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SORACOM LTE-M Button powered by AWS でできる事や環境の準備まとめ

新製品が発表されたら出荷までワクワクが止まらない、ソラコム 松下(max)です。

先日販売を開始しましたSORACOM LTE-M Button powered by AWS (以下、SORACOM LTE-M Button)ですが、11月初旬には出荷できるようにスタッフ一同頑張っております。お待たせして大変申し訳ありません!

【11/1 更新】 出荷を開始しました!

今回ご紹介するのは、SORACOM LTE-M Button でできる事や、ボタンを活用するための環境の準備です。
お手元に届く前に、ぜひとも終わらせてしまいましょう!

まず知っておきたい SORACOM LTE-M Button システム概要

SORACOM LTE-M Button は「どこでもボタン」を実現するデバイスです。まずはシステムの概要をあらためてご紹介します。

SORACOM LTE-M Button は LTE-M と呼ばれる、スマートフォンと同じ系統の通信を利用します。
そのため Wi-Fi のアクセスポイントといった別の機材は不要です。このボタン単体で、アクションをクラウドに通知することができます。

「クラウド」というのは、具体的には AWS が提供している AWS IoT 1-Click というサービスです。そして AWS IoT 1-Click を通じて AWS Lambda というサーバのセットアップをしなくても、イベントを基に「プログラム」を実行することができます。

prepare-lte-m / overview

この「プログラム」は Lambda 関数と呼ばれるもので、Node.js、Python、Java、C#、Go といった言語で書くことができます。(詳しくは AWS Lambda の FAQ をご覧ください)

prepare-lte-m / AWS Lambda edit console

そしてSORACOM LTE-M Button の「ボタンを押した」というイベントで AWS IoT 1-Click を通じて Lambda 関数が実行されます。 Lambda 関数の実装はかなり自由になっており、AWS の他のサービス(例えば Amazon S3 とか)を読み書きすることはもちろん可能ですし、HTTP Client ライブラリを使って他の SaaS サービスや、業務システムとの連携も可能です。

SORACOM LTE-M Button でできること

SORACOM LTE-M Button には電源ボタンがありません。電池を入れるだけで自動的に電源 ON になり、使えるようになります。

そして SORACOM LTE-M Button に搭載されているボタンですが、このボタンには3つのアクションが割り当てられています。

  • シングルクリック (1 回押し)
  • ダブルクリック (カチカチッと、2 回押し)
  • 長押し (3 秒程度の長押し)

アクションは AWS Lambda に引き渡される JSON の deviceEvent.buttonClicked.clickType にそれぞれ SINGLE DOUBLE LONG という文字が設定されるため、これを使って Lambda 関数内で振り分けることが可能です。

システム設計をするにあたり知っておいた方が良い事

ここからは、システム設計をするにあたり知っておいた方が良い事をご紹介します。

形や重さ、防水・防塵への対応について

形や重さは SORACOM LTE-M Button powered by AWS の商品ページ に記載されていますのでご覧ください。比較できるものとしては、ミントのお菓子ケースをちょっと長くした程度のサイズで、重さは電池込みでLサイズの卵1つ分くらいになります。ストラップを付けるフックもあるうえに 、体に密着して使う事の出来る規格「SAR コンプライアンス」対応ですので、首から下げて使っても大丈夫ですが、防水・防塵対応はされていないので注意が必要かもしれません。

通信エリアの確認

SORACOM LTE-M Button は、その名の通り “LTE-M” という通信を利用しています。LTE-M 部分は KDDI IoT 通信サービス LPWA を利用しており、全国で利用することが可能です。
LTE を利用した通信ではありますが、スマートフォンで利用できる範囲とは異なりますので利用可能な通信エリアをエリア検索のページでご確認ください。

省電力を実現するためにタイムラグについて

SORACOM LTE-M Button はボタンが押されてから Lambda 関数が実行されるまでのタイムラグがあります。概ね 10秒 ~ 15秒ほどです。(電波状況によってもっと時間がかかる場合があります)
これは SORACOM LTE-M が「ボタンが押されてから LTE-M 通信を確立してデータを送信する(送信し終わったら通信を切断する)」という設計によるもので、これにより乾電池で動くレベルの省電力化を実現しています。
また、データの送信中状況や送信の成否は LED によってわかるようになっています。

外部インターフェイスの有無

SORACOM LTE-M Button が搭載している機能はボタンのみとなっており、省電力を実現するために外部インターフェイスがありません。
そのため、例えば温湿度センサーや GPS による位置測位と組み合わせたい場合は、他の方法を検討する必要があります。また、基地局を基にした位置測位 にも現時点では未対応となっています。
このあたりのご要望は是非ともお問合せください!

10個を超えて買いたい!

10/17の発売開始から、とても多くのご注文をいただいているのですが、その中でも「10個を超えて買いたい!」というご要望を多くいただいておりますが 実はすでに10個を超えてご購入いただくことができます

SORACOM ユーザーコンソールの発注画面にはキャンペーン価格の SORACOM LTE-M Button がありますが、それとは別に通常価格の SORACOM LTE-M Button をご用意しております。11台以上ご注文される場合は、通常価格の SORACOM LTE-M Button をお選びください。
(11台以上については通常価格となりますのでご注意ください)

SORACOM LTE-M Button が届くまでに確認していただきたい「チェックリスト」

SORACOM LTE-M Button がお手元に届いたらすぐ使いたいと思います。いくつか準備が必要ですので、以下のチェックリストを確認し、不足があれば用意しましょう。

  1. SORACOM アカウントの用意
  2. AWS アカウントの用意
  3. Lambda 関数の開発練習
  4. 座して待つ

SORACOM アカウントの用意

すでに SORACOM LTE-M Button を購入された方は、SORACOM アカウントをお持ちですので次のチェックに進みます。

一方、まだお持ちでない方は 登録無料/オンラインで作成可能な SORACOM アカウント が必要となりますのでお作りください。

また、これは SORACOM LTE-M Button が届いた後の話になりますが、 SORACOM LTE-M Button を SORACOM アカウントに紐付けることで、ボタンの残クリック数 、残契約期間、最後にボタンを押した時間 といった運用に必要な情報が得られるようになる他、契約の自動更新もされるようになり、管理の手間が軽減されます。

ボタンが到着したら、ぜひご登録ください!

AWS アカウントの用意

SORACOM LTE-M Button は、ボタンを押したイベントが AWS IoT 1-Click に通知されます。逆に言えば、受け側の AWS の仕組みが無いと何もできませんので、AWS のアカウントをご用意ください。

AWS のアカウントをお持ちでない方は「AWS アカウントを作成」 よりアカウントをお作りください。

AWS アカウントをお持ちの方で、企業で割り当てられている ID (IAM など) を使っている場合は、ポリシー(権限)が付与されているかを AWS IoT 1-Click に対する認証とアクセスコントロール 等を参考にしながら確認してください。
また、AWS Lambda や、Lambda 関数から先のサービスに対する権限についても同様確認いただければと思います。

Lambda 関数の開発練習

AWS Lambda を学ぶことで SORACOM LTE-M Button の可能性を広げていくことができます。

AWS Lambda に初めて触れる方には AWS が公開している “10 分間チュートリアル” の “Hello, World!” をサーバーレスで実行するがおすすめです。
このチュートリアルは SORACOM LTE-M Button が無くとも行えますので、ボタンの到着前に一度はやってみるのが良いかと思います。

AWS IoT 1-Click の「SMS を送信する」「E メールの送信」の実体

AWS IoT 1-Click 上で設定を進めていくと、ボタンが発生したイベントに対応するアクションを設定する画面が表示されます。

このうち「SMS を送信する」「E メールの送信」の2つの実体は Lambda 関数の自動生成になります。(AWS Lambda の管理画面を見ると iot1click_onclick_~~~ という関数が作られているのがわかります。見つからない場合はリージョンをオレゴンや東京に切り替えてみてください)

prepare-lte-m / 1-Click-default-actions

ここで自動生成された Lambda 関数は、編集して本文やアクションに応じた内容をカスタマイズできるようになりますし、もちろんゼロから Lambda 関数を作ることも可能です!

座して待つ

ここまで来たら、座してお待ちください。
11月初旬、出荷のご案内を心待ちにしていただければと思います。

おわりに

私もワクワクしながら、座して待っております!
より詳細な開発ガイドも準備しておりますので、そちらもご期待ください。

ソラコム 松下(max)