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プラットフォーマーを支える「事業開発」の仕事とは

ソラコムの事業開発(Bussiness Development、以下、BD)チームは、時には新たなデバイスの提供を発表し、時には新しいIoT SIMの料金プランを策定し、時にはデバイスやコネクティビティについてお客さまのプロジェクトにも参加するなど、八面六臂の活躍を見せています。

そんな事業開発(Bussiness Devlopment)のメンバーである、堀尾(ニックネーム: hori)と佐野(ニックネーム: daisaku)に、仕事で大事にしていることややりがい、そしてソラコムでの働き方について聞きました。

daisaku(左)とhori(右)

BDとは、事業に必要な製品やサービスを整備する仕事

まず、BDの「デバイス企画」の仕事について教えて下さい。

hori: BDの部署では、メンバーそれぞれが専門性を持って仕事を行っています。私はデバイスの企画や仕入れを担当しています。デバイスの仕入れというと、代理店やメーカーと交渉して、必要なデバイスの数、量、仕様を発注する仕事というイメージが浮かぶと思いますが、おおむね合っています。

SORACOMで特徴的なのが、デバイスの提供形態が複数あることです。
まず、SORACOM パートナースペース(以下、SPS)というパートナープログラムに参画してくださっているデバイスメーカーが提供する「SORACOM認定デバイス」、現在110以上のデバイスが登録されています。次に、ソラコムが販売する「リファレンスデバイス」、これはIoTシステム開発に役立つ標準的なデバイスをSORACOMのユーザーコンソールから1個単位で通販でご提供しているものです。

また、一般的な仕入れとは系統が異なるのが「エンジニアリングサービス」です。これは特定の案件ごとにデバイスの設計・量産をサポートするケースです。

共通しているのは、お客さまのユースケースを把握し、さらに今後拡げたいユースケースを予測しながら、必要となるデバイスのポートフォリオを描いて、どのようにラインアップをそろえるかを判断しながら進めていく点です。

BDの「コネクティビティ」とはどのような仕事を行うのですか?

daisaku: 私は、主に日本国内のコネクティビティの仕入れや社内の制度整備を担当しています。デバイスに比べると、「仕入れ」のイメージがわかない方も多いと思うのですが、通信キャリア事業者から回線や帯域を仕入れ、どのようなプランでお客様に提供するのかを企画します。

現在ソラコムでは、カバレッジを拡大するため、1つの国の中でも複数のキャリアでつながるマルチキャリアを推進しています。お客さまのユースケース、用途やエリアを予測して、もっと便利にご利用いただくにはどうしたらよいのかを考え、MNO(Mobile Network Operator)やMVNO(Mobile Virtual Network Operator)が、どのような通信プラン、ローミング(通信事業者同士の提携)を持っているのかを調査し交渉していくということもBDの役割で、これも専門性を持った他のメンバーが行っています。加えて、移動体通信事業は、国によって管轄省庁や法令が違います。日本では、総務省に電気通信事業者として届け出していますので、こういった報告もBDが担当します。

プラットフォーマーだから必要な「拡張性と持続性」

多くの事をされているのがBDなんですね。一言で表現するならば、BDとはどういう位置づけでしょうか?

hori: 一言で表現するならば「ビジネスの枠組み作りで必要なことは全て実行する “開拓者”」でしょうか。お客様やパートナー様に加え、社内でもセールスやソリューションアーキテクト(SA)、マーケティングやリーガルなどさまざまな部署と関わり、ビジネス化を実現しています。

今、目の前で起こっている個別課題が解決できる製品やサービスを作る気持ちを持ちつつも、多くのお客様の課題解決「拡張性、スケール」や、未来を見据えた継続的な製品やサービスを提供「持続性、サスティナブル」も考える事が求められます。そういう意味では、バランス感覚や全体を広く見渡す視点が求められる仕事だと思います。

― 広く見渡す視点ですか

daisaku: お客様の製品やサービスでイノベーションを起こしていただくための “基盤” が、プラットフォームだと考えており、広く見渡す視点はプラットフォーマーとして重要だと感じます。求人要項にも近いことが書いてありますが「複眼的な目を持ち、ビジネスを楽しく進めたい人」という言葉がぴったりきます。

hori: 持続的、サスティナブルに提供できるための枠組みを “開拓” するのがBDですが、時にはイレギュラーな対応が求められることもあります。例えば「ユースケースとして今後の展開が見込まれるが、前例がない個別のIoTプロジェクト」に関わる場合などです。

そういう場合は、これはBDだけではなくソラコム全体に言えることですが、チーム全体で協力して解決していきます。その際、わざとバランスの一端を崩すようなやり方を選んだり、職務を超えて隙間を埋めたりする仕事も引き受けることもあります。

参考: 「プラットフォームとは何か?その役割は?」を、ソラコム CTOの安川が解説しています。ぜひこちらもご覧ください。

バランス感をもって仕事に取り組むには

バランス感や広い視点を持つために、心がけていることはありますか。

hori: 私が心がけているのは「コミュニケーションの手間を惜しまない」ということです。以前OKだったことでも、毎回きちんと確認しています。状況は刻々と変わるためです。手間のように見えますが、幸いなことにソラコムでは、Slackやオンライン会議で聞きたいときはすぐ聞いて確認できる環境があるので、手間は少しで済むことが多いです。スムーズに進めるために足下から固めて、先のリスクを減らしていきます。

課題がある場合は、各部門と折衝して見極めることを心がけています。今までの私の経験を振り返ると、こういったコミュニケーションを通じて、ここまでならオペレーションとして許容できる、このやり方ならエンジニアチームも開発できる、といった情報を元に、少しずつバランスのとれるポイントを見いだしていくことが多いように思います。

daisaku: 私はまだ入社間もないので、バランス感覚の取り方は日々勉強中ですが、自分の考えを持つことと同じくらい、他の人の話をきちんと聞けることが大事だと感じています。人から「こうだ」と言われたら、「こういう考え方もあるんだな」と相手の意見をまず受け入れることが、広い視点を持つ第一歩だと考えています。お互いの気持ちが分からないと、着地点も見いだせないと思います。

大事にしているリーダーシップステートメントはありますか?

hori: 新しいビジネス企画やプロジェクトの話はたいてい大いに盛り上がります。あれもやりたい、これもできる、そんな前向きな議論をしている途中でも、時にはしっかり反対意見を言うのもBDとしては重要なアクションです。ソラコムのリーダーシップステートメントに「Respectfully Disagree, and Commit once agreed」という項目があり、「敬意を持って異議を唱える – 皆のために意見を言った上で、チームの最終的な決定には従う」という説明が書かれています。空気を壊すことを恐れずに、「立ち止まって、法令を確認しよう」とか「プラットフォーマーとしてはどこまでやるのがベストか」といった視点でも議論に関わります。

テックスタートアップへの転職について

メーカーや通信キャリアからソラコムに転職して、働き方に何か変化がありましたか?

hori: 私の前職は中堅のデバイスメーカーでした。ソラコムでの仕事の進め方はとても新鮮に感じたのを覚えています。たとえば、お客様とのコンタクトは電話や直接お会いしてましたし、社内はメールでの情報共有で仕事を進めていました。ソラコムはサービス開始当初(2015年)からSlackやオンライン会議によるリモートワークを展開しています。”慣れ” は必要ですが、仕事を進める手段が広がり、場所や時間の制約を超えて仕事ができるようになったのは大きな変化だと感じています。

daisaku: 私は国内の通信キャリア出身で、いわゆる大企業にカテゴリーされる会社でした。特に驚いたのはメンバーの距離感です。例えば、朝オフィスの扉を開けると社長の玉川(ニックネームはken)がいて、「おはよう」と声をかけられることもあります。私の経験ではあまりないシチュエーションだったのでビックリしましたが、この距離感は2週間に1回行われる「Bi- Weekly All hands」という全社ミーティングにも現れています。このミーティングは、社長自ら直接会社の現況や方針などを語ります。会社経営や意思決定などが身近に感じられて、私にとってはモチベーションが上がる要因になっています。

hori: 全社ミーティングで、horiはこのプロジェクトで頑張った等と紹介されると嬉しいですね。ソラコムでは、このように社内にお互いの成果や工夫を認める文化があります。ミーティングやSlackなどでも、このプロジェクトには誰が関わってどんな成果をだしたかといった投稿も多くありますし、自分が書いた報告や工夫に対し、気軽に「いいね!」と反応をもらえます。こういった、お互いを認め合う文化は好きです。

時間の使い方は変わりましたか?

daisaku: スタートアップは忙しいというイメージがある方も多いと思います。確かに組織としてもまだ成長中で、役割ごとに縦割りの組織があるというよりは、一人一人がさまざまな仕事をこなすことが求められるのも事実ですが、ソラコムはフレックスタイム制で、1日8時間働くことを前提に働く時間を自分で決められます。我が家には3歳の子供がいるのですが「子供の保育園の送迎」「夕飯の準備」といったことをスケジュール(ソラコムではGoogleカレンダーを利用)にいれておいて、自由に時間を調整できますし、メンバーも快く支援してくれます。このようなフレキシブルな働き方にはとても満足しています。

hori: 私もフレキシブルな働き方はとても良いと感じています。基本的に自由にリモートワークを選択できます。メンバーと顔を合わせて話がしたいときは出勤し、集中したい日などは家からリモートワークで仕事をしています。リモートワークであっても、常にSlackで仕事やプロジェクト、時にはちょっとした日常会話もしゃべっていますので、孤独感はありません。誰かが見てくれているという安心感があります。

ソラコムでは、BD(事業開発)を募集中!

最後に、ソラコムのBDのやりがいを教えて下さい。

daisaku: ソラコムは新しいことをしているという手触りがあります。IoTや通信は、近い将来社会インフラとなる技術で、人々が必要とする技術です。ソラコムのBDとして、その未来を創ることに関われていることは、楽しいですし、これからも楽しみです。

hori: IoTのプロジェクトは新しい取り組みが多く、毎日が学びにつながります。社内の色々なチームのスペシャリストと関わりながら、取り組みを形にして前に進めていくというBDの役割はとてもエキサイティングです。

ソラコムでは、デバイス企画 (Business Development)のポジションで採用募集中です。

詳細は以下のサイトをご覧下さい。

― ソラコム田渕