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わずか1ヶ月、食品物流におけるHACCP対応をスピード導入できた理由とは?

こんにちは、ソラコムのパートナーマーケティング 小出です。
IoTプロジェクトを進めようとした際に「プロに相談したい」と感じたことはないでしょうか?

ソラコムにはIoTのプロが集う「SORACOMパートナースペース(略称: SPS)」というパートナープログラムがあり、IoT向けソリューションや、地域ビジネス活性を支えるパートナーに数多く参画いただいています。このSPSは、IoTビジネスの機会を拡大する場として、主にIoTでお困りのお客様へデバイスやソリューションを提供する仕組みですが、時にはSPSのパートナー同士の連携もあります。

本日は、SPSの「認定済ソリューションパートナー」である株式会社ハピクロ(本社:福岡県)の食品配送物流におけるHACCP対応の事例について、代表の中田様へのインタビューの内容を交えてご紹介します。
この事例では、同じくSPSの「認定済デバイスパートナー」であるラトックシステム株式会社(本社:大阪府)のCO2環境センサーが活用されており、まさに「SPSを通じてパートナー同士が協力して新たな価値を提供」された事例です。

取り組みの内容にとどまらず、サービス開発の経緯やユーザー課題にたどり着いたいきさつなど、IoTプロジェクトに取り組む企業の皆様にも興味深い内容となっておりますのでぜひご覧ください。

SORACOMパートナースペースの「認定済パートナー」とは?

IoTシステムにおいては、センサー、デバイス、通信、セキュリティ、クラウド、アプリケーションと複数の専門領域にまたがったシステム構築が必要となります。国内最大級のIoTパートナープログラム「SORACOMパートナースペース(SPS)」では、IoTに特化したデバイスやテクノロジー、ソリューション、インテグレーションの各分野においてSORACOM活用実績があるパートナーを「認定済パートナー」としてご紹介し、安心して相談いただける環境を提供しています。

ハピクロのHACCPサポートソリューション「HACCPPy」とは?

食の安全を管理する「HACCP」は、すべての食品等事業者が取り組む制度として2021年6月より義務化されています。

そのような中、「HACCPPy (ハサッピー)」とは、HACCPの専門家である(公財)北九州生活科学センターの監修のもと開発したHACCP対応業務の効率化サポートサービスで、温度・湿度・CO2濃度など各種センサー情報の自動収集と記録を一括で行うことにより、煩雑なHACCP関連の計画・記録作成・管理を自動化し、ペーパーレス化を実現するとともに、コロナ対策の標準化・省力化を行うことができるものです。ソラコムは、このサービスにおいてゲートウェイからクラウドへのデータ送信部分のIoT通信を提供しています。

HACCPPyについて:https://haccppy.net/

食品衛生管理への関心から、ソリューション化を決意

ソラコム:「HACCPPy」の開発の経緯と特徴を教えてください。

ハピクロ 中田氏 (以下、中田氏):きっかけは、2018年の食品衛生法改正においてHACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理が義務化されたことです。HACCPのチェック項目は多岐にわたるうえ、定期的なチェックとその記録が必要なのですが、恒常的な人手不足の飲食業および食品製造業では対応が難しい場合もあります。ましてや、コロナの影響によって売上も減少している多くの事業者さんもおり、その助けになるようなサービスを作りたいと思いました。

また、もともとハピクロは、自社の保育園運営で給食調理を行っており、食品衛生管理・安全性の確保は自社の課題でもありました。それが、より実情に即したサービスを作れたことにもつながっています。

「HACCPPy」の特徴としては、HACCPで必要とされる機能がワンストップで導入できること、SaaS型で様々なデバイスに対応しており利用開始がしやすいこと、センサーでデータをとるだけでなくメールや電話でのアラート機能があること、などがあります。

たった1ヶ月で導入、冷蔵品輸送へのHACCPPy導入の経緯

ソラコム:数多くあるHACCP対応のサービスの中でも、同じユーザー目線で必要な機能を開発されているハピクロにお願いすれば一気に様々な課題が解決できる、というところが、ユーザーの心をつかんだのでしょうね。そんな中、導入事例として発表された株式会社ロジカム様には、どのような経緯で導入が決まったのでしょうか?

中田氏:(ハピクロ社と)同じ福岡県の軽貨物運送事業であるロジカム様とは、地域のスタートアップ支援イベントで知り合いました。お話をさせていただくと、既存の物流業における差別化戦略として衛生管理のニーズがあったため、「HACCPPy」をご紹介したところマッチするということで、とんとん拍子に話が進みました。

すでにお持ちだった倉庫についての温度管理の仕組みを、ピッキングや小分け梱包を行う作業エリアまで拡大するとともに、HACCP対応のチェックまでを自動化・集中管理するところまで、導入決定から1か月程度の短期間で成功しました。

迅速な導入の鍵は、SPSパートナー同士の協業

ソラコム:1か月というのは驚異的なスピードですね!「HACCPPy」が、それだけ現場のニーズを的確に把握し、完成度が高かったということですね。そして今回は、SPSの「認定済デバイスパートナー」ラトックシステム社の環境センサーを利用していると伺いました。どういったきっかけで同社のセンサーを選んだのでしょうか?

中田氏:2020年から「HACCPPy」の開発を始めたのですが、当初からさまざまなセンサーを試して、それぞれのお客様のシチュエーション、ニーズに合ったものを提案できる体制を整えています。そのため、常にさまざまなIoTデバイスの情報収集を行っていたのですが、実はソラコムが提供しているCO2センサーのスターターキットを通じて知りました。実際に使ってみると、電源を挿せばすぐに設置できること、またデータ通信もソラコムのIoTレシピ(無料の手順書)通りに簡単にできることで非常に使い勝手がよく、積極的に活用させていただいています。

ソラコム:スターターキットやIoTレシピをご活用いただけたということ、ソラコムとしても非常にうれしい限りです。最後に、今回の「HACCPPy」は食品物流事業者向けのサービスですが、今後、ビジネスを広げていきたい分野はありますか?

中田氏:今後とも、食品関連事業に軸足を置いていくつもりですが、次に挑戦したいのは、「生産」の現場です。例えば、食品製造業では大量生産のために大型の製造機械が使われていますが、このような機器の温度管理など、衛生管理から一歩すすんで生産管理までカバーできるサービスを提供することで、さらに食品製造業のDXに貢献していきたいと思っています。

ソラコム:すでにお持ちの強みを活かして、事業分野をさらに広げていかれるのですね。ソラコムもぜひご協力させていただきたいのですが、今後ソラコムやSPSに期待することはありますか?

中田氏:今回のラトックシステムのように、自社では探しきれないデバイスやサービスについての情報やマッチングを期待できるのがSPSだと思っています。新しい分野での事業を考えるときに、その業界に詳しいパートナーさんと協業できると非常に心強く、そのようなマッチングの場を引き続き期待しています。また、ソラコムのチャネルを利用したマーケティング活動も、積極的に利用させていただきたいです。

ソラコム:引き続き、パートナーの皆様のお役に立つ場をご提供できるよう頑張っていきたいと思います。本日はありがとうございました!

SPS参加のメリットとSPSへの参加方法

今回のインタビューでもお話しいただいた通り、SPSには様々なソリューションを提供しているパートナーに参画いただいています。SPSという場を通じて、引き続きパートナー同士をつなぎ、新しい価値を提供することで、IoTの広がりを支援していきたいと思っています。

まだパートナーとしてご登録いただいていない方も、SPSは随時参画企業を募集しています。登録にかかる時間は3分ほど、ぜひこちらからご申請ください。また、SPSについてより詳しくお知りになりたい方は、ぜひこちらの「IoTのパートナープログラム「SORACOMパートナースペース」に参加する3つのメリット」も参考になさってください。

今後とも、ソラコムはSPSパートナーのみなさまとともに、お客さま企業のIoT活用をサポートしてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

― ソラコム 小出