こんにちは、ソラコムの松下(ニックネーム: Max)です。
後付けセンサーとクラウド上の機械学習で産業機器の予知保全を実現する、Amazon Web Services(以下、AWS)のサービス「Amazon Monitron(モニトロン)」の導入や活用に役立つ情報をまとめました。
Amazon Monitron とは?
Amazon Monitronは、AWS(Amazon Web Services) が提供する「産業機器向け予知保全サービス」です。
設定値や機械学習による判定を行うクラウドに加えて、センサーやゲートウェイ(中継器)といったハードウェア、そして現場での管理用スマートフォンアプリが一度に揃います。
加速度を内蔵しているセンサーをモーターやコンプレッサーといった産業用機器に直接取り付けて振動を計測し、機械振動に関する国際規格「ISO 20816」と機械学習モデルで評価することで異常を検出できます。
このサービスのメリットは、センサーが後付けできることから、新規だけでなく既存の産業機械を対象にした予知保全を始められることにあります。
Amazon Monitron の概要を知りたい
Amazon Monitron の全体像や概要を知りたい時に使える資料です。
- なぜ Amazon Monitron なのですか? (産業用機械学習サービス – Amazon Monitron – AWS より)
- Amazon Monitron Part 1 (基本編) AWS Black Belt シリーズ 【動画とPDF】
予知保全の効果や、従来の保全業務との違いとは
保全業務の目的そのものや、予知保全が従来の時間計画型や状態監視型とどのように異なるのかを解説した資料です。
事例を知りたい
Amazon Monitron は元々、Amazon フルフィルメントセンター(Amazonの倉庫)の困りごとを解決するために開発されたものです。さらなる事例をお探しの方は、以下も併せてご覧ください。
- Baxter、Amazon Monitron を活用した予知保全で業務効率を向上 ― AWS お客様事例より
- 北海道ガス、「予知保全はできるのか?Amazon Monitronによるガス火力発電所の機器監視」 ― 2024/3/2 JAWS DAYS 2024 より
センサー仕様や導入手順など、実務面を知りたい
Amazon Monitron の導入を検討する際に必要な仕様や実務面で参考となる資料です。
- Amazon Monitron Part 2 (設定編) AWS Black Belt シリーズ 【動画とPDF】 ― ハードウェアの購入からAWSアカウントの設定、センサーの設置やゲートウェイ設定に、スマートフォンアプリでデータを閲覧するところまでが解説されています。
- Amazon Monitron 技術仕様 ― センサー、ゲートウェイのハードウェア仕様が記載されています。
- Amazon Monitron ゲートウェイ <-> AWS間のネットワーク要件 ― ネットワークの制約や使用プロトコル/ポート等が記載されています。
Amazon Monitron ゲートウェイとAWS間の通信は Wi-Fi や有線 LAN といった、既設のネットワークを使うことが前提となっています。一方でネットワークが無い環境、または既設のネットワークの利用が困難な場合もあります。Amazon Monitron の通信に LTE(スマートフォンで利用されている通信)を利用する方法もあります。この構成を実現するには LTE ルーター、そして SIM をご用意ください。
ソラコムから提供している「SORACOM セルラーパック for Amazon Moniron」は、この構成が一度に揃うパッケージです。
Amazon Monitron による通信量や費用はこちらをご覧ください。
Amazon Monitron の FAQ(よくある質問と回答)
- Amazon Monitron のよくある質問
- 機械振動の測定と評価規格「ISO 20816」とは? ― Amazon Monitron の判定基準の1つ、ISO 20816 の解説記事です。
- 上記2つ以外にもQ&Aを掲載しています
AWS上でのアーキテクチャー作りで役立つ資料
Amazon Monitron の測定データはスマートフォンアプリ以外にも、各種AWSサービスで利用できます。その際に使えるアーキテクチャー作りに役立つ資料です。
- Amazon Monitron Part 3 (サービス連携編) AWS Black Belt シリーズ 【動画とPDF】 ― Amazon Monitron のデータを他のシステムで利用する際の基本的な考え方を解説しています。
- Amazon Kinesis Data Streamsのデータストリームを、リソースベースポリシーで他のAWSアカウントと共有する方法 ― Amazon Monitron のライブデータエクスポートで利用するサービス「Amazon Kinesis Data Streams」のデータを他のAWSアカウント(AWS Lambda)で扱う具体的な手順を解説しています。
- インターネットを介さずに、閉域でAmazon Monitronを利用する方法 ― Amazon Monitron の通信を、AWS内部で完結させる閉域網利用の考え方や方法を解説しています。
購入方法を知りたい
Amazon Monitron はオンラインでお求めいただけます。
最小構成は「Amazon Monitron センサー」と「Amazon Monitron ゲートウェイ」、そして「ゲートウェイ用の電源」です。
- Amazon Monitron センサー(5個入り) (Amazon.co.jp より) センサーの追加購入もこれで行えます
- Amazon Monitron ゲートウェイ (どちらか1つを準備)
- Wi-Fi タイプ (Amazon.co.jp より)
- イーサネット(有線 LAN)タイプ (Amazon.co.jp より)
Amazon Monitron のゲートウェイは、電源が別売りです
- Wi-Fi タイプは AC アダプターです。Wi-Fi タイプ の商品ページのカートボタンの下「アクセサリー」一覧から購入してください。
- イーサネットタイプは PoE(Power over Ethernet)です。PoE インジェクターをご用意ください(例: サンワサプライ社 LAN-GIHINJ2)。
SORACOM セルラーパック for Amazon Monitron には LTE ルーターや SIM に加えて、センサー(5個)、イーサネットタイプのゲートウェイ、動作確認済みのPoEインジェクター、センサー設置用の接着剤がパッケージされており、すぐご利用いただける環境が揃います。
Amazon Monitron の現物を確認したい
ソラコムが出展する展示会で現物展示をすることがあります。
出展スケジュールはこちらでご覧ください。(Amazon Monitron の展示を行わない場合もあります、ご容赦ください)
継続的な最新情報の入手方法
Amazon Monitron に限らずAWSの各サービスは常にアップデートしています。最新情報をキャッチアップする情報源がこちらです。
- What’s New with AWS? ― 英語・日本語とありますが、英語の方が速い事が多いです。”monitron” と検索していただくと情報をフィルタ出来ます。
- Xのハッシュタグ #AmazonMonitron ― 公式ではありませんが、このハッシュタグをつけて情報発信されることが多いです。
Amazon Web Services ブログでも、アップデート情報が紹介されています。こちらのブログもチェックすることで最新情報が入手可能です。
Amazon Monitron の検討や導入時のリファレンスとしてお使いください!
― ソラコム松下 (Max)