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WindowsやRaspberry Piに対応した、LTE通信モデム「SORACOM Onyx LTE USBドングル」を提供開始

みなさんこんにちは。IoTデバイスが大好きな、ソラコムの松下 (ニックネーム: Max) です。

本日(3/2)より、LTE対応USBドングル型モデム「SORACOM Onyx LTE USBドングル」の提供を開始しました。ここでは、特徴や使い方などをご案内いたします。

SORACOM Onyx LTE USBドングル

SORACOM Onyx LTE USBドングルの概要と利用シーン

「SORACOM Onyx LTE USBドングル」 (以下、Onyx (読みはオニキス)) は、パソコン等でLTE通信ができるようになるUSBアダプタです。
Onyxを使うことで、Wi-Fiや有線LANといった通信環境が無い現場や外出先からでもインターネットを通じてクラウドを利用できたり、SORACOMサービスとの組み合わせでセキュアなリモートアクセスができます。

このような特徴から、Raspberry Pi といった小型コンピュータに取り付けてセンサーデータをクラウドで活用したり、LTEの高速通信を活かしたリモートデスクトップによる現場のパソコンの操作といったシーンにご利用いただけます。

OnyxをRaspberry Piやパソコンに取り付けている様子

SORACOM Onyx LTE USBドングルの使い方

OnyxはUSBポートに直接挿して使います。アンテナを内蔵しており、電源はUSBポートの電力を使用します。あとはOnyxにSIMを入れていただくことで、LTE通信が開始できます。
サポートOSは Windows と Linux(含 Raspberry Pi OS)となっています。OnyxにはSIMは添付されないため、SIMをお持ちでない場合は同時にお求めください。

各OSでのセットアップ方法や、SIMの取り付け方は Getting Started / Onyx で SORACOM Air を使用する をご覧ください。

Onyxが対応しているSIM(サブスクリプション)とサイズ

Onyxが対応しているSIM(サブスクリプション)は以下の7つです。

  • SORACOM 特定地域向け IoT SIM
    • plan-D (日本国内向け / NTTドコモ回線)
    • plan-K (日本国内向け / KDDI LTE回線)
    • plan-DU (日本国内、大容量アップロード向け / NTTドコモ回線)
  • SORACOM IoT SIM
    • plan01s (世界140の国と地域で利用可能 / 日本国内ではNTTドコモ回線)
    • plan01s-LDV (月額 約45円で利用可能な少容量向け / 日本国内ではNTTドコモ回線)
    • planP1 (APACで有利となる料金 / 日本国内ではSoftbank 3G/LTE回線)
    • planX1 (日本国内での利用で有利な料金 / 日本国内ではKDDI LTE回線)

それぞれ特徴がありますが、まず日本国内でお使いいただくのであればSORACOM 特定地域向け IoT SIM / plan-D のSMS無し(データ通信のみ)が、費用面でおすすめです。

共通の注意点は、Onyxが対応しているSIMのサイズは「ナノ」となります。お求めの際には必ず確認ください。
なお、SORACOM IoT SIMは “3 in 1” というサイズとなり、これにはナノサイズが含まれています。

Onyxの価格、ご注文方法

本日から提供開始となったOnyxは、商品ページもしくは SORACOMユーザーコンソールの “発注メニュー” からご注文いただけます。

価格は以下の通りです。

オンラインで1つからご購入いただけます!

IoTデータ通信 “SORACOM Air” をもっと活用できる設定やサービス

Onyxで利用できるIoTデータ通信サービス “SORACOM Air for セルラー” は、これだけでも便利ですが、SORACOM Airの設定や、他のSORACOMサービスと組み合わせることで、より便利・安全にに活用いただけるので、ご紹介します。

SIMに名前やタグを割り当てて、通信量や費用の内訳をわかりやすく

SIMの管理が行えるSORACOM ユーザーコンソールでは、SIMに名前やタグ(管理情報)を自由に割り当てることができます。この情報を付けることで通信料金の確認の際に、Onyxがどの程度利用したのかをすぐに確認いただくことができます。
企業でお使いいただく際に、特に有用な情報となりますので設定する事をお薦めします。

SIMへの「名前」や「タグ」を割り当て

名前・タグの設定方法は IoT SIM の名前を設定するIoT SIM に付加情報 (タグ) を設定する をご覧ください。
また、設定した名前・タグと課金情報の関係は 課金詳細情報CSV / CSVファイルの構造 をご覧ください。

名前・タグの設定機能は、無料でお使いいただけます!

通信量に応じたアクションを設定して、使いすぎを通知する

SORACOMは従量課金です。そのため「使い過ぎないか心配」「予算を超えないようにしたい」といったお声をいただくことがあります。SORACOM Air 監視機能は、こういった課題を解決する機能です。

この監視機能を利用することで、通信事業者のような「月間2GBプラン」を自分で設定いただけます。以下の図は、このような設定をSORACOMユーザーコンソールで設定している様子です。

  • 通信量が68MB/日を超えたら、メールで通知 (68MB/日 = 2048MB/月)
  • 通信量が2GB/月を超えたら、メールで通知 + 通信速度を一番遅い速度へ制限
自分だけの「月間2GBプラン」を、SORACOM Air 監視機能で設定

監視機能の設定方法は IoT SIM のデータ通信量を監視する (従来の SIM 管理画面で作成する) をご覧ください。
また、イベントハンドラ機能を利用すれば、より高度な設定も行えます。イベントハンドラ機能も併せてご確認ください。

監視機能とイベントハンドラ機能は、共に無料でお使いいただけます!

Onyxで通信している機器の大まかな位置を知る

位置情報というのは、一般的にはGPSによって取得するものですが、SORACOMプラットフォームではSORACOM Airによる通信をしているデバイスの “おおまかな位置” を知ることができます。これは通信時のセルラーネットワークの基地局の位置を基にしており、デバイスにGPSモジュールが無くとも位置情報を得ることができるのです。

この機能を利用することで、例えば機器の設置先の把握などに利用いただけます。

位置情報はSORACOMユーザーコンソールのSIM管理画面の下部に表示されている他、APIでも取得できます。

SIMのおおまかな位置情報をSORACOMユーザーコンソールで確認

機能の詳細や精度、利用に関する注意事項は ユーザーコンソールの地図情報でSIMの詳細を確認できるようになりました! 並びに 基地局の位置情報を取得できる API を公開しました! をご覧ください。

位置情報は、無料でご覧いただくことができます!

Onyxに取り付けたSIMが転用されても通信ができないようする

SORACOMのIoT SIMはIoT機器だけでなく、スマートフォン等でもご利用いただけます。そのため、Onyxに取り付けたSIMを抜き出して、他の機器で使用することも可能です。
IMEIロック機能は、SIMから利用できる通信機器(モデム)を固定する機能です。

この機能を利用することで、例えば、現場のパソコンに挿してあるOnyxからSIMを取り出して、スマートフォンで通信するといった目的外の利用を防止できます。

IMEIロックの設定画面

Onyx等のモデムには世界でユニークなID “IMEI” が設定されています。IMEIロック機能とは、SIMからの通信時に使われているIMEIが、あらかじめ設定したIMEIと一致した時のみ通信を可能とする機能です。IMEIは通信機器の本体で確認できる他、SORACOMユーザーコンソール上でもセッション詳細(ログ)で確認いただけます。IMEIロック機能の使い方は IoT SIM に IMEI ロックを設定する をご覧ください。
また、IMEIロック機能で設定したモデムとは異なる通信を、ログやイベントハンドラ機能で知ることができます。こちらの機能は IoTデバイスの不正利用リスクに対応する SORACOM Air の IMEI ロック機能がエラーログに対応しました! と、IoTデバイスの不正利用リスクの検知を容易に!SORACOM Air の IMEI ロック機能がイベントハンドラーに対応しました! をご覧ください。

IMEIロック機能は、無料でお使いいただけます!

Onyxを取り付けたパソコンに、遠隔からセキュアにアクセスする

SORACOM Airを利用しているデバイスは、3G/LTEといったセルラーネットワークの閉域網、そしてSORACOMプラットフォームによってインターネットから保護されます。
このような堅牢なセキュリティを維持したまま、インターネット側からOnyxを取り付けたパソコンへ、セキュアにアクセスできるサービスが「オンデマンド リモートアクセス SORACOM Napter」です。

SORACOM Napterを利用することで、リモートデスクトップやSSH、VNCといった遠隔制御で利用されているツールや、TCPアプリケーションによるリモートアクセスが可能です。

OnyxとSORACOM Napterの組み合わせでセキュアなリモートアクセス

具体的な方法は SORACOMをリモートアクセスに活用するアーキテクチャー例 をご覧ください。
また、SORACOM Napterの費用については こちら をご覧ください。SORACOM Napterは無料利用枠がありますので、お気軽にお試しいただけます!

OnyxとSORACOM NapterによるリモートデスクトップのIoTレシピを公開

ソラコムでは、IoTで解決したいことや実現したいことを「SORACOM IoT DIY レシピ」として無償公開しており、即戦力のIoTの活用やシステム構築を行っていただけます。

Onyxの提供開始に伴い、リモートデスクトップのIoTレシピを公開しました。Onyxとパソコンの組み合わせで始められます、是非お試しください!

おわりに ~ Onyxの解説イベントのご案内

今回ご紹介した「SORACOM Onyx LTE USBドングル」は、USBポートを持つWindowsパソコンやLinuxシステムを手軽にIoT化する方法の1つとなります。

この「IoT化の方法」の勉強会が 3/17 開催の「SORACOM Device Meetup」 です。

3/17の SORACOM Device Meetupは「ラズパイやJetsonで使えるIoT通信」と題して、小型のコンピュータのIoT化の方法を学びます。Onyxの紹介や便利な活用法に加え、USBドングル型モデムの種類や、Raspberry Pi等に直接取り付けることができる通信ボードの解説を通じて、IoT化の選択肢や知見を共有するイベントです。

是非ご参加ください!

  • SORACOM Device Meetup #2 ~ラズパイやJetsonで使えるIoT通信~
    • 日時:3月17日(水) 19:00~21:00 (懇親会21:30まで)
    • 参加方法:Zoom (ご登録いただくとイベント当日に接続情報をご案内いたします)
    • 参加費:無料
    • ご参加方法:IT勉強会・イベントサイト 「connpass」 の SORACOM Device Meetup #2 のページでご登録ください

― ソラコム “Max” 松下 / Twitterやってます、フォローはお気軽に!