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新しいSORACOM認定デバイスのご紹介(2023年4-9月)#1

こんにちは。三度の飯よりラーメンが好きなソリューションアーキテクト(SA)の 井出(ニックネーム: takao) です。

IoTプラットフォームSORACOMでは、IoT向けセルラー通信を提供するSORACOM IoT SIMのほか、IoTシステムに関するデバイスやクラウドサービスなど様々なプロダクトの販売や紹介を行っています。

SORACOM認定デバイスとは

SORACOM認定デバイスは、SORACOMパートナープログラム(SPS)に参加するパートナー様が開発・販売するIoTデバイスで、SORACOM IoT SIMでの動作検証済みなので、安心して使用できます。

本ブログでは、2023年4月から9月まで(FY2023上半期)の間に新たに仲間入りしたSPS認定済みデバイスパートナーのデバイスたちをダイジェストで紹介していきたいと思います。

メカトラックス株式会社:4GPi / Pi-protect / Pi-field / Pi-field Lite 

SPS認定済デバイスパートナーのメカトラックスが提供するRaspberry Pi用のLTE通信モジュールと、屋外でRaspberry Piを使ったIoTをできるようにするための機材一式が防水ボックスに入ったキットが仲間入りしました。最近ようやく品薄状態も落ち着いてきた感もあり、Raspberry Piを再び使い始めた方も多いのではないかと思います。この4機種はRaspberry PiをLTE対応する際に最適なデバイスです。

4GPiはラズベリーパイ専用に設計されたLTE通信モジュールです。電源構成など、ラズベリーパイの安定稼働を考慮した設計となっており、ビジネス用途での活用も可能となっています。PoCだけでなく、新規のデバイス開発に必要な数量が確保できないビジネス展開の際にもおすすめのモジュールです。

ラズベリーパイ用4G(LTE)通信モジュール「4GPi」

4GPi

また、同時に認定デバイスとなったPi-protectは、Raspberry Piと4GPiに加えて間欠動作のための電源管理や死活監視ができるモジュール(slee-Pi)を組み込んで防塵/防水BOXに一体化することで、Raspberry Piを屋外で利用可能にしたものです。さらに、屋外の電源がない環境でも使えるように太陽光パネル・蓄電池とセットにしたものがPi-fieldとPi-field Liteです。

Pi-protect(左)と Pi-field Lite(右)

Raspberry Piを使って開発したハードウェア・ソフトウェア資産を最大限活用して屋外の現場に投入したいケースで活用を検討してみてはいかがでしょうか?

株式会社アットマークテクノ:Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E Cat.1 Model / Cat.M1 Model

Armプロセッサ、LinuxOS搭載のIoTゲートウェイ 「Armadillo」でおなじみのSPS認定済デバイスパートナーのアットマークテクノからは、Armadillo-IoT ゲートウェイの新モデルArmadillo IoT ゲートウェイA6EのLTE Cat.1、LTE Cat.M1に対応した通信モジュールを搭載した2つのラインナップが追加されています。

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E Cat.1 Model(左)と Cat.M1 Model(右)

どちらのモデルも、現在SORACOM IoTストアでも購入可能なArmadillo-IoT G4(2021年発売)と同様にアプリケーションをコンテナで運用可能で、アップデート時の安全性や運用性が高い作りとなっています。インターフェースはUSBやLANはもちろんのこと、RS485と接点入出力を備えており工場設備のIoT化にも相性が良いです。間欠動作に対応しているため、必要な時だけ起動し通信を行わない時はスリープ状態となるような低消費電力な運用が可能となっています。

Cat.M1 modelは3万円台から入手可能となっていて、接点入出力やシリアル通信をプログラマブルに制御したい場合にはとてもコストパフォーマンスの良いデバイスです。

VIA Technologies, Inc.:IVT01 / AMOS-3007 / VAB-912,935,950

車載や産業といった高い信頼性が要求される現場で使われるデバイスに強みを持つSPS認定済デバイスパートナーのVIA Technologies, Inc.からは、AndroidタブレットデバイスIVT01、産業用AIエッジコンピュータのAMOS-3007、VABシリーズの3機種(VAB-912,935,950)が登場しています。

IVT01は車載用のAndroidタブレット端末です。8インチMIPI FHD静電容量式タッチスクリーンに加え、4G、GPS、Wi-Fi、Bluetooth、USB、CAN、9V~36VのDC電源入力など車載インフォテイメントおよびフリート管理に必要となる多彩な機能が搭載されており、本製品があれば様々なモビリティ向けのアプリケーションが実装可能な、まさに車載にぴったりな一台です。

IVT01

VIA AMOS-3007は、産業向けエッジコンピュータです。高耐久性の超小型システムは、1.5GHzのIntel® Atom®クアッドコアプロセッサを搭載しており、最も要求の厳しい屋外・屋内環境に適しています。主な特徴として、豊富なI/O機能セット、デュアルスクリーン対応、デュアルギガビットイーサネット、オプションのWi-Fi・4G/5Gモジュールがあり、多様なアプリケーションに対応する柔軟な構成が可能です。また、サイズは170mm(幅)x 48.5mm(高さ)x 126mm(奥行)と非常にコンパクトで、-20°C~70°Cの幅広い動作温度範囲を持っています。さらに、ギガビットイーサネット、USB3.0、ロック機能付きUSB2.0、RS-232/422/485 COMなどの豊富なIO機能を備えています。

AMOS-3007

VABシリーズの三機種はいずれもMediaTek社GenioシリーズのSoC(System on a Chip)を搭載したSoM(System on Module)とキャリアボードで構成されています。GenioシリーズはCPU/GPUに加えてAIアクセラレータを搭載しているため、VABシリーズはエッジAI機能を搭載した組み込みIoTデバイスの開発に最適なデバイスとなっています。OSはAndroid11.0とYocto 4.0.2をサポートしています。

VABシリーズ 左から、VAB-912,VAB-935,VAB-950

デバイス豆知識:
組み込みデバイスで使われる「SoC」「SoM」「キャリアボード」ってなに?

SoC

SoCは「System on a Chip」の略で、シングルチップにマイクロプロセッサ、メモリ、入出力ポート、無線モジュールなどを統合した半導体デバイスです。通常、黒い四角い形状をしており、基板上に実装されることで、RAM、ストレージ、電源管理ICといった他のコンポーネントや物理的なインターフェースと接続でき、IoTデバイスとして動作します。

SoCのイメージ

SoM

SoMは「System on Module」の略で、小型の基板上にSoCを含むRAM、ストレージ、電源管理ICなどの主要コンポーネントを備えたモジュールです。様々なサイズや形状で提供されており、キャリアボードへの実装はインターフェースコネクタを通して行われます。これにより、追加のインターフェースや機能を組み込み、特定のアプリケーションや製品向けのシステムを構築することが可能です。

SoMのイメージ

キャリアボード

キャリアボードは、SoM(System on a Module)を特定のアプリケーションやデバイスに組み込む際のインターフェースボードです。SoMは多様な基本的な機能を持ちますが、特定の用途や製品要件に応じた追加のインターフェースや拡張機能が必要な場合、キャリアボードが利用されます。このボードには、電源、Ethernet、USB、I/Oなどを接続するためのコネクタやピンヘッダのような物理的インターフェースが装備されており、多様なインターフェースの検証が可能となります。SoMベンダーが提供するキャリアボードの回路設計をリファレンスとして用いることで、必要な機能のみを搭載したオリジナルデバイスの開発を効率的に行うことができます。

キャリアボードのイメージ

いかがだったでしょうか?SORACOM認定デバイスにはたくさんのバリエーション豊かなIoTデバイスが登録されています。デバイスパートナーのみなさまのご協力により、常にIoTデバイスに関する情報がアップデートされ蓄積されています。

デバイス選びに困った時はぜひソラコムのセールスチームやSAに、こちらのIoT導入相談会フォームからお気軽にご相談ください!!!あなたのニーズにぴったりの一台をご紹介いたします。

そして、自社のデバイスをSORACOM認定デバイスに登録したいデバイスメーカー様はこちらのお問い合わせフォームからSORACOM認定デバイス登録について相談の旨ご連絡ください!

今回紹介しきれなかったデバイスは「新規認定デバイスの紹介!(2023年4-9月掲載分)#2」でご紹介します!乞うご期待!!

― ソラコム 井出 (takao)