こんにちは。ソラコムのasako(平)です。
今回は前回に続いてサポートチームから、グローバル向けの英語カスタマーサポートを担当しているfelixにお話を聞いてきました。felixは日本在住でありながら、世界時間でグローバルのお客様と日々対峙しています。
日本発で世界に向けてプラットフォームを提供しているソラコムでは、海外拠点だけでなく日本においても、英語をメインの言語として仕事をするメンバー(グローバルメンバー)が増えてきており、全体だとすでにその数は3割に達しています。
グローバルで事業を進めるにあたり、重要な役割を担うグローバルメンバーとして、なかなか普段聞けないその仕事内容や、世界中のお客様やチームメンバー、パートナー様とやり取りする際の工夫などについて詳しく語ってもらいました!
働き方だったりチーム内でのコミュニケーション方法についても試行錯誤の内容をお伝えしているので、国内でグローバル化に対峙している方にも伝わる内容となっています。ぜひご覧ください!
株式会社ソラコム
サポートエンジニア
シェ フィリックス(ニックネーム felix)
ー今日はグローバルのカスタマーサポートを担当しているfelixにお話を伺います!入社時に1on1をした際にいつかインタビューさせてください、と話をして以来だいぶ経ってしまいましたが、、この度ようやく実現しました!
入社当初!懐かしいですねー。でもソラコムにいると不思議なもので、毎日が新しいチャレンジなので、つい昨日のような感覚でもあります。みなさん初めまして、felixと申します!
やっぱり聞きたい「ソラコムに入った理由」
ー当時の記憶が蘇ったところで、いきなり聞いちゃいます。どんな経緯でソラコムに入ったのですか?
前職はウェブ制作とアプリ開発、マーケや営業などの幅広い内容で、経営状況を改善させる目的でインフラとクラウドを使って仕事をしていました。同時に通信とデバイスにも興味があり、自習したり試したりしていました。当時ブロックチェーンやML(マシーンラーニング/機械学習)にも気になってきていたんですが、実現するためにはモノ(デバイス)と通信とコンピューティングが必要だと気づき、まさに世の中に求められているのはIoTだと思って業界に入りました。
ー入ってからはどんな仕事をしているのですか?
前回のサポートエンジニアの社員インタビューと同様に、基本的な仕事はソラコムについてのテクニカルなお問い合わせに対応していますが、一番大きな違いは英語で海外のお客様とのやり取りをするところです。具体的には、やり取りを正確にするためにデバイス(機器の)検証やトラブルシューティングの問題再現・解決をしながらその結果をお客様に解説するとともに、技術ドキュメントの整備をしたりソラコムのアメリカとヨーロッパのチームメンバーに事象を共有しています。
ソラコムの開発拠点はUSやオーストラリアなどグローバルにまたがっていますが、開発の主な拠点は日本となっています。そのため、各国の拠点に出張し、技術者としてお客様とのテレカンに参加したりグローバルメンバーとの社内研修を行ったりすることもあります。ソラコムではグローバルメンバーの割合も年々高くなっており(グローバルメンバーの全体に占める割合は現在おおよそ3割に達しています)、日本と違ってすぐ隣に現地のエンジニアが座っているわけではないグローバルのセールスとマーケティングのチームにとって、サポートは重要な役割となっています。
<シアトルにあるUS 拠点の様子>
世界を相手にしているからわかる!お客様の地域性
ー仕事をしていてどんな時が嬉しいですか?
もちろんお客様の困難を解決できた時が嬉しいですね。日本でも海外でもソラコムのプラットフォームサービスの価値は同じですが、サポートの価値という意味で、手前味噌ですが「ソラコムは早くて、しかも詳しくて適切な回答をもらえる!」と好評をいただくことが沢山あり、嬉しい限りです。
海外、特に通信企業では請求・技術の問い合わせ窓口はそれぞれ別で、各担当から連絡がくるケースもあるそうなんですね。その点、私達サポートとエンジニアが近いこともあり技術系のご質問にもスピーディに応じられる体制です。その点を評価いただいていると思います。サポートチームとして、「ソラコムにして良かった」というお客様からの印象を得続けることで、サービスの利用がどんどん広がって行くと嬉しいですね。
ー日本でも隔週で実施している全体ミーティングでは、必ずサポートの実績と共にお客様のフィードバックを共有する場がありますが、海外のお客様からのテクニカルサポートへのご連絡はそれぞれのお国柄も見えて面白いですね!
お国柄といえば、地域性豊かなグローバルメンバーとの仕事も楽しいです。海外では環境や社会問題など、地域毎の特性によって変わる課題がいろいろあって、それに対するIoTの活躍も沢山あります。それぞれのソリューションが実現して問題が解決するよう、グローバルメンバーと一緒にプロジェクトの計画と実行をして、最後に出来上がったときも最高に嬉しいです。
チャレンジ=クリエイティブの母
ー逆にチャレンジだと感じるのはどんな時ですか?
サポートエンジニアとしては、お客様の目の前にある問題を解決する上で、プラットフォームとしてソラコムの価値を伝えることが毎日のチャレンジです。
ソラコムはデバイスとネットワークとコンピューティングの組み合わせを、誰でもIoTプロジェクトがスタートしやすい形で、プラットフォームとして世界で初めて提供しています。おかげさまで国内のIoT業界で幅広く認知をいただいていますが、一方海外ではデバイス・ネットワーク・コンピューティングを別々で導入した古いシステム構築が沢山あって、次のIoTソリューションを作るときにも同じようにアラカルトなアプローチを使うことが多いんです。
我々が行ってお客様と話すとソラコムのプラットフォームの価値をすぐ理解してくれて喜んでくれるのですが、プロジェクトがすでに始まっていることも多く、手戻りが発生してしまうケースもあります。「ソラコムのことをもっと早く知っていれば良かった」という流れは今でも少なくはなく、ここを更に改善していきたいと目下グローバルチームは奮闘しています。
この中で、サポートとして、デバイスと通信とクラウドの技術的な知識と的確かつ真摯に伝える解説スキルを高めつつ、更に技術の背景にあるビジネスの思想であったり、セールスやマーケティングの観点も踏まえた上で、価値を上乗せしていけるようになると強い!と思っています。
別の言い方をすると、日々の問題解決だけではなくて、お客様が裏で悩んでいることに対して、事前に具体的なアドバイスやソリューションを提供して、IoT業界中の開発についての考え方をどんどん変えていくべき、と思っているんです。
1件のお問い合わせに対してきっと世の中に他に20社が同じことを悩んでいるはずなので、その人たちにサポートとして解決策をどう届けられるのかが課題です。
ー目の前の事象だけでなく、裏の悩みまで見抜いて予防的に対応するのは、ものすごい洞察力が必要な気がします。何か具体的なやり方はありますか?
まずはお客様の実際のビジネスの立場に立って考える必要があります。その上で、3つの観点からお客様の状況を推察してそれに合わせた形でアプローチするようにしています。
1つ目はお客様自身の規模感、2つ目はIoTを進めるにあたってどこまで周辺の情報含めて土壌が整っているか、という成熟度合い、そして3つ目はIoTに割くことができるお客様側のリソースがどのくらいあるか、です。
例えば、アプリ開発の経験しかないスタートアップや業界に数十年の経験を持っているエンタープライズなどではお問い合わせの背景が異なりますので、見極めた上で対応方法を考えます。
サポートのもう一つの責任は想像を膨らませながら事前に対応することだと思っています。
<グローバルで使われているデバイスの一部>
ーまさにクリエイティブですね!
後はグローバルの共通言語(英語)でのやり取りですが、お客様の技術力と立場に合わせて対応内容を調整することと同様に、英語の使い方を工夫することも大事です。
グローバルといってもお客様は必ずしも英語がネイティブではない場合も多いので、例えばストレートに言った方が伝わると考えた時には語数を減らすために文法をわざと無視して技術面にフォーカスする場合もあって、そこをどう判断するのかはある意味良い言語遣いになるための練習になっていると感じます。
グローバルでコラボレーションするための秘訣とは
ーお客様やチームメンバー含め、リモート同士のやり取りが多いと思うのですが、どのような点を工夫していますか?
基本的に日本の営業時間帯で仕事をしますが、お客様とグローバルメンバーとの打ち合わせをするために働く時間を調整することが多いですね。それは大変じゃないですか?と思われがちなんですが、日本の朝の時間帯はアメリカの夜とヨーロッパの真夜中なので、対応時間を少しずらしても大きな影響はなくて仕事は生活リズムと合わせやすいです。
あとは働く時間の調整があるのでリモートワークが基本ですが、チームメンバーと一緒に働いている感を守るためにデイリー、ウィークリー、マンスリー毎でやり取りを替えています。例えば、毎日リモートで細かい仕事の範囲に近いサポートやエンジニア同士とSlack上でコミュニケーションを取ることだったり、週になるべく1回は出社して、F2Fでプロジェクト進歩の打ち合わせなどを取りながらお互いの存在感を守ること、あとは月毎又はクオーター毎の会社全体のイベントに参加して自分の仕事を役職を超えた多くの仲間と話し合う、などを工夫していますね。
この形で進めると、集中時間と相談しやすさのバランスの調整が十分に取れるので、とても居心地が良いです。
ーグローバルメンバーも最近は増えてきました。よかったことや課題はありますか?
まず、社内の情報交換をもっと英語でも行っていく必要を大きく感じていますね。ソラコム社員は元々英語でのコミュニケーションが問題なく出来るメンバーも多いですが、グローバルメンバーとの情報共有の必要性を感じるようになってからは、日々のコミュニケーションに追加して、毎日のsync(注:全社で毎日行う短いstand up meeting)を英語でまとめてシェアしたり、slackに#language-exchangeと言う社内交流チャネルを新設してそれぞれの言葉の使い方などの相談を自発的にしたりしています。
<#language-exchange チャネルのやり取りより>
経営情報のシェアなんかも多言語で行うことが増えてきました。直近の取り組みとしては四半期毎の会社全体のレビューの際に、社員の何人かが手を挙げて日本語でのディスカッションをほぼリアルタイムで通訳してみました。それぞれの話を理解しながら英語でまとめて説明することは確かに難しかったですが、グローバルメンバーにとってはとても良かったと思います。
もちろん遅れたり間違えたりする現状でコミュニケーション体制の改良は大きな課題ですが、同じ思いをチームのメンバーで共有しつつ、皆でよくしていこう、昨日より今日、今日より明日、の気持ちでやって行っていること自体がすごく素晴らしいと思います。
変わらないものはやっぱりチーム!では変わるものとは?
ーソラコムに入ってから変わらないと感じることと逆にこれから変わっていくと思うことは何ですか?
ソラコムメンバーは社内でも講演でも「IoT is a team sport」という一言をよく言いますが、入ってから本当にそうだ!と強く感じています。日頃のメンバー同士のチームワークだけではなくて、プラットフォームを提供する会社としてお客様やパートナーさんと良いモノを生み出せるようにお互いの協力とサポートが大事で、そのチームワークの重要さは変わらないと思います。
そしてメンバー同士でも、お客様やパートナーさんとの間でも、良いチームプレーが出るためには、自社のリーダーシップ・ステートメントが大事な役割を担っています。これが実は大事でありつつ、変わるものでもあるんです。
ー会社のバリューは変わらないものなイメージがありますが、そこが変わるというのは面白いですね。
「内容通りに行動しなければならない」といったルール(規則)と違って、そのそれぞれのステートメントは「このように行動すれば効果が出るでしょう」という断言的な意味合いがあります。メンバー全員はその内容を実践しつつ結果を精査して、より良いステートメント案が考え出されたら手直しして行きます。
現在のステートメントの内容は完成形に近くなっており、今後大きな変更はないと思いますが、これから新しいメンバーがもっと増えた際の効果的なワークスタイルや、業界のIoT開発・活躍についての考え方が進化していけば、ソラコムのリーダーシップ・ステートメントも同時に進化していくでしょう。
ーおお、最後はアカデミックかつスケールが大きな話になりましたね!でもすごく共感。
実は私、若い頃先生をやってたこともありまして(笑)
ー!!!(すごく納得)
それはさておき、この話も、言語の話然りでこれからを見据えたまだ序章のことなんです。私たちの強みはこの序章からどんどん次のストーリーを作っていけるチームであるということです。
といことで、これからも変わらないこのチームに興味のある方、ぜひお待ちしています!!
ーちょうど12月4日に採用説明会(オープンハウス)があるのでオフィスや働き方もチェックできますね。ありがとうございました!