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半導体分野の知見をIoTデバイス開発に活用!ソラコム認定デバイスパートナー、三信電気株式会社

こんにちは。ソラコム パートナーマーケティングの小出です。

本日は、SPSの「認定済デバイスパートナー」の三信電気株式会社(以下、「三信電気」)の事業領域や製品について、戦略事業ユニット 事業推進部の瀬戸山様、宮本様へのインタビューの内容を交えてご紹介します。

国内外に幅広いネットワークを持ち、海外工場を利用したファブレスなデバイス開発や、半導体商社としての事業にとどまらない柔軟な製品開発プロセスなど、IoTプロジェクトに取り組む企業の皆様にも興味深い内容となっておりますのでぜひご覧ください。

SPS(SORACOMパートナースペース)とは?
IoTシステムにおいては、センサー、デバイス、通信、セキュリティ、クラウド、アプリケーションと複数の専門領域にまたがったシステム構築が必要となります。ソラコムはIoTのエコシステムとして「SORACOMパートナースペース」(以下、SPS)という国内最大級のIoTパートナープログラムを提供し、デバイス、テクノロジー、ソリューション、インテグレーションとそれぞれの分野で技術と知見をお持ちの企業との協業を進め、市場を拡げてお客様の課題を解決、新たな活用法の創出を目指しています。

会社概要と得意分野

企業サイト:https://www.sanshin.co.jp/

ソラコム:三信電気は、当社のパートナーの中でも特に歴史と実績のある会社という印象です。また、半導体の商社としては、海外ネットワークを活用した製品調達力が高い、という印象があります。会社設立の経緯などをお伺いできますか?

三信電気:我々はもともと、NECの特約店として設立72年目になる会社です。現在は半導体の商社としてのデバイス事業が売上ベースで90%程度を占めており、国内外大手の半導体/電子部品メーカーから新興メーカーまで幅広く取り扱っています。一方、設立当初は、NEC自体が官民含む多くの企業の基幹システムの納入主要ビジネスとしていたため、その流れを汲むソリューション事業では、情報通信ネットワークを核にシステムの提案や構築、導入後のサポートメニューまで一括したサービスを提供しています。

ソラコム:お話を伺っているお二人の所属する「戦略事業ユニット」というのはデバイス事業グループの一部門とのことですが、デバイス事業グループについて、もう少し詳しくお話しいただけますか?

三信電気:デバイス事業部は、半導体や電子部品の取り扱いを通して、国内主要メーカーとお取引があります。日本における半導体事業の初期から取り扱いを行っており、単に商社として商品を卸すだけでなく、ソフトウェア開発や技術サポートなどの対応もしていました。そのため現在でも、ソフトウェア開発の受託、特にマイコンといわれるCPU周りの知見を活用した開発力には高い評価をいただいています。
ソラコムのSPSパートナーとしての事業は、「デバイス事業グループ」の中の「戦略事業ユニット」チームがメインとなっています。

「戦略事業ユニット」について

事業部の成り立ち

ソラコム:「戦略事業ユニット」というのは、今までの半導体を販売、提供するのと異なった事業を展開されているということでしょうか?

三信電気:我々のユニットは、お話してきたような半導体事業での知見とソフトウェア開発の実績を活用し、受託や開発支援だけではなく「デバイス設計・開発から製品化までを手がける事業部」ということで、4年ほど前に設立された部署です。製品に通信までを含めてお客様に届ける、というところで、ソラコムSIMを採用し、マルチ通信ゲートウェイ「Sensor Gateway「ISG-M1-LR25BT」」と、ソーラーパネルとバッテリーを一体化し電源やネットワークのない環境での監視を可能にした「電源レスLTEカメラ」の2つを認定デバイスとして登録しました。
また、このような完成品の提供だけでなく、お客様のご要望に応じてEMS(電子機器の受託生産)を通じて中国・台湾などの海外工場で製品化する、といったセミカスタムな対応もしています。

IoTデバイス開発における「強み」

ソラコム:「IoT」という言葉がない時代からの長い実績を活用して、完成品、セミカスタム両方の製品開発が可能ということですね。その中で、御社が考える「強み」というのはどういったところになりますか?

三信電気:先ほどからお話してきた実績の部分ももちろんですが、現在進行形で半導体商社としてのビジネスがあるため、IoT、Bluetooth、 Wi-Fi、LPWAなどの最新の情報をいち早く手に入れることができます。市場に出る前にセンサーや無線の新しい規格の情報が手に入ることは、センサーなどのエッジ側の開発のみならずゲートウェイ開発においても活かせると思い、今回のゲートウェイ(前出の「Sensor Gateway「ISG-M1-LR25BT」」)の開発に至りました。

IoT関連製品について

ソラコム:その製品について、もう少し詳しくお伺いできますか?

三信電気:本ゲートウェイは、アナログセンサを接続可能な、マルチ通信ゲートウェイです。『見通し最大100Kmの超長距離通信が可能なLPWAモジュール』を搭載しており、LTE通信が届かないような山岳地帯のセンシングデータも、LPWA通信(LoRa)に対応した子機・中継機で連携することで、LTE通信圏内までデータを送りクラウドに格納することが可能な製品です。また、このゲートウェイをベースにし、ため池管理、水位・冠水センサーとの組み合わせなど、様々なソリューションの展開をしています。

SPSに期待すること

ソラコム:最後になりますが、ソラコムのパートナープログラムに対する要望、こういった企業との協業機会を探している、などはありますか?また、ソラコムに対しての要望はありますか?

三信電気:当社と一番親和性が高いのは、今までクラウド側での可視化や遠隔操作などのアプリケーションの知見がある一方、ハードウェアを使って、エッジやゲートウェイ側からデータを取得する部分はパートナーに任せたい、といった企業だと思っています。そのような企業と協業して、自治体、インフラ系などのお客様に一緒にご提案できるのが理想的だと思っています。
当社自体がまだ「IoTをやっている」という認知が広がっていないので、デバイスの認定を機に、ニーズのあるお客様との出会いの場になることを期待しています。

ソラコム:本日は、事業内容からソリューションまで、いろいろなお話をありがとうございました。引き続き、パートナーの皆様のお役に立つ場をご提供できるよう頑張っていきたいと思います。

終わりに SPS参加のメリットとSPSへの参加方法

今回の三信電気のように、SPSには様々なソリューションをお持ちのパートナーがあつまっており、その数は780社にも上ります。ソラコムは、SPSという場を通じて、引き続きパートナー同士をつなぎ、新しい価値を提供することで、IoTの広がりを支援していきたいと思っています。

まだパートナーとしてご登録いただいていない方も、SPSは随時参画企業を募集しています。登録にかかる時間は3分ほど、ぜひこちらのフォームからご申請ください。また、SPSについてより詳しくお知りになりたい方は、ぜひこちらのブログも参考になさってください。

今後とも、ソラコムはSPSパートナーのみなさまとともに、お客さま企業のIoT活用をサポートしてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

― ソラコム 小出