皆さんこんにちは、ソラコム熊崎です。
先日、2月に新発表したGPS マルチユニット SORACOM Edition を使ったオンライン講座を開催しました。
温度・湿度・加速度・GPSの4つのセンサーを搭載し、ウェブ上で操作するだけで簡単にセンサーからのデータを取得できる本デバイスを使い、部屋の温湿度のデータを可視化する仕組みを作りました。デバイスの購入を検討している方や、簡単なIoTシステムの作り方を学びたい方に最適な内容です。
今回の記事では、オンライン講座の動画のご紹介および、当日お寄せいただいたご質問に回答いたします。最後まで是非ご覧ください。
アジェンダ
- GPS マルチユニット SORACOM Editionの紹介
- センサーからのデータを SORACOM Harvest Dataで収集・可視化しよう
- SORACOM Harvest Dataに収集したセンサーデータを SORACOM Lagoon を使ってダッシュボードで表示しよう
- GPS マルチユニット SORACOM Editionの利用例のご紹介
必要機材
- パソコン(Windows もしくは macOS で、最新のGoogle Chromeが利用可能なこと)
- GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット
※ 上記キットの中には以下のものが含まれています。動画本編では 2 セット利用していますが、1セットでも受講可能です。- GPS マルチユニット SORACOM Edition 本体 x 1
- SORACOM 特定地域向け IoT SIM (plan-D ナノサイズ) x 1
- SORACOM アカウント(アカウントの作り方はこちらをご覧ください)
オンライン講座の動画
質問とその回答
手軽に現場のデジタル化ができるデバイスということもあり、非常に多くのご視聴とご質問をいただきましたので、「ご導入前」「GPS マルチユニット SORACOM Edition 本体について」「内蔵のセンサーに関して」「料金について」「SORACOM サービスについて」と分類をしてQAをお送りいたします。
ご導入前のQA
Q. GPS マルチユニット SORACOM Edition はどこから購入できますか。
A. GPS マルチユニット SORACOM Editionが含まれている「GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット」は SORACOM ユーザーコンソールからお求めいただくことができます。メニューから[発注]、そして[デバイス]タブをクリックすることで当該商品が表示されますが、その際「(在庫なし)」と表示が無ければ在庫がございますので、そちらでご確認ください。
Q. GPS マルチユニット SORACOM Edition デバイスだけの購入はできますか。
A. GPSマルチユニットSORACOM Editionを入手いただく方法は、現時点では「GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット」をお求めください。
GPS マルチユニット SORACOM Edition自体は、SORACOM 特定地域向け IoT SIM の plan-D および plan-KM1 でお使いいただくことができるため、同梱されている SIM ではなく、すでにお持ちの同 SIM をお使いいただくことも可能となっています。
GPS マルチユニット SORACOM Edition 本体についてのQA
Q. 電池消費の目安を教えてください。
A. 有効にしているセンサーとデータ送信間隔で大幅に異なりますが、弊社実測において「温度・湿度・加速度・位置情報 4 つのセンサーを有効」な状態において、 1 分に 1 回の送信時で約 1.5 日~ 2.0 日、10 分に 1 回の送信時で約 6.5 ~ 7.0 日であることが確認されています。
Q. データ送信までにかなり時間がかかることがありますが、問題ないでしょうか。
A. GPS の位置測位に時間が掛かることがあるとそのような現象が発生します。取得ができない場合は、約2分半の間に内部的に取得を何度も試みるようになっていますが、その間のデータ送信などは行われません。そのため、できる限りGPS衛星と通信しやすくなる窓際などでお試しください。位置測位が不要な場合は設定でGPSをOFFにしていただきますと、測位を行わなくなるためデータ送信までの時間が大幅に短縮されることになります。動画でご紹介しているように屋内で使う際には有効な手段です。
Q. 同梱されている赤色のパーツは何かに利用しますか。
A. こちらは SIM カードトレイとなります。SIM カードの取り付けに必要ですので無くさず保管してください。また、SIMの取り付けには赤いトレーを必ずご利用ください。また、赤いトレーに描かれている形にSIMの向きを合わせ、チップの金属部分が上向きになるようにセットしてください。
Q. 電源が入ってるか確認する方法はありますか。
A. ファンクションボタンを 1 秒押してください。LED が点灯すれば電源が入っています。
Q. 手動でファンクションボタンを押さないと、設定は変わらないのでしょうか。既に設置したセンサーの設定を変えるのに、ボタンを押す以外の方法はありますか。
A. GPS マルチユニット SORACOM Edition はファンクションボタンによる能動的な設定反映の他、 1 日に 1 回設定情報を SORACOM プラットフォームより取得して設定反映する機能が標準で備わっています。通信ができる状態になっており、SORACOM プラットフォームと接続できていれば最長 24 時間以内※に設定は自動反映されるため、現場への設置後でもデバイス設定を変更いただけます。
※取得タイミングはデバイスの起動タイミング等の要因で異なります。通信量や送信間隔・送信内容から設定反映の状況をご判断ください。
内蔵のセンサーに関してのQA
Q. 温度・湿度センサーの動作保証範囲はどのくらいでしょうか。
A. 温度は -20℃ ~ +60℃ 、湿度は 10% ~ 90% となっています。測定可能範囲や動作条件、精度など詳細な仕様は、京セラ社 GPSマルチユニット取扱説明書をご確認ください。
Q. GPS はどこでも測位できますか。
A. 測位できない場所もあります。スマートフォンのようにW-Fi等の電波によるアシスト機能は搭載されていないため、特に屋内の場合は窓際など設置場所にご配慮いただくことで測位可能となります。
Q. GPSで取得される位置は、NTTの基地局の位置情報ですか。
A. GPS マルチユニット SORACOM Edition に搭載されている位置測位の機能は、GPS、GLONASS、みちびきといった人工衛星から得られた位置情報となります。また、SIM に SORACOM 特定地域向け IoT SIM の plan-KM1 をお使いいただき「簡易位置測位機能」を ON にした場合は、本体内蔵の位置測位とは別に簡易位置測位が利用可能です。
簡易位置測位の概要や精度、利用方法、料金につきましては、こちらのブログ をご覧ください。
料金についてのQA
Q. データ通信量はどのくらいかかりますか。
A. 当社で計測した実測値としては、以下のとおりでした。
前提: 10 分に 1 回、全データを送信、一日中固定の場所に配置
一日あたり、上り: 25-28 KiB・下り: 7-9 KiB
なお、この場合で 1 ヶ月 (30 日)に換算すると 上り: 750-840KiB, 下り: 210-270KiB となります。
特定地域向け IoT SIM(plan-D, 速度クラス s1.standard)の場合、データ通信料金は 1 ヶ月 (30 日)で 1 円となります。(税抜き、基本料金、Harvest 等のサービス利用料金は含んでいません。)
SORACOM サービスはオンラインの料金見積もりツールでお見積りいただくことができますのでご利用ください。
Q. SORACOM Harvest を利用した場合、料金はどのくらいかかりますか。
A. 上記の「データ通信量はどのくらいかかりますか?」の質問と同様の前提「10 分に 1 回、全データを送信、一日中固定の場所に配置」、かつ特定地域向け IoT SIM(plan-D, 速度クラス s1.standard)では以下の月額料金となります。(1 ヶ月を 30 日で計算しています。)
- plan-D 基本料金: 300 円
- plan-D データ通信料: 1 円
- SORACOM Harvest 利用オプション: 150 円
合計 451円(税抜)となります。
また、動画でご紹介したSORACOM Lagoonは無料でお使いいただくことができるFreeプランがありますのでお気軽にお試しいただけます。また、ダッシュボードの数を増やしたい、共有先を増やしたいといったご要望にはMakerプラン等がございますので、SORACOM Lagoon 料金プランをご覧ください。
SORACOM サービスについて
Q. SORACOM 特定地域向け IoT SIM plan-D の速度クラス(通信速度)には、いくつか種類がありますが、どれを選択するのが良いでしょうか。
A. SORACOM 特定地域向け IoT SIM の plan-D では 4 つの速度クラスがお選びいただけます。こちらは通信速度だけでなく通信料金も異なっており、一番遅い s1.minimum と呼ばれる速度クラスは通信料金を一番安くなっています。SORACOM ユーザーコンソールに登録直後は s1.standard という速度になっていますが、 GPS マルチユニットはデータ通信量が少ないことから s1.minimum でも十分ご利用いただくことができます。
利用可能な速度クラスと料金についてはご利用料金 – 特定地域向け IoT SIMをご覧ください。SIMの速度クラスの変更は SORACOM ユーザーコンソール上で行っていただけます。手順は、SIM の設定変更をご覧ください。
Q. SORACOM Harvestで同時に何枚のSIMのデータを表示できますか。
A. データ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」では、一度に複数の回線(SIM等)のデータを表示することができます。同時に表示できるのは最大で5回線分です。複数回線の表示を行った場合は自動更新間隔が60秒となります。
より多くのデータを一度に表示したい場合は、SORACOM Lagoon の利用をご検討ください。
Q. SORACOM Lagoon で作ったダッシュボードの共有方法を教えてください。
A. SORACOM Lagoon では、SORACOM Lagoon のダッシュボードにアクセスできるユーザーと URL を作成することでダッシュボードを共有いただくことができます。ユーザーの作成から URL の作成方法はこちらをご覧ください。作成可能なユーザー数やダッシュボード数はプランによって異なります。プランの料金や内容はこちらからご確認ください。
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ソラコムでは現在ブログを書いたらノベルティTシャツをプレゼントするキャンペーンを開催しています。是非GPS マルチユニット SORACOM Editionを使い、IoTシステムを作ってみた方は、下記よりご応募ください。
期間:3月31日(火)まで
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ソラコム 熊崎