6月24日(水)に『IoT入門オンラインセミナー GPS活用編』を開催しました。今回は、当日参加者の皆様からいただいたご質問とその回答をご紹介します。
【アジェンダ】
GPS活用でコスト削減や新たなビジネス創出を実現したIoT最新事例
株式会社ソラコム セールスマネージャー 服部 政洋
今だからこそ取り組みたい、IoTを活用した動態管理~位置情報を見える化するには?
株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下 享平
【セッション動画】
当日お送りしたセッションの動画をこちらで公開しています。是非ご覧ください。
GPS活用でコスト削減や新たなビジネス創出を実現したIoT最新事例
今だからこそ取り組みたい、IoTを活用した動態管理~位置情報を見える化するには?~
【ご質問と回答】
Q. Hacobu さんで利用されている端末は車両に取り付けるタイプのものでしょうか?詳細を教えていただきたいです。
A. SaaS 型の物流管理ソリューションを提供されている Hacobu 様は「運ぶを最適化する」を実現するために GPS を活用した位置管理の仕組みを利用されています。事業のポイントとなるデバイス(端末)は、お客様のニーズや環境に合わせるべく複数のデバイスを Hacobu 様自身で探して準備しているとの事です。
SORACOM はデバイスの制限なくお使いいただくことができる IoT プラットフォームです。動作確認はお客様にお願いしているところですが、そのような手間を軽減するための方法として「SORACOM 認定デバイス」や「IoT SELECTION connected with SORACOM」がございますので、そちらからのデバイスやサービスの調達もご検討ください。
Q. SORACOM で OBD2の端末は発売されているのでしょうか?
A. ソラコムでは SORACOM サービスの活用を迅速に行うことができる「リファレンス・デバイス」を提供しております。また、業務により近いデバイス(例: 自動車向け インターフェイスである OBD2 や工場やビルで利用される PLC)については、当社の SPS パートナーやパートナーの取り扱う「SORACOM 認定デバイス」がある他、デバイスからサービスまでが揃う「IoT SELECTION connected with SORACOM」がございますので、そちらをご覧いただきお問い合わせください。
Q. SORACOM Harvest Data は SORACOM SIM 以外からも送信可能でしょうか?
A. SORACOM Harvest Data は SORACOM Air による通信以外にも、API を利用してインターネットからのデータ送信が可能となっています。
デバイス管理サービス SORACOM Inventoy からIDとキーを発行し API を呼び出す仕組みです。具体的な方法はデバイスIDとデバイスシークレットを使用してHarvestにデータを送信するをご覧ください。
Q. AWS IoT / flespi のような MQTT Broker サービスとの差別化する機能はあるでしょうか?
A. IoT で注目されている軽量メッセージプロトコル「MQTT」はデータ伝送に利用されるプロトコルであり、データの可視化や蓄積といったアプリケーションは別途準備いただくことで IoT システムが構築できるものです。MQTT のご利用背景は、データ伝送からアプリケーションまでを一貫して制御したいというご要望が多いことから、SORACOM では MQTT ブローカー(サーバー)への接続を中継するサービス「SORACOM Beam」を提供しています。SORACOM Beam は AWS IoT Core や Azure IoT Hub といった MQTT もしくは MQTT 互換のブローカーへ簡単に接続できるため、お客様はデータ伝送部分からアプリケーションまでの構築に専念いただけますので、ご利用検討ください。
Q. 弊社では運送業向けに特化した動態管理をすでに展開しています。SORACOM 認定機器を用いて SPS パートナーとして弊社製品を出すことは可能でしょうか?
A. SORACOM パートナースペース(SPS) は SORACOM のパートナープログラムです。 SPS では、様々なプログラムを通じ、SORACOM に関する技術資料やマーケティング支援などのサポートを提供いたします。ご参加のお申し込みはオンライン上のフォームからいただくことができ、その後弊社の担当と詳細を詰めていただく形になりますので、是非ご参加ください。
Q. レンタルCD、DVDくらい小さな物品の所在を、屋内のみならず屋外(たとえばお客様先)で知る方法はありますか?また、屋内測位に関するデバイスはありますか?
A. 小さな物品の場合、電源の確保ならびに位置情報を発信するセンサーのサイズという2点の課題が考えられますが、これらを解決するアイデアとしては近距離無線通信である RFID や BLE(Bluetooth Low Energy) を位置情報の発信源として測位する方法が考えられます。RFID や BLE の受信側(一般的にはゲートウェイと呼ばれるデバイス)に SORACOM Air を搭載しクラウドと通信する構成です。実例としては2019年の年次カンファレンス “SORACOM Discovery 2019” では、会場内における部屋別の人数カウントに RFID を利用し、受信機からの情報を SORACOM Lagoon で可視化する取り組みを行っています。その時の様子はこちらのブログや、RFID 実証実験結果のページをご覧ください。物品が直接位置情報を発信する構成はシンプルかつ設置場所を選ぶ必要が無いメリットがあります。一方、ゲートウェイデバイスを用いる間接的な手法は、位置を測位したい場所(たとえば自社とお客様先の両方)にデバイス設置する手間がありますが、GPSのように測位衛星との通信が不要となることから屋内でもご利用いただけるメリットもあるため、位置情報管理を行いたい物品の利用シーンや必要な精度からご検討ください。
Q. 動態管理について、おおよその費用感を教えていただけますか?
A. SORACOM は使ったら使っただけの従量制となっているため、費用は通信の頻度によって大きく変動します。「どのくらいの頻度であれば役立つデータとなるか」をまずご確認ください。例えば「荷物の受け取り準備を前もって行うために、輸送コンテナの位置が知りたい」といった場合は、受け取りステーション近辺における自動車の平均時速から逆算するといった形です。あとはデバイスからの1回あたりのデータ送信サイズが判明すればおおよそのデータ量が判明します。
SORACOM の日本国内における通信 特定地域向け IoT SIM plan-D は10円/日の基本料金に加え、0.2~円/MBという価格ですので、仮に1日当たり3MBを送信するとなった場合は1日当たりの費用は10.6円 (月に換算すると318円)が1回線当たりの金額となります。
データ量からのお見積りは料金見積もりツールをお使いください。またデバイスからのデータサイズはデバイスメーカーにお問い合わせください。
※金額はすべて税別です
Q. 屋外に置いて数百メートルも位置測位がずれている感じはしません。今やスマホのマップでもかなり正確に自分の位置が表示されます。それはどう考えたら良いでしょうか?
A. スマートフォンには A-GPS(Assisted GPS)という、GNSS(位置情報)だけでなくセルラー通信やWi-Fi、Bluetooth といった別の電波からのデータを総じて位置情報を算出する仕組みが搭載されており、このため高精度な位置情報が測位できています。セッションでもご紹介しておりますので動画をご覧ください。
Q. LTE等の通信規格の話がございましたが、5G規格への対応予定はありますか?もしある場合は、いつ頃の実装を予定しているでしょうか?
A. 次世代の無線通信インフラとして期待されている第5世代移動通信システム「5G」については、ソラコムとしては2019年7月に開催された SORACOM Discovery 2019にてKDDI と共同でエンドユーザーに近い基地局側に処理能力を持たせるMEC(モバイルエッジコンピューティング)の実証を行ったりと、5G時代に向けた歩みを進めています。
一方で IoT のユースケースでは、すでにサービスされている LTE 通信や Sigfox 等の LPWA 通信でも必要十分なケースも多くあるため、5Gを待たずとも「今すぐできる IoT」として、皆さんにお届けできるようにプラットフォーマーとしてこれからもサービス拡充をしてまいります。
いかがでしたでしょうか。ソラコムでは、今後もお客様のIoTビジネス活用に役立つテーマでオンラインセミナーを開催していきます。
イベント情報はこちら
導入に関するご質問、ご相談がありましたら、平日毎日開催している個別相談会で承ります。ウェブ会議で実施しますので、お気軽にお申し込みください。
また、来る7月14日(火)には、当社主催の日本最大級のIoTカンファレンス『SORACOM Discovery 2020 ONLINE』を開催します。今年はテーマを「世界が変わる。自分も変わる。」と題し、Mobility Technologies様、星野リゾート様、三菱重工業様、クックパッド様、ソースネクスト様などテクノロジーでアイディアを形にするIoT先駆者の皆様にご登壇いただきます。様々な全国どこからでもご視聴いただけるこの機会に是非ご参加ください。