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SORACOM FluxがGemini 2.0 Flashに対応、生成AI活用が低コストで実現可能に

こんにちは!生成AIも使えるIoT Automatorの「SORACOM Flux」の事業責任者を担当しております高見(ニックネーム:yuu)です。

2025年5月8日にプレスリリースでご案内させて頂きました通り、この度生成AIを活用することでより簡単にIoTによる業務自動化の実現を可能にするSORACOM FluxがGemini 2.0 Flashに対応致しました。このブログではそれがどんなメリットをもたらすのかご紹介したいと思います。

そもそもSORACOM Fluxとは?

SORACOM Fluxは様々なIoTセンサーやカメラ等のデバイスから、センシングデータや画像データを入力データとして受取り、生成AIを活用して解析し、その結果に応じて様々なアクション(Slack、Teams、Email、Webhookによる外部デバイス制御やシステム連携、Soracom Harvest Dataなどでの解析や結果の蓄積)を自動的に実施することができます。

つまり、SORACOM Fluxを使えば、IoTアプリケーションがローコードで実現でき、皆様の現場の業務自動化を実現できます。

IoTアプリケーションを作成して業務を自動化するためには以下のファンクションが必要です。

① IoTデータの収集

② データの解析、解析結果に応じた条件分岐・判断

③各結果に応じたアクション(通知や外部デバイス制御)の自動化

今まで①や③の部分を手軽に自動化するサービスは弊社でも提供してきたのですが、②の部分はどうしても各ユーザー様の業務に応じて条件分岐・判断基準がことなるため、プログラミングなどで個別に実装せざるを得ない領域でした。また、そのためにはクラウドサービス等を活用してシステムインフラをある程度運用することも必要でした。

しかし、生成AIの登場によりIoTセンシングデータや画像の解析が プロンプト(文章)で指示できるようになったことで、IoTアプリケーションに必要な要素全てを簡単に実装できる環境が整いました。これを手軽にSORACOM プラットフォーム上で全て完結できるサービスがSORACOM Fluxなんです。

Gemini 2.0 Flashに対応すると何が良いの?

今回お伝えしたかったUpdateは「SORACOM Fluxで利用できる生成AIモデルにGemini 2.0 Flashが追加されました」という点です。

下図の生成AIモデルごとのクレジット消費量を表す表を御覧頂くと確認いただけますが、「Google Gemini 2.0 Flash」の消費クレジットをぜひ確認してみて下さい!

消費クレジットはわずかに4です!!GoogleはGemini 1.5 Proの後継モデルとしてGemini 2.0 Flashをアナウンスしているのですが、Gemini 1.5 Proの消費クレジットは45でした。つまり、1/10以下に生成AIクレジット消費量が下がります!

実際にこの価格がいくらぐらいなのかサンプルユースケースで試算をしてみましょう。

たとえば、カメラ1台に対して、30分に1回画像解析するFlux appを実施する場合、SORACOM Fluxの利用料金は以下の通りになります。
※別途、Harvest Filesのご利用料金が発生します。通常プランですと1GiBあたり月額220円です。

  • 30分に1回の解析をする場合、
    • イベント回数は1日48回x1ヶ月(31日換算)で1488回なので無料枠10,000イベントに収まります。
    • 消費クレジットは1484回x4クレジット=5952。(2976-無料枠1500)x 0.044円 = 月額196円/台
    • なんと、カメラ1台あたりの解析コストは月額196円/台、例えばカメラ10台分の画像データを解析しても、わずか月額1960円です!
  • 10分に1回の解析をする場合、
    • 消費クレジットは17,856。(17856-1500) x 0.044円 = 月額720円/台
    • 滞在人数カウントによる混雑度測定や、店頭在庫状況の解析等の一般的な解析用途であれば、 10分に1回できれば十分本格導入に耐えうる解析頻度です。

参考までにSORACOM Fluxの価格表も掲載させて頂きます。こちらのDeveloperプランに基づいて、上記は算出をしています。

私はこれまでソラカメの事業責任者も担当しておりますので、過去3年間「カメラx画像解析」というIoTプロジェクトの導入支援に数多く携わらせて頂いてきましたが、この価格感はこれまでの機械学習モデルでの解析コストと比較してもかなり安価だと思います。

もちろん、高度なモデルの作り込みが必要な専門的な用途であれば機械学習モデルによる解析アプローチのほうが優れているケースもありますので、どちらが良いというものではありません。用途に応じて、使い分けて頂くのが正しいアプローチです。

しかし、多くの皆様が現場で悩まれている共通課題のような汎用的な用途であれば、このGemini 2.0 Flash の登場により、ゲームチェンジが起きたと言えると思います。ぜひ、この機会にSORACOM Fluxを用いて「AIカメラによる業務効率化」を始めてみませんか?
(ソラコムではFluxと連携できる手軽なクラウド型カメラサービス「ソラカメ」もご提供しています!!)

自分がやりたいことがFluxで実現できるのか質問したい、いくらぐらい掛かりそうか知りたい、どのプランから始めるのが良さそうかわからない、といった場合は、お気軽に弊社Webサイトよりお問い合わせ下さい。(https://soracom.jp/contact/)

まとめ

  • SORACOM Fluxを使えば、IoTデータ収集〜解析・条件分岐〜アクション(デバイス制御、通知、システム連携等)まで一気通貫でローコードで実装できる。
  • SORACOM FluxがGemini 2.0 Flashに対応したことで、消費クレジットが大幅に下がり、例えばソラカメ x SORACOM Fluxによる解析アプリケーションの利用コストも大幅に安くなり、30分に1回の解析頻度ならSORACOM Flux利用料金は月額196円/台で自動化できてしまう!!
    (別途、Harvest Files利用料金が発生します。通常プランは1GiBあたり月額220円です。)

SORACOM Fluxは3月4日から正式に有償提供を開始したばかりの新しいサービスです。これからもユーザーの皆様からのフィードバックを元にどんどん改善していきたいと思っていますので、ぜひソラコム社員に直接お伝え頂いたり、SNS等で発信頂けますと幸いです。引き続き、SORACOM Fluxを宜しくお願い致します!!

― ソラコム高見 (yuu)