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全国に広がるウェザーニューズのお天気カメラ「ソラカメ」 – ソラカメ最新事例

クラウド型カメラサービス「ソラカメ」は、IoTの「目」として様々な現場に置かれることで、防犯カメラとは異なり、離れた現場の映像を確認することで現場の解像度を上げ、巡回業務の移動時間を削減する、現場のオペレーションをラクにするサービスとしてありたいと考えています。その中で、ウェザーニューズとソラコムは、今年3月にお天気アプリ「ウェザーニュース」に連携したライブカメラを共同開発したニュースを発表しました。

そして今年7月17日に開催したSORACOM Discovery 2024では、セッション「”現場の目”で価値を創る、クラウド型カメラ活用最新事例」を実施しました。ソラカメ活用の最新事例として、気象情報サービスの先進者である株式会社ウェザーニューズ モバイル・インターネット事業部 グループリーダー 上山 亮佑氏の登壇内容をご紹介します。

株式会社ウェザーニューズは、気象情報サイト「ウェザーニュース」などを運営し、海運、航空、鉄道、道路、流通、スポーツ、モバイル・インターネット、放送などの様々な業界に向けて、気象情報を活用した支援サービスを法人・個人向けに展開しています。

ソラコムとの「IoT×気象情報」に向けた取り組み

ソラコムとの取り組みは、今回ご紹介するお天気カメラ以外に、高性能気象IoTセンサー「ソラテナPro®️」やIoT花粉観測機「ポールンロボ」にSORACOMのSIM等の採用があります。

モバイル・インターネット事業部では、個人向けに気象情報を発信。最近ではYouTubeで24時間生放送といった番組を提供しています。天気サイトの中の1メニューとしてある「ライブカメラ」は元々PV(ページ閲覧数)も高く、ここを伸ばしたいという思いを持っていました。ただライブカメラは、設置場所、運用、費用面がネックでした。

ライブカメラチャンネルとして全国400箇所にカメラを設置していましたが、拡大に向けては課題がありました。そんな中で、ソラコムの提供するソラカメに出会い、Myライブ企画がスタートしました。

Myライブ企画とは?

ウェザーニューズのアプリの中に、ユーザー参加型のウェザーリポーターという制度があります。個人だけの楽しみにとどまらない、同じ空の下でつながる「世界最大のお天気コミュニテイ」です。本企画は、リポーターにソラカメを配布し、自宅の空を撮ってもらうものです。

アプリ内、それもライブ放送内での利用にはAPIが必要で、ソラカメのAPI連携機能が特に役に立ちました。

企画は今年3月にスタートし、リポーターにソラカメを配布しましたが、本当に設置してもらえるかは不安でした。空を映すので、自宅などの個人情報を映すわけではないですが抵抗がある方はいるのでは?と感じていました。

開始からわずか4ヶ月で、全国1,500箇所に設置

400台の設置から始まりましたが、開始からわずか4ヶ月で1,500台まで広がりました。1、2年後には数万台といった規模まで拡大するのでは?と考えています。当初実現したかった、「日本の空をライブする1番のライブカメラネットワークを構築する」、日本の空に関してはリポーターの力があって、ウェザーニューズが全て持っているというようなことが実現できるのではないかと思っています。

リポーターが寄せてくれる設置ノウハウを集約して共有

ウェザーニューズはカメラの送付は行いますが、設置は個人に頼っています。特にベランダは空を映すための設置が難しいですが、たくさんのリポーターが参加してくれることによって、自分の設置方法やノウハウを多く寄せていただきました。これらのノウハウを募集して、皆でシェアをし、助け合いながら進めてきました。

全国から集まる様々な「空」映像

リポーターの皆さんが撮影を始めると、豪雨や虹、落雷、ツバメの巣の孵化や巣立ちまでといった色々な絵が集まりました。

気象観測機だけでは撮れない情報がたくさん集まっています。例えば空の色は、観測機では取ることはできません。気温や湿度といった数値は観測機で取れますが、虹や雨がどのように降っているか、これまで「目」でしかわからなかった情報が、ソラカメが様々な場所に設置されることで、日本の空が可視化されていっています。

天気予報の精度向上に向けて

予報センターでは、これらの情報は予報の精度向上につながるとして、期待しています。最近では当社内のツールで、ライブカメラの場所と雨雲レーダーを重ねて表示しています。雨の振り方、雨雲が強いところは今どうなっているんだろう?ということが、映像を通じて連動・確認することができています。

ソラカメは安価でありながらAPIを有しているので、今後はAPI連携もさらに実施していきたいと考えており、例えばゲリラ豪雨の予測、積乱雲の監視、竜巻の早期発見などが用途として挙げられます。APIを使いながら、画像解析や気象データと組み合わせることで、これまで捉えられなかった現象そのものが捉えられるようになるかもしれません。そうすることで、気象によって我々ができなかったことができるような世界になってくるのではと、大きな期待を寄せています。

最後に

SORACOM Discovery2024の資料は、カンファレンスのサイトで公開されています。他のセッションの資料もぜひご覧ください。

― ソラコム 藤林 (miyuki)