人々の集まり(コミュニティ)です!
UG は User Group(ユーザーグループ)の略で、職業や業種を問わず SORACOM を使っている人はもちろん、これから使ってみようかな?と考えている方など、誰でも参加することができます。
札幌での UG 開催は 2 回目
前回(2019年11月)の開催に続き2回目となる今回は、Wio LTE という IoT プロトタイピング向け LTE モデム搭載マイコンボードを使ったハンズオンと、LT(ライトニングトーク)の2つを行いました。
ハンズオンに入る前に私の方から「ぜひツイートしましょう!」とご案内しました。人間は学んだことを20分経つと42%も忘れてしまうそうです。ツイートであれば「その瞬間」に学んだことや感動を記録できるため、きっと役立つという思いをお伝えしました。
結果、多くのツイートがされていました。皆さんの記録、そして後日の学びにつながれば良いと思っております。ちなみに SORACOM UG のハッシュタグは #soracomug です。あとで検索するときにも便利ですので、 SORACOM UG に参加された際にはツイートをしていきましょう!
必ず1回はツイート #soracomug pic.twitter.com/C3qsag4MVg
— HALASUN (@halasun) January 20, 2020
Wio LTE ハンズオン
「LTE モデム搭載 IoT 向けプロトタイピングマイコンボード」Wio LTE というを使ったハンズオンは初級編、中級編と分かれており、今回は皆さん一人一人はクラスを選択してもくもくと作業を進めていく方式でした。
初級編はあらかじめプログラムが書き込まれた状態の Wio LTE にセンサーを取り付けて SORACOM Harvest Data でデータの蓄積、その後は SORACOM Lagoon でデータ活用を行うというものです。また、SORACOM Air のメタデータサービスを利用して、デバイスの起動時に設定情報を読み込み、ボード上の LED の点灯速度を変化させるといった本番運用がイメージできるような内容も盛り込まれています。
ふむふむ。確かにわかりやすいですねね。#soracomug pic.twitter.com/vSWVGX7zA5
— susu-3 (@susu333164699) January 20, 2020
初級編は SORACOM ユーザーコンソールに慣れている方だと実は20分くらいで終わることができる内容なのですが、今回の参加者のほとんどが SORACOM 経験者ということもあり、早く終わられる方が多かったです。
ハンズオン初級編 #soracomug
終
制作・著作
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SORACOM pic.twitter.com/YbsKoi6i5p— Genki (@G3IVKeye) January 20, 2020
中級編は開発環境を作って実際にプログラム(スケッチ)を作りながら SORACOM Harvest Data や SORACOM Beam 、 SORACOM Funnel を活用してデータ収集やデバイス制御を行います。ここではゼロから作るのではなく「利用する」ことで、迅速なシステム構築の体験ができます。
ハンズオン中級編、ギリギリで完了 #soracomug #sapporo
— HALASUN (@halasun) January 20, 2020
みなさんのレベルの高さを感じました!
LT(ライトニングトーク) 4 連発
あらかじめ申し込みページで「LT 希望者」を募っていたところ、3名の方がエントリーいただきました!実は私も飛び込みで参戦させていただいたため、4つのLTとなりました。
LT1: SORACOM Air for Sigfox + Microsoft Azure 活用
最初は Gugenka 丸山さんからの発表です。Gugenkaさんではマンション見守りのシステムに SORACOM Air for Sigfox を活用いただいているのですが、今回は SORACOM Air for Sigfox のデータフォーマット変更に対する対応について、具体的なシステム運用の知見をシェアしてくれました。
SORACOM Air for Sigfox からはバイナリ―パーサー機能とクラウドアダプタサービス SORACOM Funnel を経由して、Microsoft Azureを活用されていました。
※SORACOM Air バイナリ―パーサー機能:
デバイスから送られてきたバイナリデータを SORACOM Air に設定した書式に合わせて JSON として出力する機能で、 SORACOM Air for Sigfox だけでなく SORACOM Air for セルラーや LoRaWAN でも利用可能です。バイナリ―パーサーの書式をオンラインで試験できる Playground もあり、手軽にバイナリを利用してデータの省サイズ化が実現できます。
LT2: 社宅にドアを取り付けたら、暖かくなった!
LT 2 つ目は國奥さんから「社宅」のお話です。
北海道のエネルギーの会社にお勤めの國奥さんのご家庭の悩みが「廊下からの冷気で部屋が寒くなる」ということ。温めるためにはもちろんエネルギーを必要になりますから、この冷えが緩和できれば暮らしやすくなるだけでなく、光熱費にもやさしくなると考えたそうです。
しかし「寒いとは、どのくらいなのか?」を知らないと、カイゼン具合もわからないだろうということで、まず最初に現状の計測から始めました。その後、対策として廊下にドアを取り付けたところ、室温が10度近くカイゼンしたことが確認でき「快適を得られた」と喜びの声が!
「まず計測する」ことで、カイゼン具合がわかる=成功/失敗が明確にできるという点が学びでした!
LT3: MicroPython で SORACOM Harvest Data の Publish API を使う
LT 3 つ目は HALASUN (@halasun) | Twitter さんです。2019年の夏に開催された SORACOM Meetup 札幌から参加いただいております。MicroPython という組み込み機器でも動作する Python 言語を用いた発表が多いのですが、今回も MicroPython から SORACOM のサービスを利用してみたというお話です。
IoT データ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」は、実はインターネットにも API が公開されており、 Wi-Fi 等からでもデータを蓄積することができます。
この API は SORACOM Inventory というデバイス管理サービスを利用します。このサービス上で認証情報を発行することで、インターネット側からでも SORACOM Harvest Data が利用できるという仕組みです。具体的な利用方法は デバイスIDとデバイスシークレットを使用してHarvestにデータを送信する | Getting Started | SORACOM Users をご覧いただくとして、今回の発表は「送信時の HTTP ヘッダ設定」についてでした。
MicroPython の HTTP ライブラリである urequest は、標準では送信するデータのフォーマットを表す “Content-Type” という HTTP ヘッダが設定されず、その結果 SORACOM の API が受け取ってくれなかった事がわかったとのこと。
SORACOM で公開しているドキュメントには curl というコマンドでの利用例が掲載されていたためそこから調査した結果、Content-Type を設定することでデータ送信に成功しました!
今回は Content-Type に application/x-www-form-urlencoded を設定することで成功されましたが、登壇後に application/json として提出することも共有させていただきました。(後日ソースコードを見たら `json` というパラメータにデータを設定すると “Content-Type: application/json” に設定されることがわかりました)
この発表を見た方からは
マジか!obnizから送れるやんけ!
#soracomug pic.twitter.com/m7KlrfeJcN— もなむ (@monamu2011) 2020年1月20日
といった気づきが。そうなんです、Wi-Fi な IoT デバイスからでも SORACOM のサービスが利用できます。
飛び入り LT: re:Invent 2019 報告
LT 4 本目(!?)は私、Max(松下)より AWS re:Invent 2019 参加報告を飛び入りでさせていただきました。
2019年12月にアメリカ/ラスベガスで開催された AWS re:Invent 2019 へ参加した際のラスベガスや会場の様子、 Keynote などで得られた知見の共有です。
今回は機械学習モデルの構築をサポートする Amazon SageMaker とその周辺のアップデートが大幅にされました。ここから感じたことは「データを “集める” から “活かす” へ」というフェーズへと動き始めている事です。
IoT はデータを集める手段としては非常に有益で、その先の世界である「データ活用」も、様々なサービスでより簡単になり始めている事をお話させていただきました。
スライドは Google Slide にて公開いたしました!
AWS re:Invent 2019 report by Max@SORACOM – Google スライド
あとがき
当日はあいにくの雪となりましたが、ほぼ100%の参加者でした。欠席された方も「雪で、、、」や「急遽仕事で、、、」とご連絡をいただき、本当にありがとうございます!
特に SORACOM UG 札幌は「懇親会で次回を決める!」という傾向があり、今回も懇親会の中で「今度は3月か4月だな!」と、運営メンバーだけでなく参加いただいた方々の意気込みがすごかったのが印象的でした。
何名かは「2/18 の SORACOM Technology Camp 2020 に行きます!」とも言っていただき、まずは東京/大崎での再会を約束して札幌を発ちました。
さよなら札幌、また来てしかく。昨日のSORACOM UG 札幌は懇親会で次回予定の話が盛り上がりました!またお会いできれば! これから移動だよー。#soracomug pic.twitter.com/DTKd93vB2e
— 松下享平 《2/18 IoTイベントで登壇します》(Max@SORACOM) (@ma2shita) 2020年1月20日
また行きます!
― ソラコム “Max” 松下