7/5の年次カンファレンス SORACOM Discovery 2017 にて発表された新サービス “SORACOM Air for Sigfox” についてご紹介します
関連プレスリリース
IoT 通信プラットフォーム「SORACOM」が省電力広域通信技術 Sigfox に対応 ソラコムがKCCSの Sigfox パートナーに
これまでのソラコムの LPWA への取組
ソラコムは、2016年5月に LoRaWANを利用した通信事業に参入を発表したのを皮切りに、2016年7月の LoRaWAN PoCキット販売を経て、2017年2月に1台から購入可能な SORACOM Air for LoRaWAN を発表、LoRaWANをいち早く商用サービスとして展開してきました
これによりIoT 向けデータ通信を提供する SORACOM Air は、SORACOM Air for セルラーと、SORACOM Air for LoRaWAN へと、その適用範囲を広げてきました
また、2017年5月には、セルラー向けの低データ量プランとして基本料金 0.4$/月、データ通信料金 0.5$/MBから利用でき、日米欧の主要国で利用可能な新料金体系「Low Data Volume」もリリースしており、IoT向けのデータ通信の選択肢を常にリードしてきました
Sigfox とは
Sigfox は IoT 向けの通信規格で、低価格・省電力・長距離伝送が特長です。既に欧米を中心に32か国で展開中、2018年までに60か国に増加する予定であり、LPWA を代表するグローバルな通信規格として各国で導入が進んでいます
SORACOM Air for Sigfox の提供開始
本日(7/5)より、「SORACOM」プラットフォームで、Sigfoxをご利用いただける「SORACOM Air for Sigfox」を提供開始します
お客様は、これまでソラコムが提供している SORACOM Air for セルラー 、SORACOM Air for LoRaWAN と同様に、「SORACOM」プラットフォームのWebコンソール/APIを通じて、Sigfoxのデバイスや通信を一括操作・管理できるようになります
Sigfox サービスは京セラコミュニケーションシステム社が日本における唯一の Sigfox オペレーターとして、インフラ構築およびネットワークサービスの提供を行っています。そのため、お客様は基地局設置といったインフラ構築および運用を行う必要は無く、対応デバイスを準備頂くだけで、Sigfox サービスエリア内ですぐに IoT システムを利用することができます
SORACOM で Sigfox を使う利点
IoT のシステムでは個別のユースケースやそれぞれの業務要件に応じ、適した無線通信の方式を選択を行うことが重要です
しかしながら、無線通信の方式毎に通信管理やデータ取得の方法が異なるのが普通であり、その結果、不便や機能不十分を承知の上で一つの通信方式に絞るといったケースが多くあります
その点、「SORACOM」プラットフォームをご利用いただけば、無線通信方式毎に異なるシステムや運用体制を構築することなく、共通のプラットフォームで開発・管理・運用を行うことができます
普段の設備の稼働状況の監視等は SORACOM Air for Sigfox や SORACOM Air for LoRaWAN を用いて監視を行い、ファームウェアのアップデートといった高速通信や、広域に移動する移動体のトラッキングには SORACOM Air for セルラーを利用するといった、使い分けが可能です
また、システムの開発においても、SORACOM Air for セルラーやLoRaWANの時同様、データ転送サービス「SORACOM Beam」や、クラウドリソースアダプターの「SORACOM Funnel」、そして、データ収集・蓄積サービスの「SORACOM Harvest」といった「SORACOM」のアプリケーションサービスが利用できます
新たに Sigfox流の開発を学ぶこと無く、いままでのアプリケーション開発の知見を活かして Sigfoxデバイスを用いたアプリケーション開発が可能となります
もちろん、SORACOM Funnel の「Partner Hosted Adapter」にも対応しておりますので、本日新たに発表させていただいたSPSパートナーのIoTソリューションとも簡単な操作ですぐに連携することが可能です
Sigfoxデバイスの個別販売開始
SORACOMコンソールから、1個単位で、Sigfox デバイスの購入が可能です。開発者が気軽に購入できるよう整備しているのも SORACOM Air for Sigfox の特徴です
本日より2種類の Sigfox デバイスをご購入いただけます
- Sens’it: 7種類のセンサ・バッテリを内蔵しており、Sigfox を利用したデータ収集やサービス開発のためのプロトタイピング端末
- ドライコンタクトコンバーター: 既存機器の接点出力センサを簡単に Sigfox センサにすることが出来る端末。IP65相当の防水防塵・バッテリ内蔵
料金
いずれのデバイスも機器費用、契約事務手数料、1年分の SORACOM Air for Sigfox サービス利用料を含んでいます
そのため、上限140回/日の通信を毎日行った場合でも、通信・プラットフォームに掛かるコストは固定になります
(なお、SORACOM Harvest をご利用の際は追加の費用が必要です。)
また、1年後の更新時は SORACOM Air for Sigfox サービス利用料のみとなり、1,440円/台・年(120円/台・月)で固定化された、非常にリーズナブルな価格です
まとめ
今回、Air for Sigfox をリリースさせて頂くことで、お客様のニーズやユースケースに適した無線通信方式の選択肢がさらに広がりました
AWS、Azure、Google やパートナークラウドへの接続も拡充を続け、SORACOM はあらゆる無線とクラウドをセキュアに接続するプラットフォームとして進化していきます