ども、ソリューションアーキテクトのtakiponeです。
SORACOM では「IoTのつなぐを簡単に」を実現するため、様々なサービスやデバイスを利用しやすい形で提供しています。ソラコムで販売している「リファレンスデバイス」もその一環でして、USB ポートに挿して利用可能なモデムデバイスや、マイコン搭載のプロトタイピングデバイスを1台/1個からご利用いただけます。
今回ご紹介するリファンレンスデバイスは、「有線/無線 LAN 機器の IoT デバイス化」を実現する産業用 LTE Wi-Fi ルーター Teltonika※ RUT240です。(※「テルトニカ」と読みます。)
Teltonika RUT240は有線 LAN ポートと Wi-Fi に加え、2G/3G/LTE モデムを搭載したルーターです。コンパクトなメタル筐体が採用されており、動作温度は -40℃~75℃ と幅広い環境でご利用いただけることから「産業用 LTE Wi-Fiルーター」と位置付けています。すでに米国での実績があり、日本でも利用したいというご要望にお応えした製品です。
Teltonika RUT240 は、工場や倉庫といった現場の「USB ポートが利用できないけれど機器の IoT 化を行いたい!」といった時に役立つルーターとなっています。
セットアップ
それでは、SORACOM 特定地域向け IoT SIMの plan-D でLTE接続するまでの手順をご紹介します。
箱から取り出し、まずは添付のアンテナ3本を本体に取り付けましょう(プリントされているラベルと筐体のアンテナ端子上のラベルが対応します)。
続いて、同梱のSIMピンなどでSIMトレイ横のスイッチを押してSIMトレイを取り出し、SORACOM IoT SIMを端子面を上にしてトレイにセットします。対応するSIMサイズは標準です。
トレイを本体に戻します。
ACアダプタを接続すれば電源が入ります。筐体のインジケータでモバイル接続の種類(2G/3G/4G)や電波状況が見られます。起動時はこれらが周期的に点滅するので落ち着くまでしばらく待ちます。
続いてWi-Fiもしくは有線LANで接続し、Web管理画面にアクセスして初期設定を行います(Wi-FiのSSID/パスワードは筐体裏面に記載されています)。Webブラウザを起動し 192.168.1.1
にアクセスしましょう。ログイン画面が表示されたら以下の初期ユーザー設定でログインします。
- ユーザー名 :
admin
- パスワード :
admin01
パスワードの変更が促されるので、任意のパスワードに変更しましょう。
続いて初期設定ウィザードが表示されます。タイムゾーンなど適切な設定に変更しましょう。LTE接続の設定画面では、初期設定で Auto APN
(APN自動設定)が有効になっています。 SORACOM IoT SIM(plan01sなど)の場合は、こちらの自動設定によってAPNが自動で設定されるため便利です。一方でplan-Dなど特定地域向けIoT SIMではAPNの手動設定が必要なのでチェックをオフにします。
APNを -- custom --
変更しつつ、他のデフォルト値はそのままに こちらに記載されている Custom APN と関連項目を入力してウィザードを進めましょう。
他の項目は必要に応じて設定ください。なお、 Wi-Fi を利用する場合に WiFi Configuration の Country Code の一覧には JP (日本)がありませんが、日本で使用する場合は初期値の 00 - World
を選択すれば問題無いと製造元に確認済です。
ウィザードを完了したら、PCからインターネットに接続できること、Web管理画面のステータスでLTEに接続していることを確認します。
Overview画面の [Mobile] – [Data connection] が接続時間の表示であれば、正常に接続できています(接続に失敗する場合は Disconnected
という表示です)。
また、日本語表示にも対応していますので、必要に応じて [System] – [Administration] – [Language Settings] から「日本語」を選択します。
SORACOM の対応サービスとその他の特徴
Teltonika RUT240 は主要3キャリアのLTE周波数帯に対応しており、以下のSORACOM IoT SIMでお使いいただくことができます。
- plan-D
- plan-DU
- plan-K
- plan01s ※
- plan01s-LDV
※ サブスクリプションコンテナの追加で planX1 、 planP1 も利用可能
SORACOM Napter と RUT240 のPort Forwarding 機能を組み合わせローカルネットワークの機器にインターネットからリモートアクセスできるほか、 Remote HTTP access 機能を有効にすることでルーターの WebUI にリモートアクセスすることも可能です。
また、RUT240 には構成項目を変更したカスタムファームウェアの作成とインポートのためのSDKも用意されています。そういった情報は公式のナレッジベースにまとまっているので、ぜひ参照してみてください。
購入方法
SORACOM IoT ストアおよびユーザーコンソールより、1台からご購入可能です。
https://soracom.jp/products/industrial_devices/teltonika-rut240/
まとめ
産業用 LTE WiFi ルーターの Teltonika RUT240 の販売開始をお知らせしました。より高度な機能や保守が必要な場合は、 SORACOM のデバイスパートナーが提供している SORACOM 認定デバイスという選択肢もありますので、Teltonika RUT240 で現場の IoT 化を始めてみてはいかがでしょうか。